【☆27話☆】5/11東京11R・京王杯SC(バイトリーダーN)
女店主の喫茶店には幅広い世代の歌謡曲が流れ、古い曲の中には、そのストレートや歌詞やタイトルに、斬新!な印象も。そしてそこから生まれるサイドストーリーは思わず腹抱えて笑うエピソードもあったりと…。歌は世につれ、世は歌につれ。ぜひご覧ください! #京王杯SC
店内で流しているBGMは有線で、曜日や女店主の気分によってチャンネルは若干変えているが、基本線は邦楽のヒットパレード。なので流れる曲は多種多様で、3~4年前にヒットした「群青」とかが流れるときもあれば、いきなり70年代フォークや、聖子ちゃん明菜ちゃんら80年代アイドル全盛期、そして平成初めのイカすバンドブームもあり…爆風スランプの「Runner」のイントロが流れると、自分も含めて店中のオッサンたちの心拍数が上がってビクン!となるのを確認できるのが面白かったり。。。と、往年の歌謡曲がランダム感で楽しめる。
また世間では「リバイバル・ブーム」が若年層を中心に巻き起こっているようで、このGW中も、どう見ても中学生くらいという小娘が、「昭和歌謡の流れる店」としてネットで調べてきたのか、ウキウキ感丸出しで母親と来店し、時折かかる80年代アイドルの曲に激萌えのリアクションをしたり、店内にあるピンクレディーのレコードレーベルを見ては大コーフンしていたシーンが印象的であった。
よく、オラの予想のコラムでも「歴史は繰り返す」というフレーズを書き、
それを根拠にして◎を抜粋して、読者さんも大ホームランで歓喜!ということもたびたびあるが、
競馬も文化も流行も、こうしてリバイバル。
温故知新とされているところは、いくら時代は進化しようが、求める人間の本質は一貫しているという最大の証明なのだろう。
で、このGW中のとある時、店内にはこの曲が流れた。
ご存じない方も既知の方も、まずは一度お聴きください。
「今さらジロー」。30代後半くらい(?)の小柳ルミ子が、キレキレに振り付けしながら熱唱する。この美ボディなら、大澄賢也君もイチコロになるわけだ。
オラも何となくはこの曲知っていたが、それほど馴染みはなく改めて聴いてみると結構新鮮だった。6/8拍子のスローロック調で、体もリズミカルに動いてしまいそうなのに、反面、その歌詞はというとけっこうどぎついものがあり、変な言い回しとかはなく、直球でズドン!な感じもまた昭和歌謡の特徴の一つ。
まあ、食いしん坊のオラはこれを聴くと、「今さらジロー系ラーメンなんて食えないよ~」という、明日人間ドックがあるため悶々としているオッサンを勝手に妄想してしまうのだが、そんなことをよそに、たまたま店内には常連客1人しかいない閑散期だったこともあり、ボソッと女店主が話し始めた。
ラムネ「この曲聴くとさぁ~、ダンナの実家で飼ってた『ジロー』を思い出すのよ。。。もう20年以上経つけどさぁ。」
その遠い目をした女店主の話しぶりと時間の経過からすれば、もう『ジロー』はこの世にはいないのだろう。敢えてそこには触れなかったが、
ラムネ「お義父さんがガンで亡くなって、それでお義母さんが寂しくなってしまって、なので近所からもらってきたのがジローだったのよ。」
…まあ、よくあるお話ですね。
ペットは時に人の抱える寂しさやストレスを和らげる効果があるからなぁ。うちも猫を飼っているからよく解る。さぞかしお母ちゃんもジローを溺愛していたんだろうなぁ。
…しかし、平坦で穏やかなペットの昔話は、ここから急転直下!
ラムネ「…でもさぁ、その『ジロー』って…メスだったのよ」
おぉ。。。メスに「ジロー」ですかい…。
お母ちゃん、いい感じでぶっ飛んでるねぇ~
昔、生まれた我が子に「悪魔」という名前をつけようとして、昭島市役所と法務局と裁判所まで巻き込んだ「悪魔ちゃん事件」があったが、
これ犬でなく、子供だったら間違いなく人権問題にかかわるレッドゾーン。もしクラスに「ジロー」さんという女子がいたら、しかもムダにカワイイ子だったりしたら…せっかくの美貌をもってしても残念ながら「ジロー」という名前だけでオカズリストから除外! …と、想像するだけでその末路はアンハッピーになることは容易い。なんでそこまでして「ジロー」にこだわるんだい母ちゃん?
