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【☆30話☆】5/19東京11R・オークス(バイトリーダーN)

5月の東京マイルG1を連勝!2週連続でお金になる馬を推奨し、カード「♠J」も配れて流れは上々!さあ、G1・3連勝に向けて、名物・ピンクの鳥さんもまた、樫の木を前にして暴れますよ! 生きる喜びは当てられる喜び! ぜひご覧ください! #オークス


【RSFC「♠J」対象レース】


§1.レジェンドの「吐露」

競馬界の「レジェンド」武豊が、先週の日曜に通算4500勝を達成した。

高校を出たばかりのオラが、ひとりで福島競馬場に通っていた頃からすでに一線級のスーパースターだったこの男。かれこれ30年以上馬券を通じて「お付き合いしている(と、勝手に思っている)」この男が、御年55歳だというのに、まだこうして現役バリバリ戦っていることは当時は想像していなかった。

「…自分がオッサンになった頃には、武豊も引退してるんだろうなぁ」とボンヤリイメージしていだけれど、おいっ、してねぇぢゃんよ! と、突っ込ませる、そんな当時の想像を全部覆す活躍ぶり。

勝ち星を重ねるスピードも減速せず、1年3か月に1回くらいのペースで区切りの100勝を達成していて、勢いは衰えてない。「武豊」というネームバリューがあるから、キーファーズのような強烈なパトロンが着き、この好循環を上手に利用して、決して落ちぶれなくここまで「回せている」。この「回せている」こそ、最も的確な表現なのかもしれない。

4500勝のセレモニー後のインタビューでも、随所にウィットな笑いを取りに行く変わらぬ姿を披露。冗談も交えながら真摯なコメントもすることでメリハリをつけ、視聴者をほどよく引き付けていたところは、さすが冠番組を持つほどのメディア慣れした彼の一端だったが、時折「本音」も吐露するところもあって、小生が気になったのは2か所。

2:00「若手をはじめとした凄いジョッキーが日本にもたくさんいて、一つ勝つのも大変だなぁと…」

2:43「ここにいるみんなも、実力のあるジョッキーばかりなので、なかなか簡単には勝たせてもらえないですけど…」

これこそが、いまの武豊の本音の部分。べつに言わなくたっていい事を敢えて言う武豊なのだが、こうして自分をきちんと客観視して、それを隠さずに吐露しているところが「人間・武豊」としていつまでもファンに好かれているところか。カッコつけないでちゃんと弱みも見せてるんだよね。人に弱みを見せるって、芯が強くなければできない行為であり、それゆえ武豊は、強いのだ。

とはいえ、どんなに内面が強くとも、フィジカル面ではとうに若者たちより衰えが来ているのは明白であり、その衰えを、先述の芯の強さであり、また「武豊というブランド力」で上手にカバーしていく。これしか生きる道はなく、もうG1となると、イクイノックスに勝ったドゥデュースのように、強烈な実力差をもったマシンに乗らないと勝てない。同じ質のマシン同士だとどうしても若い者には勝てないんだわ。。。それがこの「吐露」。

なので、こういう未勝利戦のように、圧倒的に馬の実力差がある地味なレースで勝ち星を積み上げていくしかない、ある意味「隙間産業」的な方針でここ数年は生きているのが主であり、そうしていかないとこの歳で続けられないよ。と現状を察知し、もう腹をくくっているのだろう。

ホントはスナックとかやっていれば、客単価も3000円とかあって、実入りももっとあるだろうし、昼間に450円のコーヒーでお客さん寄せ集めるなんて、これ「隙間産業」だよ。と、喫茶ラムネ女店主も、決して大儲けできない現状を吐露していたことがありました。


そして、そんな落ちぶれた自分を晒すくらいにプライドを捨てても、一頭でも多く馬に乗れて、自分を応援してくれるファンがいるのならば、いくらでも長く馬乗りを続けていよう。だってそれしかできないから。G1勝てるかどうかはシランケド。。。

そう「達観」しながら、武豊は50代半ばのいまを、時の過ぎ行くままに過ごしているのかもしれない。

そんな、ジョッキー単体としては、在りし日の「S級」ではなくなっている武豊が、「馬5人5」のG1において、ドウデュースならまだしも、テン乗りで人気するナミュールに乗ったところで、フィジカル満点のジョッキーたち相手に太刀打ちは可能なのだろうか? 人気通りのパフォーマンスは遂行できるのか?という点で疑問だったことから、先週のヴィクトリアマイルではオラはナミュールをバッサリ無印とした。

