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演劇部の話をしましょう

演劇部ってなにしてるの?
ー演劇です

この4年間何度この質問をされたことか。
校内公演とか大会とか
演者とか裏方とか
演劇部ってもっと知名度上がっていいと思います。

私は最近、自分が演劇部であることに覚悟を決めました。その話がしたい。

まず、ざっと演劇部についての説明が必要です。
演劇とは、演者と裏方に分かれています。
演者は皆さんご存知の通り舞台の上で演技をする人
裏方は演出、舞台監督、照明、音響、小道具など…
団体によって名称、分け方は異なります。

私は裏方に興味があってこの世界に足を踏み入れました。作品をつくるって面白そう、そんな思い。
人前に立つのが苦手でひっそりとしていたいタイプです。影の立役者になりたいと意気込んでいました

しかし

気づけば役者の欄に自分の名前が書かれていて
気づけば台本に蛍光ペンを引いていました
舞台をつくるには部員が少なすぎた
希望と違う配役になることはよくあることです

でも、それでも

あれ、おかしいな
なんで舞台に立つんだっけ、なんで演技なんかしてるんだっけ、そんなことを思いながら練習に参加していました。

全く声が出ない発声練習から始まり
恥ずかしくてしょうがない自己解放の時間
緊張に支配される読み合わせの練習

…しんどい
自分がなにも上手くできないことが目に見えて分かりました。楽しくないことは頑張れない

でもやめたいとは思わなかった
この役を自分のものにしたい
舞台の上で輝きたい
少しずつですがそう思うようになりました

きっと私は単純で負けず嫌いで、
多分もう演劇が好きだったんです

それからも演者として舞台に立ったり、
演出として舞台を作ったり
裏方として舞台を彩ったり
脚本として舞台を生み出したり

楽しいです、全部全部楽しくて仕方がない
0から物語が形になっていく様子
感情をコントロールする感覚
他の演者と一体になる瞬間

ここじゃないと味わえないもの全部をできるだけ吸収しよう、そうやってがむしゃらに演劇の道を進みました。

少しずつ、声が出るようになった
よく通る綺麗な声だね、と褒めてもらえたことは
忘れられません

自分の感情を上手く台詞にのせられるようになって
自分を見て、と思いながら舞台に立てるようになって
演劇って楽しいんです、演劇部って青春なんです

改めて演劇が好きなんだって思います

そして

ついこの前、台本選びがありました
候補の中からどれをやるか部員皆で話し合いです
計10時間くらいはかかった気がする

この時の話し合いは私にとって大きな出来事でした
簡単に言うと、
これからも演劇をする覚悟が決まった

この時、自分の技量が原因で選択の幅が狭まることに対して悔しさを抱えていました。 

やりたい台本があるのに、好きな話があるのに
これを演じきれる自信がないから選べない
この舞台を作り上げる自分を想像できない 

もちろん、やる気はあるんです
死ぬ気で練習して全力で演じます
でも
気持ちだけじゃどうにもならない技術の面で
どうしても自信がもてない

頑張ります、の一言で責任を背負えない
先輩の晴れ舞台を汚すわけにはいかない

悔しい、情けない、
自分にもっと演技力があれば
もっと通る声ともっとはっきりした滑舌があれば
好きな台本を好き、って気持ちだけで選べたのに
 
こういうことって他にもありますよね
私、運動とか音楽とか触れてこなくて
今まで何かを死ぬ気で頑張った経験ないんです
強いて言えば勉強

受験のときももっと勉強できたら選び放題なのに、とか思っていました。

多分なんに関してもそうです
自分の技量が原因で何かを諦めるのは悔しい
頑張ります、死ぬでやります、
とか気持ちは揃えられるのに
それだけではどうしようもできないことがある
私はそれを演劇で学びました。

こんな感情を知っても、私はこの世界にいたいと
思います。演劇が好きなんです。

これからもそうです、この感情を抱えることは何度もあるはずです。

それと付き合っていく必要があります
舞台に立つのが怖いとか
この役になれるか不安とか
そんなのもう知ってる感情なのにまだ一歩身を引いてしまう

そんな感情を抱えてこれからも舞台に立ちます
ひとつの山を越えて強くなれますように
天才的な演技とか誰が聞いても綺麗な声とか
もう望んでも手に入らない

それなら
それに匹敵する努力を続けよう
ずっとここにいることはできないと分かっている
世界だから許される限りの時間で暴れよう

演劇は趣味にできない
仕事にもしづらい
そもそもそこまでの熱量と実力があるのか
毎日演劇に触れていられる今のうちにたくさん
味わって堪能して

ここから離れるときにまだ
私は演劇が好きなんだな、と
思っていたいな

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