いや、どうやらその経緯は想像と少し違うらしい。
近所からもらってきたばかりの「ジロー」。もうこの瞬間に義母は「ジロー」と名付けていたのだ。性別は確認したかどうかも不明。もらった瞬間から即「ジロー」だったのだ。
そして、しばらくして実家に遊びに来た息子夫婦に「可愛いでしょ?」と見せたのだが、嫁・ラムネは幼少期に犬を飼っていたこともあって、犬にはちょっと詳しく、この「ジロー」に違和感。ヒョイと抱き上げてカラダを確認。
ラムネ「お義母さん。。。これ、メスですよ!」
義母「…え、オスよぉ~」
ラムネ「いやだって、ほら見てくださいよ。メスですって!」
若き女店主は、わざわざメスであるお印を、義母に見せて証明。普通のヒトならこれで納得するところだが、なぜか義母、頑として譲らない。
義母「いいから、オスだってば!」と半ギレに。
亡くなったダンナの生まれ変わりとして現れ、その想いだけで「ジロー」と名付け、溺愛していまっている義母。生まれ変わりの「ジロー」との楽しい暮らしがもう完成されてしまっていて、今さらメスと言われたところで、もうそれらを全部覆してメス犬として受け入れることは、もうあり得ないレベルだったのだろう。
この「ジロー」は、私の中では絶対にオスなのっ!
なので嫁から決定的な証拠まで見せつけられても断固として認めず、「ジロー」というオス犬として義母の中ではすっかり確立されてしまったのだ。修行すればヨガで宙に浮くと信じてやまない某宗教団体の信者のように、それはまっすぐで、頑なだった。
義母「ジローは…オスなのよ…」
しまいにゃ半泣きになる義母。
ラムネ(ダメだこりゃ…。これ以上やりあったらもうアタシは加害者。ここで押し倒しても、何も生まれないし。)
これ以上の問答はもうムダと感じたラムネ。ここは引いて退散。
しかし、数か月経ってまた夫婦で実家を訪れると、さらに衝撃の事実が!
合うや否や、義母がボソッと
義母「なんかジローさぁ………妊娠しちゃったのぉ…」
ラムネ「だからメスって言ったたぢゃないですかっ!? 子供作ってんぢゃんよー! メスなのにジローって、ったくよぉーerkjglijgo;iepjg;oeijgjjo;gjbjarjv;rjyjaer;yj;apoejy;jaligjrgjz;ej5jeoijhe;jzrjghsrodj;ojzsrj;opgsg-030gl…」
もうそこから先は、活字にできないあふれる感情で激怒。
横で聞くダンナは大爆笑。
ラムネ「ほんと『今さらジロー』だよ。何がオスだよ? もう子供産んじまうじゃん。…これ流れるといつも思うのよ。」
…だめだ、腹いてぇ。。。
オラと常連客はコーヒーカップを置いて悶絶。
「母・ジロー」は何も悪くない。
その後ジローは6匹の仔犬を無事出産。
そんな歪んだ人間絵巻をよそに、母親としての務めを果たしたんだとさ。
それでも義母の中では「ジロー」は…オス!
と、「それでも地球は回っている」と唱えたガリレオ・ガリレイもビックリの頑固さであった。ちゃんちゃん。
オラも常連客も、もうマトモにコーヒー飲めやしない。
歳取ると頭がカタくなるというけど、ここまでカタくなることが平気で起こるんですよ。誰でも。
そんな義母ももうすぐ80歳。
ジローの事は憶えているのだろうか? タレントの蛭子さんもすっかり痴呆になってしまって、太川陽介と一緒に、路線バスの旅をしたことを憶えていないみたいだし…。
そんな義母もたまに店に来るので、そのタイミングで「今さらジロー」流れてくんないかなぁ?
と、加齢による思考の硬化は、競馬では決して良い事とは言えません。いくつになっても柔軟に行きましょう!