馬の能力だけでカンタンに飛びついてしまい、人の本質まで見ないと、こういう「人気馬から買ってドボン」という、馬券師としてはいちばんやってはいけない顛末となるものであり、改めてオラが昔っから口スッパで主張する格言「競馬は馬7人3。しかし、G1は馬5人5」 
この言葉の精度の高さを、先週のヴィクトリアマイルで再確認することができた。

今後も、ドウデュース級の反則レベルのマシンの違いが明確な時は除いては、基本線「武豊は2Rでは買えても、11Rでは人気を吸うだけ吸ってドボンする危ないジョッキー」という認識でクールに見続け、

「人の好き嫌いと、仕事は別」
「人は信用しても、仕事は信用するな」

という、中間管理職にとっては当たり前かつ耳の痛いと教訓を持ち続けることは、この馬券戦略においても大変重要であることも再確認。

オラは、このインタビューでの武豊の吐露したこの本音は聞き逃さず、「周りもどんどん強くなって、ボクが太刀打ちできるどうかはシランケド、やれることはやるよ!という」飄々としたSOS発信とも受け取れた。



§2.「フィジカルの差」が産みしもの

そんなレジェンド・武豊が桜花賞→オークスの連続騎乗するのがスワーヴリチャード産駒のスウィープフィート。桜花賞は4着で「仕事はしたのか?」と言われると馬券ファンからすれば若干疑問なのだが、「まなみじゃ重賞では足りない!」と、チューリップ賞でバッサリ大英断をした陣営にとっては、そこで1着して結果を出した時点で、その仕事は一定域は達成したのだろう。桜花賞とオークスはその「惰性」のような感覚での継続騎乗なのかもしれない。

その桜花賞。
道中から4コーナーまではジッとインで脚を溜め、直線入り口でケツ2の17番手だった青帽が武豊騎乗のスヴィープフィート。一方、3~4コーナーでは外々を回り、直線でも大外に持ち出して最後方の18番手で直線に入った緑帽が坂井リュウセイ騎乗のライトバック。

この後方2頭による外からの極限の切れ味による壮絶なビーチフラッグが繰り広げられる。

結果は、フィジカルで勝る坂井リュウセイの半馬身勝ち。
最後方から上がり32.8の脚を繰り出し、2着アスコリピチェーノにクビ差迫る3着に喰い込んだのが坂井リュウセイ・ライトバックで、ケツ2から直線に33.0の上がりを繰り出して4着に入ったのが武豊・スヴィープフィート。

その差は半馬身。
たしかにスヴィープフィートは直線内から外に進路を切り替えるロスはあったのだが、この2頭のビーチフラッグに求められたものは技術ではない、どれだけ馬を追えるかという「ジョッキーとしてのフィジカル能力」であり、より長い時間MAXで追い続けることができた26歳の坂井リュウセイが、55歳の武豊に半馬身先着できたのはこれによるものが大きいと思料している。

33秒間全力で身体を躍動させて馬を追う26歳と55歳。33秒間という同じ時間ならば走れた距離は当然に違うだろうし、逆に残り600mと決められた距離ならば、到達するまでの時間には当然、動かす者の身体能力の分だけ差が生じる。
「決め手比べ」とは馬だけでなく、鞍上にとってもしんどいもので、山本昌と大谷翔平がいま、ガチンコ1打席勝負したらどうなるでしょうか?という感じに近いものがある。

では今回、そのスウィープフィートがその、身体能力のハンデをペイできるくらいの能力差を誇るマシンかどうか? ドウデュース級かという問いには、「NO」と解答。最高の騎乗をしても、各ジョッキーのフィジカル面と相対的に評価すると2着以上に喰い込んでくる可能性はないものとして、この印とする。

⑬スウィープフィート…△


言うても3回連続の⑬スウィープフィートの騎乗。よって、即消ししたナミュール以上、ドゥデュース以下という見立てで、△とした。



§3.騎手の「脚質の幅」

たかが半馬身だが、されど半馬身。
26歳坂井リュウセイが、55歳武豊に桜花賞で付けた「差」は、我々が思っている以上に決定的な差なのかもしれない。それも武豊も解っていて、若者とのフィジカル勝負に次々と敗れている武豊だからこそ、場はたしかに祝福のセレモニーであっても、それを利用して惜しみなく現状を吐露したのではないか。リップサービスという名の吐露。

検索条件:坂井リュウセイの2024年重賞成績

ここまで馬券圏内率.444と、サウジ・ドバイ・香港・アメリカと海外出張が多いにもかかわらず、国内でこの数字は脅威の部類。重賞に限らず、今年の国内全レースでも.430と、重賞でも普段のレースでも騎乗は一緒。通算の馬券圏内率.260を17%も上回っている「最高に旬」なジョッキーであることは間違いない。

