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キャラクターと属人化 その良し悪しについて
拝啓
足立歩様(仮名)。
あなのたの訃報を知ったのは、神宮を構える東京ではなく、尾張のCBCテレビからの速報(を、Twitterで)知りました。
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燃えドラや、ドラゴンズナイターを流しているあの局ですから、ドアラを師匠と慕った、燕のパペットの情報がいち早く耳に入っても。
或いは、飛ばし記事。いや、むしろそうあってくれと願ったくらいですが。
結論は前者。ああ、かの局のスポーツ報道はすげえなあと思いつつ、その日はとにかく言葉を吐くしか悲しみを抑えられず、翌日にしても、「仕事、行きたくねぇなあ…」と、いう感じでした。
生身の推しを失った方は、こういう感情になるのでしょうか。
自身に影響を強く与えた、漫画家さんや声優さんの訃報を聞いても、「ああ、そういうご年齢だったしな…」とか、「以前から療養を続けていたと聞いてたしな…」のような、ある程度、それこそ自身の親族たる祖父母が亡くなるような時でも、ある程度、"覚悟"が決まっていたのだと思います。
さて、私はなぜ、直接話したことも、その氏名すら不確かな、足立歩さんの訃報に、こうも悲しんでいるのでしょうか。
ひとつに、あまりに足立歩さんが、"永遠"たる存在の、つば九郎になってしまったからだと感じています。
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参考に、先のドラゴンズのパペット「ドアラ」は、スタッフさんが交代されています。
ですので、ドアラはその雰囲気を保ちつつ、つば九郎の師匠としての自由性を過不足なく発揮し、恒例となった年末のディナーショーを行うなどできたのでしょう。ただこれは、足立歩さんがいたからできたのか。
そこは謎です。
さて、今更ながらに本題です。
「バーチャルシンガーのCVに訃報があったら、そのキャラクターはどういう受け止められ方をするのか?」です。
この話は、界隈で幾度となく繰り返され、今も恐らく続いている、命題です。
バーチャルシンガーではありませんが、思惑は不明としながらも、「属人化からの解脱」「4人への分裂」に、挑んだキャラクターがいました。しかしながら、実益として、成功には至りませんでした。やはり、属人性が強すぎたのだと思います。
こう綴っていて思うのは、なぜ札幌に本社を構える、初の日本語バーチャルシンガーを産んだC社が、SVではなく、袂を分けたVOCALOID6(以下V6)で、今後の開発を進めていくことを表明したのか。
ひとつに、「属人性」が強くなりすぎたのではと感じます。
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V6は、某歌合戦でも見られた通り、その人の歌を復元、或いは残すという方針で作られています。
当初、C社が受け入れがたしとした理由の一つに、「クリエイターが思うままに、好きな歌声を。」という理想があったため、と解釈しています。
まあ、お金だの契約だのは知らんので。
V6を青緑髪のバーチャルシンガーに置き換えて言えば、そのCVの個性を残す、ということになります。SVでもそうですが、均一化された音声は、特徴が付きにくい。ずんだもんや、SVテトさんは成功例として突出しているでしょう。UTAUテトさんとSVテトさんの合唱とか、エモくて泣けるとか、そういう話は路側帯。
もし、バーチャルシンガーのCVに、何かあったら。そうでなくとも、人は老いますので、例えば(UTAUの)デフォ子とか、そういったマジロボはさておき、いずれその時がやってきます。
個人的には、今、また未来に活躍するバーチャルシンガーの、その「個」は不滅だと考えています。
それが意図的に、残された個と声だとしても。
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冒頭に戻りますが、つば九郎。また飛来したときには、おかえりなさい会とか、やってくれると嬉しいな。外苑前駅から、あの光の球場めがけて、会いに行くから。
敬具