初恋は素晴らしいドラマだけど、母親像に共感できない。<也英編>
話題になってますね、初恋。私も年末に一気見しました。見ようと思ったきっかけは、満島ひかりさんの記者会見での様子があまりに可愛らしかったから。作中も魅力爆発してました。映像美や時間軸の折り重なりの素敵さは、色んな方が既に述べているので、私は「母親たち」に注目してみました。
このドラマを見ている中で、母親って何だろうって思ってしまいました。もちろん、この作品のテーマは母親ではないと思ってます。でも也英の人生の帰路で、大きな影響を与えてきたのは也英の母や義母。そして母になった也英の葛藤も描かれています。それぞれのキャラクターを分析してみたいと思います。
※以下、ネタバレもあるので未視聴の方は気をつけてください。
一話で、大人になった也英(満島さん)が振り込みをしています。夜勤明けで疲れてるけど、正座して神妙な面持ちでスマホから振り込みをした後は、どこか寂しげな表情。これが、実は離婚した夫への振り込みです。金額は15万円から20万円くらい、毎月給料日後すぐに振り込んでる模様。
恐らく、也英の人物像を描く上で「やむを得ず離婚したけど、毎月お金を振り込むことで精一杯の誠意を見せている。」という描写がしたかったのかもしれない。確かに、(事故に遭ったという事情はあれど)「学生のうちに金持ちの医者とデキ婚したけど離婚して、子どもの生活費稼げなかったから親権も取られたけど、アラフォーで初恋の人と再会してハッピー」だと、也英ちゃんのまっすぐさとかは伝わらない。
だからこその振り込み・・・?それが母親としての誠意なの・・・?
そのお金でスキルアップして、稼いでこども取り戻せなかったんか・・・?何なら子ども手放してから10年あったやろ、その間に実家住みながら、通信とかで大学卒業できたんちゃうの・・・?何なら大手じゃなくても、子会社とかなら既卒でもCAにもなれたんじゃないの・・・?という疑問がブワァっと湧いてしまいました。
この辺の疑問に関するアンサーとしては、うたちゃんとのカラオケシーンで也英が気持ちを吐露しています。
今の停滞した状態を慣性の法則に準えながら、申し訳なさそうに、そして空元気の笑顔と共に若いうたちゃんに自分の状況を説明していました。
そんな也英に「心に芽生えた欲求は、時に岩をも動かす」とうたちゃんは冗談めかしながら、励ましてます。そりゃソファで旅行してるだけなんて、もったいないよね。うたちゃんの励まし方大人だわ。
でも、晴道に出会えて恋をしたことで、また彼に会いたくて、仕事の合間に英語の勉強をしてます。
大人になった晴道に恋して、うたちゃんに励ましてもらったら、勉強頑張ったり、旅を決意するけど、子どもの存在だけでは動けなかったのね也英ちゃん。
そもそもバイトクビになっただけで、尚且つお受験させたい(元旦那の意向)ってだけで、親権手放すの・・・?実家もあるし、同居の実母もいるし、子どもももうすぐ小学生なのに、バイトクビになっただけで子ども手放すの・・・?
ここで、韓ドラならもっとえげつない状況に也英を追い込むと思います。バイトクビなんてもんじゃなくて、親族に多額の借金及び自身も犯罪に巻き込まれ、ニッチもサッチもいかない苦しい状況で、子どもを無理矢理引き剥がしてると思う。
でも、このドラマはある意味ファンタジーだから、ふわふわ〜とした描写で、サクッと子ども手放してる。でも、設定上は也英は愛情深い母親だから泣きまくる。親権関連の書類書きながら泣いて、子ども手放す時は道に膝つきながら泣いて。
そんなに泣くなら、子ども守るために、もっとできることあったんちゃうか?子ども手放した後の10年間は何もできなかったのに、晴道と出会ってから急に頑張るやん。
ここでもう一度、也英のセリフを確認。
ある時とは、離婚後?もしくはもっと前の事故から?恐らく両方なんでしょうね。
事故と記憶喪失がきっかけで、努力ができなくなってしまったのか?でも、結婚当初は広いお家で素敵なママしてたような。
離婚の影響で、鬱になって稼ぐのがやっとの状態になってしまったのか?でも、そこそこ楽しそうにタクシー運転手してるような。
でも、そんな状況から救ってくれるのが子どもじゃなくて、男だっていうのが何だか悲しい。他の人と結婚しようとしていた上に、その人と婚約破棄して今は遠い国に住んでる男。初恋って子どもの存在より大きいのかしら。
注)ドラマ自体は大好きです。ストーリーも映像も。ただ、母親として共感できず、色々突っ込んでしまいました。
思ったより長くなったので、也英の母については次回に持ち越しします。