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「春を待つ」

つぎつぎと朝が来る
冬の夜を越えて
春の宵を呼んで

いつか、かの人は消えた
知らぬ間に天まで届いた
あの大樹の先端を追って

一瞬の空白が
無限の余白を埋め尽くす

同じように誰かが去った
抜け殻になってしまった
少しだけ狭くなった世界

走ってしまった
焦ってしまった
未知の存在で

迷ってしまった
悩んでしまった
無知の状態で

呼び戻そう、すべてを

頼りないただの呼吸
わかっているけど

甲斐ないただの鼓動
わかっているから

悲しくなれないなら
寂しくなくて
幸せでなくて
楽しくもなくて
それなら
消え去ってしまえ
無価値だから

うねった長い道の果てに
希望の未来があるのなら
這ってでも目指すけれど
足元に咲いた一輪の花が
ちっぽけな勇気を配って
諦めた陽がもう一度昇る
そして何とか一日が回る
そんな毎日をただ過ごす

ぐっと
君が言葉を飲み込んだ
その一瞬の空白が
無限の余白を埋め尽くす

冬よ去れ
春よ来い

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