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2024年9月20日|大谷選手50本50盗塁おめでとう。と、この記録の凄み。
大谷の記録が騒がれていますが、50本50盗塁の何がどう凄いのか今イチわからずにいる人が多いと思うので、ちょこっと触れます。
大体の人が史上初だから凄いんじゃね?で終わってる気がするので(笑)
打者の名誉として有名なのが三冠王です。
こいつは打率、本塁打、打点の3つ全てがリーグ1位の称号です。
この三冠王も十分に難しいですが、メジャーで過去の達成者は10人以上。
別に三冠王の方が価値が低いとかそういう訳ではありません。ここで言いたいことはそうじゃないっす。
なぜ三冠王はいるのに、50本50盗塁が今まで誰も達成できなかったのか?を説明する際には、三冠王と比較するとその凄みが頭で理解しやすいです。
三冠王は極端に言うと、本塁打を打ちまくっていれば自ずと獲得できる可能性が高まります。
本塁打を打てば打率も打点も同時に稼げるからです。
一方で本塁打と盗塁は両立しません。というか相反するんです。
理論上、本塁打を打った打席で盗塁することは出来ません。
本塁打が増えれば増えるほど、盗塁する機会が絞られるんです。
つまり、本塁打を打ちまくっていると打率や打点と違って、盗塁はむしろ減ってしまう方向に作用してしまうんです。
本塁打が30,40,50と増えていくと、数字の見かけ以上に盗塁数は増やしにくいっていうのがこの記録のカラクリです。
これが5050の達成者が未だにいなかった理由の1つです。
この記録を達成するための条件が3つあります。
①メジャー全体で年間に一人いるかいないか、というレベルの50本塁打を打ちながら、
②本塁打以外にも盗塁機会を増やすために出塁を増やし、
③限られた盗塁機会で盗塁数を稼ぐために盗塁成功率を上げる
この3つがMUSTになります。
この記事の投稿時点で大谷の盗塁成功率は90%を超えていますが、逆に言えばある程度成功率が高くないと5050は難しいんですよ。
ちなみに50本塁打と同時に50盗塁どころか、
30盗塁以上を記録した選手も、大谷選手以外には未だに存在しません。
さて、この記録は今後達成できる選手が現れるでしょうか?
盗塁関連のルールが2023年に大幅に改定されました。
そのため2024年現在、以前に比べ盗塁がやりやすい状況となっています。
それまで、50盗塁は50本塁打と同様に年に1人居るか居ないか、という達成が難しい数字でした。
なんで、今後は50盗塁を記録する選手のペースはどんどん加速するのは確実です。
問題は50本塁打ですが、こちらは相変わらず達成は年に1人くらいのペースで発生しています。
おそらくですが現行のルールのまま行くと、10年に1人くらいは50-50に挑戦できる選手が現れるのではないかと考えています。大谷選手が現役中にひょっとしたら現れるかもしれない、くらいの感覚です。
現役で達成可能性として考えられるのはBobby Witt Jr.とAcuña Jr.くらいでしょうか?
シーズンを通じて怪我無く調子を大きく崩さず、技術のみならず体力的なタフさも求められます。本当に達成困難な記録です。
改めて大谷選手、おめでとうございます。
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