そんな坂井リュウセイだが、ここまで重賞では、レモンポップやマッドクールにみられるように、積極的に先手を主張する、若々しい騎乗が目立つのだが、先般の桜花賞・ライトバックでは、重賞では初の「4コーナー18番手の最後方待機」をやってのけた。

オラも○を打っていたが、あまりの予想外の位置取りに直線では絶望していたが、大外からハープスターのように飛んできての7番人気3。とにかくライトバックは折り合い面だけが課題で、折り合いさえつけば最後に物凄い脚を使うことは、茶木センセイも坂井リュウセイも解っていたこと。

とにかく引っ掛からず、なだめながら進めることを主眼に置いた騎乗を心がけ、結果この直線入り口18番手となったワケで、これはヘタクソでも何でもなく、やるべきテーマをきちんと遂行したものであり、ある意味「主張した」競馬であったものと分析する。

よく、積極的にハナを切ったり、道中自分で早めに仕掛けた者に使われるこの「主張」という表現を使うが、この桜花賞の坂井リュウセイの直線入り口18番手だって、これ立派な「主張」であると考える。

道中はゼッタイに追わずに死んだふりも、直線に入って「さあ!何頭ぶっこ抜けるかやってやるぜ!」と主張したように感じ取れた直線のフルスロットルだったし、このライトバックが最も力を出せる競馬がこれであることはメイクデビュー新潟の内容を見れば明らか。よほどVTRを見て研究し、陣営とのミーティングを重ねての決断だったのだろう。

総じてこの桜花賞はの騎乗は、坂井リュウセイ自身がこのライトバックに「適応させた」ものであり、それは坂井リュウセイ自身が「ジョッキーとして、脚質の幅が拡がった」≒スキルアップとも言える。

阪神競馬場Bコース外回りの直線は476.3m。これを最後方から32.8のビーチフラッグして、ライバル17頭のうち15頭をぶっこ抜いて3着となったライトバック&坂井リュウセイのコンビ。今度は、直線が50m長くなり525.9mと、より真っすく走れる距離が50m増え、ライトバック自身3度目の32秒台の切れ味発動で、今度は17頭全員のみ込んでやる!と、クールに前を見つめるのか坂井リュウセイ。それとも、出たなりに折り合って、スムーズに進めていたら直線入り口で14番手でした。だったら前の13頭ぶっこ抜いてやろうか。そんな展開になっているかもしれない。それほど最後方に拘ることはことはない。

海外の出張レースと国内のG1レースが日程が重なるため、今年は坂井リュウセイは国内G1を3度しかゲートインしていないが、高松宮記念1着、桜花賞3着、皐月賞5着とオール掲示板であり、所属する矢作厩舎以外の馬では2回連続馬券圏内継続中という、矢作センセイにとってはムッと来る「珍記録」も継続している最中。

去年は矢作厩舎のラヴェルに騎乗し、早め先頭で三冠馬・リバティアイランドに必死に抵抗して4着となったシーンが記憶に残っているが、返し馬ではこんなシーンも。10番人気だから、そんなに周りを気にしないでなんでもできたんだね。

しかし今年は違う。茶木センセイとのコンビは本気モード。

昨年のラヴェルの比ではないのだが、ここでまた豪脚繰り出して、来週のダービー記者会見では矢作センセイから再び「よその厩舎の馬ばかり勝ってないで、うちの馬でも仕事してほしい」という妬いてるボヤキが心底聞きたいし、これを聞いたらこのレースの「勝ち」「最高到達点」としたい。

そんな想いで見つめるならば、◎でいいぢゃないかと思うところだが、桜花賞同様の印○で臨みたい。

⑭ライトバック…○

さあ坂井リュウセイ、もう裏開催のメインで勝った直後にG1のファンファーレなんか聴いている場合ではないぞ!




§4.代理戦争の末に…~敗者の決断~

ルメールにとって、日本競馬を語る上で忘れられない馬といえば、アーモンドアイとイクイノックスという、おんなじ勝負服の2頭だろう。

ルメールも「この2頭どっちが強い?」という最も答えづらい質問に対し、イクイノックスが2度目の秋天を制した昨秋には、上記のような回答しているが、イクイノックスが引退した後もそれは同じであろうし、もはや比べること自体が失礼な、ルメールにとってももはや「聖域」の質問なのかもしれない。我々市井の人間が、皇室の事にして根掘り葉掘り聞きまわるような、そんなデリカシーの無さに匹敵するのかもしれない。

