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なぜ株価は上がり、インデックス投資はパフォーマンスを残しやすいのか

既に投資をしている方でも、NISAやiDeCoを始めようと思っている方でも、やはり「自分達の投資する対象はなんなのか?」「それはなぜ上がりやすいと言われているのか?」という根本的な部分についてはある程度理解をしておいた方が良いと思います。

株式投資では長期積立分散が大切だと言われていますが、何だかわからないものに人は大金を投資することは難しいですし、仮に儲かったとしてもなんで儲かったのかわからない状態のままですと継続につながらず○○ショックがあった時なんかに急にやめてしまったりするからです。

緩やかなインフレが起きている国では株価は上がりやすい

インフレが起きている国では株価は上がりやすい傾向にあります。
物価の上昇が企業の売上に影響を与えるからです。

私は人にこれを話す時は「自分がもやし農家のオーナーになったと思って欲しい」という話をします。

もやしを生産し、卸値は店頭価格の50%、会社の営業利益率は10%と仮定します。

もやし農家の売上と株価の関係

もやしは20年位前はスーパーで1パック9円くらいでした。それが19円となり、今では28円、48円あたりの値段で売られているのではないかと思います。

仮に卸値が50%だとして、もやしを年間300万パック卸していたとしたら販売点数が変わらなくても20年間で1350万円(4.5円×300万パック)から4200万円(14円×300万パック)に売上が上がったことになります。

営業利益が10%だと仮定すると135万円から420万円になります。

もちろん、値上げをした背景には電気代や資材の高騰などがあるため利益率があがったわけではありません。

もしあなたがこの会社の100%オーナーだとした場合、年間利益135万円と年間利益420万円の時では株を売却をする時の金額(株価)は変わってきますよね?

もちろん、20年前の135万円と現在の420万円では物価が違いますので買えるものは大きくは変わらないかもしれません。ただ、インフレで物の値段が上がると企業の利益額は上がり、企業の株価も上がるというインフレと株価の関係性についてはこちらの例で大まかには説明できたかと思います。

iPhoneも最初は57000円だった。

こんなことがiPhoneなんかでも起きています。2007年最初のiPhoneは約5万円で発売されましたが、最新のiPhone15は128000円から販売されています。

これに加えiPhoneは世界中で2億台以上も売り出されています。更にAppleの収益はiPhoneを売って終わりではありません。私たちはApple StoroやiCloudでiPhoneを楽しむためにアプリやストレージを購入します。これらはサービス収益としてアップルに計上されます。今では中古のiPhoneはアジアなどに流れますが中古で販売されたiPhoneからもアップルはサービス収益としてどんどん収益をあげています。

Appleは「値上げ」×「販売エリアの増加」×「iPhone売切りからサービス収益の強化」とインフレに乗るだけではなく様々な企業努力をし、人々を魅了して会社の収益を押し上げてきたわけです。

これらの努力の結果Appleは2007年〜2023年の間に純利益を3496百万ドルから96995百万ドルと27.7倍に成長させました。

Appleの業績推移

更に株価は$5.48から$222と約40倍に成長しています。

インフレで全ての株が上がるわけではない

当たり前ですが、インフレが起きても起きなくても業績を伸ばし続け株価を上げ続ける会社もあればインフレでもデフレでも業績が上がらない会社もあります。

電気代や材料費の高騰で商品の値段が上げても消費者が買ってくれるような魅力的な商品を作れなかったりする企業も多いです。

そんな中、一握りの好業績の企業だけを見つけ、投資をすることは不可能ではないものの中々大変な作業でもあり万人におすすめできるものではありません。

そこでインデックス投資が出てくるわけです。

例えばS&P500連動のETF(通称:VOO)

VOOはアメリカの格付け会社S&P社が選定した500社の株価に連動したETFです。

S&P 500 に採用されるためには、

  • 米国企業であり

  • 時価総額が 53 億ドル以上あり

  • 流動性が高く

  • 浮動株が発行済株式総数の50% 以 上あり

  • 4 四半期連続で黒字の利益を維持していること

が条件です。
更に定期的に入れ替えが行われ古い産業や成長性の低い企業は除外され、新たに新興企業が組み入れられます。

つまり、赤字が続く企業、人気がなくなって流動性が低い企業は残れないわけです。

まとめ

まず、株式はインフレと連動して売上、利益が伸び株式の価格を上げる傾向があるということ。

その上で、S&P500のように収益や流動性を基準にし組み入れ、除外を3ヶ月毎に行う指標は長期的に収益を上げる優良企業で構成され続けインフレの取り込みに加え、企業努力で売上、利益の増額が見込める。

よって長期的にS&P500のようなインデックスへの投資は長期に積立すれば既に500社に分散され成果を上げやすい

ということになります。

長期的に大金を個別株に投資するのは難しい

個別株を投資すればわかるかとは思いますが、長期的に大金(例えば資産の5割以上)を個別株に投資をするのは結構難しいものです。

ビジネスモデルや参入障壁、経営陣の優位性、四半期毎の決算を欠かさず追っていったとしても何かが起こるわけでやっぱり難しいわけです。

少額を投資をして後に数倍になり大きなポジションになった。なんて場合は別ですが、これから長期的に同じものに継続して積み立てていく、または大金が入ったのでどこかに絞って投資をしたいとなった場合はインデックス投資を軸にして投資をしてみると良いと思います。

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