というワケで、京王杯SC。
RSFC「♠J」対象レースです。
◎⑨ダノンスコーピオン
△④⑬⑮②⑥⑦⑧⑪⑭
昨年のこのレースで1番人気するも、1枠①番引いて直線、外からフタをされて進路が詰まり、川田ユウガをもってしても11着ジ・エンドだったダノンスコーピオン。もうこの頃から走ることに気持ちが入っていなかったのかもしれない。
その後も精彩を欠き、13→12→13→13着と、サラブレッドとしてはどうみても「終わっている」と判断されがちな馬だが、劇的な環境の変化による復活をワンチャン期待するべく、狙ってみたい。
検索条件:福永祐一厩舎の全成績
もう、毎週この検索をしているのだが、先週のNHKマイルCでの☆チャンネルトンネルは12番人気で6着と、確かにお金にならなかったにしろ、人気よりも6つも着順を上げるハイパフォーマンス。
それでも馬券圏内率は14/28の5割。
出走した馬の半分はお金になり、単勝回収率は120%、複勝回収率は140%と、福永祐一厩舎の馬を買い続けると、オートマチックでお金になる状態は継続しているし、福永厩舎だからといって特段チャンネルトンネルが人気をしていなかったことからも、騎手における川田・ルメールのような特段のブランド力はまだ福永厩舎には見られず、そこまで一般馬券ジャンキーはこの「お金になる力」に気づけていない状態もこれまた継続している。
◎ダノンスコーピオンは、今年3月に福永厩舎に移籍。調教も安田厩舎時代の坂路主体から、CW主体に切り替えられている。
2週前・1週前追い切り、少し太った福永祐一センセイが自ら騎乗し、2週前4F50.8、1週前4F51.2と、太めの人が乗った割にはかなりの速いタイムで駆け抜け、追い切りだけ見ると馬は終わっていなく、むしろ闘志が蘇ってきていると見て取れる。よほど新しい環境・CWの景色が馬にとって新鮮なのだろうか。
直前はいつもの坂路でそれほど負荷を掛けずに4F52.1と、マイラーズCに出すか否かを試行錯誤していた4/17と全く同じタイムで、いざ出走体勢は整った。
というか、この4/17の追い切り後、福永師は熟考の末、総合的に判断して、次週マイラーズCの出走を見合わせ、この京王杯の1400mに照準を定めたこの判断がまず「オッ」と思える。矢作厩舎のように「とにかく出して1円でも多くJRAからお金をぶん取る」ではなく、馬が最も上位に来れるレースを、状態面も考慮して慎重に選ぶところは、いい意味で矢作厩舎を参考にしているのだろう。少ない馬房ではどうしても目先の賞金目当てに焦り気味で動いてしまうのだが、この「動かざること山のごとし」の武田信玄的な思考も新人調教師離れしているし、納得の仕上げができるまで使わない。これこそが、馬券圏内率5割の主要因なのだろう。
もう一か月じっくりと。
調教師というのは、調教をするから調教師。それを地で行くべく、福永祐一が自らCW・坂路で速い時計を出して、本番に向けて自分で仕上げていく。馬造り職人として丁寧な仕事。
以前のインタビューでは、福永センセイは調教について、「調教は目一杯やってそこで負荷を掛ける」「その分レースがラクに感じさせる様にして、レースが嫌にならない様にしたい」といった旨の発言をしていたことがあったが、だからこそ、レースではドS川田ユウガを起用せず、ソフトランディングの戸崎ケータにオーダーしたのだろう。
検索条件:戸崎ケータの東京芝1400mのOPレース全成績
こちらも馬券圏内率は優秀で.519。複勝回収率は155%と、穴馬でもお金にするウデを持っていて、今回の◎ダノンスコーピオンの復活をかける鞍上としてはベストの選択。先週のNHKマイルCでの○⑥ロジリオンでは、勝ったジャンタルマンタルの真後ろにいたからこそ、直線もスムーズと天性のコース取りの旨さも光る。
福永厩舎として戸崎ケータに2度目のオーダー。
1度目は皐月賞の後の最終・春雷Sで4番人気カルネアサーダで、勝ち馬にアタマ・クビ・クビと額面通りの4も、流れ次第でどうにでもなった着順につき一定の評価。今回も戸崎ケータは、大好きなユーイチ先輩の為に一層気合い入れて、このG1ホース復活の為に一肌脱ぐことだろう。
と、出走にあたり、様々な「模索」が読み取れた福永祐一氏調教師。我々の普段の生活でも、「ここまで突き詰めたのだから、たとえダメでも、納得して結果を受け入れようぞ」と思いながら事に臨むときはあるはず。受験勉強でもゴルフでもダーツでも馬券でも、何事も納得するまで突き詰めることは大事。
福永祐一調教師は、これを実践するべく、納得のいく仕上がりまで、出走を1か月延ばし、自分で騎乗して調教し、復活にふさわしい舞台をマイルではなく1400mとして選択し、当たりの柔らかいジョッキーを選びと、「やれることはゼンブやって」の出走と、出走に至るまでのプロセスを重んじる調教師であることがこの◎ダノンスコーピオン出走に至るまでの数々のシーンで読み取れる。そこまでやった福永祐一厩舎の馬であれば、たとえもうダメだったとしても、オラは昇華できると思っている。
いや、もちろんロォン!はしたいんだけどさ。やってほしいです。
ただ、生半可な状態での疑念タップリの出走よりも、はるかに馬券ジャンキーも納得できるのですよ。やることやって負けたのならば仕方がない。
その代わりといってしまえばアレだが、かなりの人気をするトウシンマカオについては、1200mと1400mの産駒実績が、まるで別馬のように違うビッグアーサー産駒。トウシンマカオ自体も1400m実績に乏しく、1200専用機の可能性を残してのこの人気は?であり、ここはバッサリとし、いずれも衰え感じさせない昨年のワン・ツー・スリー3頭については抑えで馬連BOXとして、新興勢力の台頭はここではないものとみたい。
ダメなものはもうダメなのか? それとも、天才「再生工場」爆誕の瞬間を垣間見れるか? ここは馬券を握ってその瞬間を確認しても良いと思っている。