これ、彼の中でも永遠に答えが出ない難題かもしれなければ、一定の答えは出ていても決して口外せず、墓まで持っていくと腹に決めているのかもしれない。

そんなルメールが、3月のドバイで落馬事故に遭い、現地での療養を経て日本への帰国を決めたのは4月下旬。「5月のG1には乗りたい」と意を決したが、これに反応したのは彼に乗ってもらいたいと馬を空けて待っている陣営たち。

ステレンボッシュを管理する国枝センセイも、ルメールに対してヴィクトリアマイルのフィアスプライドのオーダーをするとともに、この馬のオークス騎乗も、桜花賞を勝ったモレイラが当日乗れないと解っていることから、抜け目なくオーダーしただろう。阪神JFではアスコリピチェーノの2着にスマートに持ってきた腕を買ってのもので、乗ってくれるものなら乗ってもらいたいなぁと。

しかし国枝センセイも、オークス騎乗候補として、ライバル・キムテツ厩舎のチェルヴィニアもルメールにオーダーすることは想定していただろう。

ここに、アーモンドアイを管理していた国枝センセイと、イクイノックスを管理していたキムテツ先生との「代理戦争」が勃発。ルメールが決して甲乙つけることがないスーパーホース2頭。その雌雄は決して優劣が付けられることがないまま、この両調教師によるルメールを巡る戦いは、次世代の乙女たちへと引き継がれていくことに。。。

熟考の末ルメールは、国枝センセイに対して、ヴィクトリアマイルのフィアスプライドこそ快諾したものの、オークスは桜花賞馬ステレンボッシュではなく、キムテツ厩舎のチェルヴィニアを選択。桜花賞馬の騎乗を蹴ってまで、チェルヴィニアに乗りたいという、これがルメールの「意志」だとしたら…??

いや、ここまですべてオラの妄想劇であり、国枝センセイは最初からステレンボッシュをルメールにオーダーしていないという可能性もあるが、ここではオーダーしているという体で話を進めたい。

なぜなら、国枝センセイがルメールに振られていないと、「代打・戸崎ケータ」という着地点にはたどり着かないからだ。最初っから国枝センセイがルメールにオーダーせずに、戸崎ケータにたどり着くとは、決して思えないからだ。

検索条件:国枝厩舎と戸崎ケータの2018年以降のG1成績

国枝センセイ。なんとここ2年間、戸崎ケータにG1オーダーはなし。勝ち鞍は、2021の秋華賞のアカイトリノムスメのみの1勝であり、今回の舞台・東京2400mにおいては一度たりともオーダーしたことがなく、決して濃厚な関係とは言えない。

その唯一の1勝・2021のアカイトリノムスメについても、戸崎ケータ騎乗依頼に至る経緯は、このルメールとキムテツ調教師が複雑に絡んでいる。

話は3年前にさかのぼる。
アカイトリノムスメは、2021年のオークスでルメールが騎乗して、ユーバーレーベンの2着と一定の結果は残したのだが、この騎乗は、3歳牝馬路線のエース・国枝厩舎のサトノレイナスが、当初の予定のオークスから、ダービー未勝利サトミホースカンパニーの悲願の夢という名のエゴの為、ダービーへシフトしたことが発端。

そこでルメールはオークスの乗り馬がいなくなったため、アーモンドアイで蜜月となっていた国枝センセイは、抜け目なくルメールにアカイトリノムスメのオークス騎乗をオーダーし、ダービーもサトノレイナスで連荘で乗ってもらうという独占禁止法違反とも言われかねない「準暴挙」に出たのだが、「二兎を追う者は一兎をも得ず」とよく言われるもので、アカイトリノムスメはオークス2着、サトノレイナスはルメールの早仕掛けで5着ドボンと、無冠に終わったことがあった。

秋になり、秋華賞も継続してアカイトリノムスメにオーダーをした国枝センセイだったが、ルメールは自分がかつて重賞を勝たせた、キムテツ厩舎のファインルージュを選択。

前走の紫苑Sこそ、福永祐一が勝利したものの、ルメールの鞍上が開いたや否や、キムテツ先生は迷わずファインルージュの秋華賞騎乗をオーダーしてルメールは快諾。結果、困った国枝センセイはアカイトリノムスメを「代打」として戸崎ケータにオーダーした経緯があった。

今回のキムテツ厩舎のチェルヴィニアと、国枝厩舎のステレンボッシュのルメールを巡るやり取りが、3年前の秋華賞の騎乗馬を巡るやり取りと瓜二つであり、実は、アーモンドアイとイクイノックスの「二大巨塔」誕生前に、
この二人のいざこざは、既に遺恨一歩手前の「摩擦」としてすでに表面化していたのだ。

