見出し画像

赤ちゃんは、弱いようで強いのだ

佐藤新くんは、パフォーマンス中は覇王のようなオーラを放つ一方で、普段は思わず「本当に同一人物?」と思ってしまうほど天真爛漫で可愛らしい赤ちゃんのような言動が多く、そんな彼を母のように愛でる声が多いように思う。

しかし、実際のところセンターの重圧には計り知れないものがあるだろうと思っている。

だから、たまに自信なさげな姿が顔を出すと、これまで心ない声を浴びせられたり居心地の悪い思いをしたりすることが多かったのだろうかと邪推してしまう。

最近だと『TVerで学ぶ!最強の時間割』の中で「7人の中で一番覚えが悪い」「自分のダンスを踊った後に見ると実力のなさを一気に痛感する」と話す姿を見て、今でも自信が持てずに落ち込んでしまうことがあるのかなと少し胸が痛くなった。

ただ、それでもセンターとしての矜持をもち、7人の真ん中に立ち続けることを選んだ彼は、脆いようで強い人だと思う。

決してうぬぼれではない

それを確信したのが、1st Single「CRUISIN’/IMP.」の【初回生産限定盤A】に付いているBlu-rayの『Special Interviews』だ。

他のメンバーはこれまでの苦労や少しの安堵を窺わせるような表情で語る場面も多い中、彼は「嬉しい」「楽しい」「幸せ」とずっと笑顔で話していたのが印象的だった。澄んだ目がキラキラと輝いていた。

また、【初回生産限定盤B】のBlu-rayのMV Behind The Scenesにおいても、常にニコニコと笑っており、終始撮影を楽しんでいる様子が伝わってきた。

そんな彼の様子を「肝が据わっている」「強心臓」のように、単にメンタルが強い人として表現するのには少々違和感がある。

なんだろう…大人たちのさまざまな不安や心配をよそを新しい世界を純粋に楽しむ本当の赤ちゃんのような無邪気さと強さを併せもっているように感じ、やはり只者じゃないと思ったのだった。

↑本当に終始こんな感じだった

そして、この一見危ういようで強く、鋭いようで儚い絶妙なバランスが自ずと人を惹きつけるのだろうと確信した。

カリスマ性やスター性というとややチープだけど、このなんとなく目が離せない雰囲気は出そうと思って出せるものではないので、ある種天賦の才だと思う。

同時に、ピュアな彼はかよわくて守るべき存在のように見えるが、実は他のメンバーや私たちの方が彼の無垢な強さに守られているのかもしれないなんてことを思ってハッとしたとき、不敵に笑う彼の表情がよぎった。

結局みんな掌で踊らされているのかもしれない

これからも7人の真ん中に立ちながら、気まぐれで下界にやってきた天使のように、あるいは無邪気で無敵な赤ちゃんのように、私たちを翻弄しながら一緒に楽しく遊んでほしい。

よろしくね!

最後に、好きな小説に出てくる赤ん坊を胸に抱いたときの描写を添えて。

やわらかかった。あたたかかった。つぶれそうにやわらかいのに、何か、決してつぶれないごつりとしたかたさがあった。なんともろい。なんて強い。

角田光代『八日目の蝉」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?