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【☆82話☆】11/10京都11R・エリザベス女王杯(バイトリーダーN)

今年のメンバーはもはやG1ではない!とかチラホラ聞こえてくる #エリザベス女王杯  ですが、馬券ジャンキーとしてはこんなに面白い様相のレースはございません! 距離適性・舞台・馬場適性。いろいろな面から妄想が拡がる楽しいG1! ぜひご覧ください! 


今週の勝手にテーマソング 一青窈「蛍」

数々の苦難を乗り越え、いま砂地で羽を休める者へ。
これまでの頑張りを讃え、労うとともに、これからは悲劇を繰り返さず、苦労した、悩んだ分だけ幸せになろうと、前を向く方へ贈る応援ソングです。どうぞお聴きください。

§1.ちなこさん 秋G1に奮闘中~

オラの勤務する喫茶店には、スタッフが数人在籍している。
常勤はバイトリーダーのオラ一人なのだが、週1~2回勤務のパートさんも数人いて、弁当作りなり、お昼の喫茶店営業は彼女たちのサポートもあってお店は回っている。

そのうちの一人が、女店主・ラムネの短大時代からの知人である「ちなこ」さん。大谷翔平の大ファンであり、昨年は一家でLAまで現地観戦したというツワモノ。

子育ても、そろそろ終着駅へ向けて、速度を落として徐行運転。
いよいよ完全解脱へ向けてルンルン気分(古っ)であり、まだまだ重い子育てが待っているオラからすればうらやましい。そんな「普通の主婦」のように見えるのだが、実は全くそうではない。

ここ3年、実父が他界したことによって始まった「遺産相続をめぐる兄嫁との、壮絶な身内同士の法的バトル」の渦に巻き込まれ、悩み、考え、戦い、そして完全勝利に至ったこともあり、その見た目から醸すピンフ感とは裏腹に、人生の経験値からすれば我々クラスの数段上の「いばらの道」を歩み切った者。

その戦いの模様は壮絶極まりなく、随所に報告・相談を受けていた女店主ラムネも、そのあまりの凄さに、解決を迎えたいま「それ、noteで執筆した方がいいよ! おんなじ目に遭ってる人もいるから興味あるって」と進言。

するとどうでしょう?

信頼している友人にはとても従順で柔軟なちなこさん。
女店主の進言を素直に受け入れ、10月からnoteでの執筆を開始。兄嫁の悪態・悪事を赤裸々に綴り、話し合いでは解決できずやむなく成敗に向けて腰を上げた経緯、法的手続き・弁護士とのやりとり等を、勧善懲悪・実録ドキュメントとして忠実に転記。なんにも盛っていない「ほんとうの出来事」を数話にわたって、こまめに書き下ろしている。

反響もすごく、イイネの数でも、オラが書いてるエロ駄文なんかをはるかに超える数を獲得していて、物書き界に突如現れたゴールデンルーキーに、オラは若干の動揺も。

ただ、この遺産相続の問題はどこの家庭でも起こり得ることであり、皆さん「対岸の火事」では済まされないところ。そんな危機感が共感となり、オラのフォロワーさんも気づいた方はポツポツと彼女のnoteをフォロー、適宜その実録を閲覧しているようであり、ちなこさんはその反響に「書いてよかった」とほどよく苦労が報われている模様。

是非、未読の方はちなこさんをフォローしていただき、壮絶な訴訟絵巻をご覧ください。

物事って、お話し合いで解決できないと、たとえきょうだいであってもこんな酷くて醜い事態となってしまう実例であり、もしわが身に降りかかってきた場合のヒントに、恰好のバイブルとなるかもしれませんよ。

記事の一例です。

そんな長い戦いを勝利で終えたちなこさん。
あとは人生愉しむだけ!と、最近競馬をかじっているらしい。

10月の秋のG1シーズンから始めたビギナーで、
「競馬と言えば武豊。後は知らない!」という方なので、G1で武豊の複勝を家族に買ってきてもらい楽しんでいるという、とても微笑ましい楽しみ方。全身の血が凍り、寿命が縮むようなマン振りばっかりやっているオラとは対極にいるライトユーザー。

しかし、その武豊。
ちなこさんが応援の複勝馬券を投入するようになってから、

秋華賞…ボンドガール…2着(5番人気・複勝290円)
菊花賞…アドマイヤテラ…3着(7番人気・複勝470円)