今回、桜花賞1番人気ステレンボッシュのオーダーをルメールにしたにもかかわらず、ルメールは、自分がかつて「G1を2着させた馬よりも、自分で重賞を勝たせたから」という理由でチェルヴィニアを選んだのであれば、これ3年前のファインルージュと全く同じ経緯であり、振られた国枝センセイはヘソを曲げ「だったらまた戸崎ケータに頼むからいいもん! アカイトリノムスメみたいにウチが勝っちゃうよ~」と言いながら、2年ぶりのオーダーを戸崎ケータにしたのかもしれない。

確かに、3年前の秋華賞はこの国枝・戸崎の「代打コンビ」のアカイトリノムスメが、ルメール騎乗のファインルージュを制圧したのだが、それ以降の国枝・戸崎のパートナーシップが全く機能していないところがものすごく不安要素なのだ。

アカイトリノムスメの秋華賞の騎乗依頼の時は、

同年5月に、カレンブーケドールの春天3着や、ヴィクトリアマイルのマジックキャッスルの3着など、国枝センセイはコンスタントに戸崎ケータにG1オーダーをし、戸崎ケータも勝てはしなかったものの一定の結果は国枝センセイに還元していたのだったが、今回のG1オーダーはなんと2年ぶり。

請け負った戸崎ケータも

「2冠・3冠を狙えるのはこの馬しかいないですから、依頼頂いて感謝するとともに責任を感じています。ダービーばかり意識している感じではないです(笑)。大仕事がまた一つ増えて、幸せな年だなと感じています。」と、なんかどこかよそ様チックであり、国枝センセイのために一肌脱いでやろうという気概はあんまり伝わって来ないのが気がかり。

確かにステレンボッシュの桜花賞は強い内容ではあったが、人気馬アスコリピチェーノをビッタリマークしていたモレイラの120点の競馬があってこそだったし、そのモレイラは、4月頭に来日していきなり土曜日の阪神牝馬Sをマスクドディーヴァで快勝し、「ゾーン」に入っていた。
そんなモレイラ無双の真っ最中での桜花賞制覇と、勝つべくして勝った空気感があの週の阪神にはあったものであり、東京2400mで国枝センセイは戸崎ケータにオーダーしたこともないのに、「ルメールに振られたから、じゃ、また代打でヨロシク」とオーダー。2年ぶりの国枝センセイからのG1オーダーを受けた戸崎ケータも、すんごい馬とはわかっていながらどこか素っ頓狂に「あ、そうですか、ならやりましょ」とそこにモレイラばりの熱量は感じられず、なのに周りは最強馬として断然の1番人気の称号を与え、国枝センセイ自身も「アパパネ、アーモンドアイと変わらない素質があり、自信もある」と三味線をベンベン弾いているところもなんか違和感。戸崎ケータだけが置いて行かれているというか、ノッていない感はする。

以上のことから、世間が彩る断然の1番人気と、2年ぶりの国枝-戸崎コンビが作る「即席・淡々感」に、熱量の乖離を感じるのはオラだけだろうか? 同じ代打でも、アカイトリノムスメの時とは「布石」が違っていることもあり、今回の代打成功は、その難しさと成功報酬の低さに、先週のナミュールばりの「ローリスクハイリターン」を感じている。

そして、そんな2年ぶりに組んだ「即興代打コンビ」が、「馬5人5のG1」を、いくら馬がアタマ一つ抜けているからと言って、やすやすと勝てるほど甘くはないのでは? 馬・テキ・ヤネの盤石なトライアングルが構築できているからこそ、G1は勝てるという持論を持つオラからすれば、ちょっと物足りない。

よって、ステレンボッシュについては、ナミュールばりに消しにしたいと思うところではあるが、ナミュール騎乗の武豊以上のフィジカルは鞍上が持ち合わせているという見立てから、この印が妥当と判断する。

⑦ステレンボッシュ…△


これが言いたいがために、3000文字近くを使ってアカイトリノムスメを巡る3年前の経緯も持ち出したが、これで△とした理由が少しでも多くの皆さんのご理解とご納得を得たのであれば、オラは書いた甲斐があります。長くなりましたが、それが言いたかったのです。



§5.代理戦争の末に…~勝者の決断~

それでは、そのイクイノックスとアーモンドアイ。それぞれを管理する者たちによる、壮絶な「ルメール取り合い合戦」で軍配が上がったキムテツ厩舎だ。3年前のファインルージュ同様に、ルメールが自分で重賞を勝たせたというファクターが決め手になったどうかは不明だが、チェルヴィニアを選んだ。

もしくは、そんな妄想上の「壮絶な代理戦争」がなかったとして、ドバイでも落馬負傷をせず普通に日本に帰ってきたら、きっとこの馬に乗っていた、ただそれだけなのかもしれない。

