人生いろいろ⑮ 青春篇(部活談義)
前回は二回生の終わりまでを書きました。
主将、関西学連、選手と三足の草鞋を履きながらも充実したスケート生活。
そんな中、四回生も卒業して私達も三回生となり、本格的に私達の代が引っ張るシーズンに突入します。
せっかく主将にならせていただいたのだから、別に自分色に染めるつもりはなかったのですが、従来路線の伝統的な練習メニューに加え、MKさん直伝のハイレベルな練習やご自宅で見せていただいた全日本合宿の練習メニューなども参考にしたオリジナルなものに少しづつ変えていきました。とはいえ、私もそれらをマスターしている訳ではないですし、手本になる選手がいる訳でもないので手探りの毎日です。また、退部したS同様に私とてエースでもなんでもないので、体力面・技術面で劣ることは往々にしてありました。チームの中で一番秀でていたのは社交性というかネットワークの広さでしょうか。
幸い上記のような方針に異論を唱えるメンバーもいなかったですし、京都を中心とした他大学の新主将達も当大学の人選に対して違和感を覚えていなかったようです。また、関西学連の仕事にも影響が出ないようにうまくシナジーを見付けたりと工夫していましたし、なんとかかんとか回っている感じでした。
まあ、誰からもそう見えていたのが不幸?のはじまりだったのかもしれません。と申しますか生みの苦しみというか。。
何かと言うと三回生に入って私自身の技術的な成長がパッタリ止まったんです。勉強なんかほったらかしでチーム運営のことを常に考えていたました。本来は「自由人」のはずなのに自分のことは二の次にしていたような気さえします。例のKのお尻の病(!)事件もありましたし(笑)、本当に一人で回している感じになってきて、それを楽しんでいるつもりでしたが負担だったんでしょうね、やっぱり。
そんな感じで、夏合宿@奈良も無事終え、秋季シーズンに突入していった訳ですが、成績は鳴かず飛ばず。これも実力と本人は割り切っていたのですが、最悪の結果として現れたのが秋口に行われたK大学との定期戦でした。一年に一回、会場を持ち回りで一対一で対戦する(インカレ等にない独特の雰囲気が漂います)のですが、この大会は両校にとって伝統的な試合でしてOB・OGさんも多数応援に来てくださいます。そこで、短距離の二番手だった私ですが、K大学の四回生Yさんに実力的は負けていないにも関わらず、500m、1,000mと連敗します(確か500mは転倒したのでは・・・)。そして、最後の3,000mリレー、まだエースKが病み上がりということも勘案し、私は本来エースが座る二番手に自分を据えます。ここが最大の判断ミス。滑走距離で言えば転倒などなければ二番手が一番多く、次いで一番手、そして三番手・四番手が同じという順です。レースは順調に進み、両校特に失格等なく、当大学が大学記録ペースで最終滑走者の私に回りました。
「あと二周!」
そう思いながらも私の脚はすでに限界を迎えていました。最初のコーナーで完全に脚にきてしまい転倒。みんなからすると、まさか......という感じだったと思います。短距離エースのS先輩がすばやくタッチしてくださり結局はリレーも勝利。総合優勝となりましたが、試合後に某OBさんから「なんで、あんな滑走順にしたんだ?」と疑問を呈され、結構な心理的ダメージを受けました。
その頃でしたかね、同期をリンク内の暖房室の隅に集めて「正直キツイ。もっとサポートしてくれ!」と涙ながらに訴えたこともありました。が今振り返ると、重荷が私に集中した分、他のみんなはノビノビと練習に取り組むことができ、成績も順調に伸びていったようにも思えます。という訳で、チーム全体とすればあれでよかったのかもしれませんね。
翌年1月の幹部交代で主将の職務を後輩のKに託したのですが、精神的に身軽になったのか、あっという間に私自身の成績は上がっていきました。S先輩が「hello!は相当きつかったんだな」と私の肩をもみながら言ってくださったのを今でも覚えています。そのとき初めて「あー、俺はいっぱいいっぱいだったんだ」と自覚しました。
そんな中、チームは約25年ぶりの京都インカレ制覇を成し遂げます。個々の力では経験者を集めているKS大学等には絶対に及ばないですし、チーム一丸となった勝利です。表彰式のあと主将Kから「このチームはhello!さんがつくったチームです」とトロフィーを渡されたのはとても嬉しかったです。その日は当部としては非常に珍しいことなのですが、誰一人朝まで帰らずKの家で飲み明かしました。実は一年前にも優勝寸前まで行ってリレーで不可解な失格という黒歴史があったのです。それゆえに遂に優勝に手が届いたあの日のことは忘れられなません。
そして、3月には京都府代表選手に初選出され、東京で開催された都道府県選手権大会に出場するなど、様々経験を経てラスト1年を迎えることになりました。
あー、やはり終わらかなかった(笑)。でもたぶん次で終わります、たぶん。