その真相は闇の中だが、実際、自分が乗らなくて桜花賞は13着。もしそんな馬がオークスを勝とうものなら、「戦後最大の復活劇」となるらしい。

まあ、ルメールが普通に桜花賞に乗っていれば、13着にはなっていないかもしれない。自分が乗らなかったことで、いまこれだけケチがついているのだから、自分がケツを拭くことで「汚名返上」することができ、キムテツ先生に「遅くなりました」のG1勝利を届けることができる。これが、ルメールがわざわざケチのついたチェルヴィニアに乗る「大義」なのか。

検索条件:ルメールの2023年以降、G1成績

ナンダナンダ言って、ルメールは復帰後もお金になっている。
勝ててはいないけれど、2着が2回と、キッチリ仕事はしている。

オラも、先週のヴィクトリアマイルで、7年ぶりにG1でルメールの騎乗馬に◎を打って(2016年有馬記念・1番人気◎サトノダイヤモンド以来)お金になった成功体験を共有できたが、考えてみると1番人気ではないルメールに◎を打ち、お金になったという体験も、オラ実は初めての体験かもしれない。そのくらい普段はルメールを嫌って予想を組み立てているのに、1番人気でなければ、ヤッてみるとこれなかなか気持ちいいものではないか?

世間では、

という乱暴な理論が、しかも東京芝G1に限ると実は物凄い有効だったりする感もあり、予想屋としては商売あがったりの危機という側面も?

検索条件:ルメールの2015年以降・東京芝G1全成績

ここまで【16.13.5.22】 馬券圏内率は.621と、もはや反則級。ここ2年でドボンしているのは、昨年の悲しいダービーと、外国馬オネストに騎乗したJCだけと、日本馬で無事に回って来れれば、馬券圏内率は100%という恐ろしい事態であり、東京芝G1に限ると、もはやノブの乱暴なボヤキ理論も十分に的を射ていて、じつに的確な馬券戦法ともいえる。単勝・複勝回収率もともに100%を超え、ガミらせないところもビックリ。

ただ、当たり前だがルメール人気する。
ほとんどのレースが1番人気して、当たっても大きく儲からないのが定説だったのだが、これについては少し風向きも変わりつつあり、先週の◎フィアスプライドはなんと4番人気。ルメールが東京芝G1で、4番人気以下となってお金になる事態は、なんと6年前の安田記念を6番人気で勝ったモズアスコットまで遡る事象であり、これなかなかのレアケース。それを敢えて先週のオラはわざわざ人気がないのに◎ルメールとしてロォン! これはむしろ誇れることなのでは?と思うようにしている。

そして今回のチェルヴィニア。
代打のムルザバ兄さんが乗って前走13着だったが、先週の◎フィアスプライドも前走・中山牝馬Sで1番人気9着ドボンとなったことからケチがついて4番人気になり下がったことを考えると、今回もステレンボッシュ・ライトバック・スウィープフィートの下の僅差4番人気にまでなり下がるかもしれない。まあ、2~4番人気のどこかとなるだろうが、これ、先週に引き続き、「東京G1なのに、人気しないルメールさん」というレアケースが2週連続で巻き起こる事態。これは看過して良いのか?とも思うところはある。

チェルヴィニアの前走・桜花賞については、管理するキムテツ先生もじつに男らしく潔いコメントを残していたのが印象的だった。

「桜花賞は急ピッチに仕上げたけど、結果的に自分の見込みが甘かったと思っています。」

言い訳せずに、実直ではないか?
決してムルザバ兄さんのせいにはせず、前を向いて今後について語る姿は実に好感そのもの。共同記者会見での字面の長さも真摯の一端か。

チェルヴィニアが桜花賞でドボンした一因として、キムテツ厩舎が恐ろしいレベルの「内弁慶」であることも、要因の一つと考える。

検索条件:キムテツ厩舎の関西主場重賞(阪神・京都)の全成績

馬券圏内率18.9% もはや吐きそうなレベル。。。

あのイクイノックスですら、昨年の宝塚記念の勝利は、2着馬スルーセブンシーズにタイム差なしまで詰め寄られた「辛勝」であったことからも、この厩舎は相当に「ロードゲーム」は弱いことが解る。

では、ホームゲームはどうだ?

検索条件:キムテツ厩舎の関東主場重賞(東京・中山)の全成績

馬券圏内率は38.6%と、関西エリアの2倍!

ご覧の通り、理由は完全に明らかにはなっていないが、これだけ「内弁慶」ぶりが目立っている関東の厩舎はなかなかいなく、この理屈からすれば、チェルヴィニアが阪神で大敗しても東京では涼しく走れましたという結末になっても何ら違和感はないし、共同会見でキムテツ先生自身が「今度はホーム」と、自らの内弁慶を暗に認めているのはクスッとなってしまうところ。

そして、チェルヴィニアはハービンジャー産駒であり、代表産駒のブラストワンピースが例えばそうであるように、

左回りよりも右回りの方がお金になっているのだが、このチェルヴィニアは、フローラS1着・オークス2着だった母・チェッキーノの影響を色濃く受けているのか、母譲りの左回り巧者である可能性が強く、左回りは【2.1.0.0】で、負けた相手がメイクデビューのボンドガールとカスには負けてはいないし、半兄に「完全なるサウスポー」のノッキングポイントがいることからも、この兄妹は母チェッキーノの適正を程よく遺伝していると判断でき、ハービンジャーの右回り優位の法則を、母・チェッキーノが凌駕している。

となると、2016オークスではクビ差でシンハライトに負けるも、2着と2400mの距離適性も見せたチェッキーノの血と、2400mが最も産駒の成績が良い父・キズナとの血によって生まれた娘・チェルヴィニアが、戸崎ケータではなくルメールによって、8年後に東京2400mで「親のカタキ」の勝利のシーンがあっても何ら不思議ではない。

と、キムテツ先生にとっては、「ルメール」「ホーム東京」という2枚のピースが欠けた前走は、異常な脆さを露呈したものであって、馬の能力ではなく、キムテツ厩舎そのものが「4WD」のうち2輪しか駆動していなかったためバラバラになっていたという、厩舎のエラーが強かったことが敗因と見ている。

選手ではなく、ベンチが悪かったんだ。
さあ、次はホームだ。ルメール監督もちゃんといる。

今年、2年連続最下位から巻き返しを図る我がF軍。ホームゲームはここまで13勝4敗と異常レベルの強さ。ホーム・エスコンフィールドでは、まず負けない。

この「内弁慶」。
競馬や野球に限らずどの分野にもいるもので、競馬界屈指の「内弁慶」ことキムテツ厩舎。アウェーの阪神でフルボッコに負けて最後に不利まで食らって13着。ムルザバエフ監督代行ではダメ。もうこのペイペイドームのホークス戦ロード3連敗は、もうなかったこととして切り替えよう。その切り替えが奏功しているから、その後エスコンに帰ってきて5連勝できたのだから。

ホームのエスコンフィールド東京なら、左回りなら、2400mなら、ルメール監督なら、アウェー阪神でのフルボッコを「陽炎」とすることは可能。

桜花賞13着からのオークス制覇は、戦後最大の巻き返し。2年連続最下位からのペナントレース優勝をめざす我がF軍が、いま絶好位の2番手で快走しているように、ここで一足先に決めてしまおうぞ。大敗からの巻き返し劇は、第三者的な目で傍観しているより、当事者感覚で見た方が数倍その劇を楽しめるんだ。

⑫チェルヴィニア…◎


相手のステレンボッシュホークスは強いのは承知。しかし主力は山川、コンちゃん、戸崎ケータと寄せ集め軍団で、そこに「キズナ」は入ってない。

◎⑫チェルヴィニアはそのまま2位でも十分に拍手を送ることはできるのだが、ルメール監督3週連続2位はもう不満足でしょう? ゴールの瞬間は、先頭で飛び込むシーンを見たいところだ。

ん?来週はキムテツ厩舎のレガレイラで連荘オーダー? 二兎を追う者は一兎をも得ず?まあまあ、ちょっとそれは置いときましょうや。



§6.ドゥーラをさがせ!

昨年のオークスでも、15番人気ドゥーラが3着となったことで、1・2着は人気通りも、3連系は荒れた馬券となったが、こういう「2400mになると馬が激変する」タイプも、2~3年に一度の割合で出てくる。ことしもドゥーラ臭のする馬には3着ヌケ防止としての△を打ちたい。

△⑩アドマイヤベル

東京では崩れず【1.1.1.0】とオール馬券圏内。今年G1では出番のないタケシもそろそろ一発警戒。

△⑤コガネノソラ

昨秋からの未勝利脱出3連勝は、地味に3回ともオラ◎。ゴールドシップ産駒は2400m大歓迎。逃げ宣言の2頭がぶっ飛ばしてスタミナ勝負は大歓迎のクチ。

△⑮サフィラ

半兄サリオス、半姉サラキアとサリエラと、一瞬ややこしくなるが、いずれも2400m以上の重賞で好走歴アリ。それでいて無印はダメでしょう?

△➀ミアネーロ

フラワーCのロシタンの◎で歓喜した読者さんも多々。2週連続ツムラ劇場という箔が着くが、元から津村アキヒデがガチだったのはこの馬。フラワーCでの勝利ジョッキーインタビューでの「この馬と大きいところを目指したい」宣言は記憶に新しい。不言実行の次は有言実行だ。

△⑨ラヴァンダ

まだ少しの謎な包まれているシルバーステート産駒だが、最もお金になる距離は2400m前後の中長距離。チューリップ賞は距離不足と不利。フローラSで素質の片鱗。最もドゥーラタイプがこの馬かもしれない。

△③エセルブリーダ

モリアーナでしくじった去年、武藤親子がきちんと2勝して送り込むキタサンブラック産駒。1勝馬クラスの勝ち時計はフローラSと同等に評価でき、内枠で折り合えば一発3着はアリ。重賞も勝ったことない「スーパー童貞」が無欲の一発!

△⑱ランスオブクイーン

なんと1勝馬でも抽選ナシで出られてしまうことがすでに「強運」。父タリスマニックというドマイナーさが一層謎に包むが、母父マンカフェで中長距離は担保していれば、母母チェリーコウマン! うお懐かしい。「外からコウマン!」という実況だけで当時20歳ソコソコのオラは十分ボッキできたある頃の淡い思い出が蘇る。
そして、ランスオブクイーン。ランスといえば「三振かホームラン」。

R・ランス 1987年に 本塁打王・三振王・最低打率の「三冠王」に輝く伝説の助っ人

ランスらしい、意外性あふれる豪快な一発にも期待したい。


§7.まとめ

◎⑫チェルヴィニア
○⑭ライトバック
△➀③⑤⑦⑨⑩⑬⑮⑱

毎回鞍上が変わる断然の1番人気ステレンボッシュ。そこに2年ぶりに国枝G1に騎乗する戸崎ケータには、アカイトリノムスメ代打時のような「絆のブランク」が生む突貫工事感が否めず、馬は突出していると一定の理解はできるが、オラの唱える古き良き格言「G1は馬5人5」というフィルターをかけると、やや先週のナミュール臭がしていて、不可なき優等生のまま、安全に2400mを回って3着でしたとかいう感も否めない。

一方で、前走は苦手過ぎるアウェー関西で、ルメール監督不在で大惨敗を喫した◎チェルヴィニアが、今回ホームでルメール監督と、すべてのピースが揃い、母の無念を晴らす「かくれ浪花節」を携えなから、戦後最大の巻き返し劇を目指すところに、いま熱すぎる北の大地エスコンフィールドを同化させてしまう。

何だまたルメールかよ?と驚かれたというか失望の読者さんもいるのかもしれないが、◎ルメールだからと言って馬券戦略は決して置きに行くのではなく、1番人気ではないルメールを買うことに、意義もあれば快感もあり、復帰以降崩れていない東京G1実績は明日もまた継続するものと睨み、オラもまたそこに乗らせてもらい、潤沢な配当を頂きたいところ。

そこに、今最もG1で輝ける、矢作厩舎以外の馬ではもう面白くて仕方ない「水を得た魚」となっている坂井リュウセイのビーチフラッグ魂が、3度目の騎乗の⑭ライトバックで△⑦ステレンボッシュまで呑み込んでしまえるものとして、強気の○とした。

馬券のスタンスは、去年のヴィクトリアマイルで◎-○の馬連20倍を一点で仕留めたスタンスと酷似。「G1を馬連一点で仕留める」という、去年一緒にソングライン-ソダシで決めた読者の方からすれば、この爽快感は中毒モノ。これにまたトライしましょうぞ! 一点買いほどおサイフに優しい馬券はないですからね! そして△9頭は3連系馬券の3着付けでボーナス狙いと、昨年のヴィクトリアマイルと全くおんなじ馬券スタンスで挑む。
したがって、◎-△のおさえの馬連は、この調理の一例には載せません! 各自ご判断ください。

単勝・複勝  ⑫
馬連・ワイド ⑫-⑭(本線)
3連複    ⑫⑭-➀③⑤⑦⑨⑩⑬⑮⑱
3連単    ⑫→⑭→➀③⑤⑦⑨⑩⑬⑮⑱


この買い目を見て頂ければ、決して安直な

ではなく、◎ルメールだからといって守りに入ったとかは言わせない、ちゃんと配当を獲りに来た買い方で臨み、読者の方々からも一定の理解は得られるものだと思っている。ルメールでも、高配当は獲れる。

…って、先週も馬連ALLで十分体現できていたではないか。。。(悔)


14000文字のメガ盛りコラム、最後までお読みいただき、ありがとうございました。それでは、良いオークスをっ!
(まちがって黄色の鳥さんで作ったので、出番与えないと。。。)



結果


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喫茶ラムネとバイトリーダーN
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