と、ミーハーファンだけでなく、ゴリゴリの穴馬ファンをも喜ばせるようなシビれる騎乗を見せていて、このちなこさんが実は覚醒させたのでは?と思うくらいの大活躍。

そんなちなこさんに、オラも週一度喫茶店で顔を合わせるので、「武豊絶好調だね~! 日曜の天皇賞も武豊勝つよ!馬券買ったほうがいい!」と、水曜段階で◎ドウデュースと決めていたオラは、誰よりも早く第三者に◎を発表。

「え~勝つの? 買う買う!」とちなこさんは喜んで弁当作りをしていた。

そして日曜日。見事に◎ドウデュースは勝利。

天皇賞(秋)…ドウデュース…1着(単勝380円・複勝200円)

しかしながら、オラはコラムでも書いた通り、ロォン!したのは単勝だけであり「なんだよ単だけかぁ…ガミったなぁ。」と喜び半分のオラに対して、武豊をゼンリョク応援のちなこさんだ。ドウデュースでも複勝2倍はいいなぁ、単勝も買ったかも? こりゃ相当喜んだんだろうなぁ。しこたまビールを飲んだんだろうなぁ。
と、レース後彼女のはしゃぎっぷりを勝手に想像していた。

しかし、このへんがやってくれるぜ ちなこさんよ。

この記事の冒頭で、天皇賞について触れていたが…

秋華賞・菊花賞は複勝でロォン!して高配当をゲットしていたものの、なんと天皇賞は、欲をかいてドウデュースから3連複で勝負してドボン! 

獲ってないんか~~い!


「武豊キター! キャ~~ッ!」と画面の前で絶叫・歓喜しているのに、馬券はハズレているという、大谷翔平のホームランでは味わえないこの打った後のスカスカ虚無感。これこそ、馬券ジャンキーとして誰もが通る道。

そんな「競馬人あるある」の模範的演技をこなしたちなこさん。オラは心の中で「いらっしゃいませ。ようこそこちら側へ…」と喪黒福造に。




「ダメだっ! アタシもう複勝しか買わないっ!」と、完全に懲りたようで、今週はハーパーの複勝で勝負するとのこと。脳死で武豊というところはどんなことがあってもブレないところはさすが「勝ち取った女」としての絶対に譲れない部分。ある意味リスペクトできる。

しかし、そのハーパー。なかなか脂っこい。

昨年の有馬記念以来、一年間お金になっていない。
掲示板もなければ8着以内もない。これには友道センセイもいろいろ試行錯誤するもなかなか結果が出ず4歳の秋。前走で初めて武豊にオーダーするも、生涯最高体重の488キロにまでデップリした影響もあって、ブービーに5馬身離されてのブッチギリのビリ。

しかし、昨秋の京都G1では2回連続3着。オークスも2着であり2200m自体は問題なく、4歳になってから成長曲線を駆け上がる馬が多いハーツクライ産駒であり、その血はいつ覚醒してもおかしくない状況。

加えてこのエリザベス女王杯は、リピーターレースとして有名であり、その理屈から5年前にオラは、7番人気◎クロコスミアとしロォン!した事も。

そして、鞍上・武豊の現在3連続で国内G1馬券圏内という状況は大変興味深い事項。

秋華賞…ボンドガール…2着(最後方から鋭伸)
菊花賞…アドマイヤテラ…3着(2週目3角でスパート)
天皇賞(秋)…ドウデュース…1着(最後方から延伸)

と、それぞれの仕掛けのタイミングでドンピシャであり、たとえ最後方待機であっても「決して受け身ではない、主張する後方待機」でお金になっている現在、この人にとっては何回訪れるんですか?というレベルの「充実期」に入っている。というか、どんな人気でも自由奔放に自分の競馬をできるようになった「最終解脱」に到達したのでは?とも。

それゆえ、ここも受け身の騎乗ではなく、アドマイヤテラの菊花賞のような、自分で早めに動いた「主張するスパート」を見せてくるかもしれない。この「自分で動いて攻めること」に、いまレジェンドは、新しいオモチャを見つけたような新鮮な楽しさを見出している気がしてならない。

そんなノリノリの状態なのに、先日のアメリカ遠征では「遊べない」おあずけ。期待したオーサムリザルトの出走は敵わず、森センセイの度胸だけイッチョ前の2歳馬でヘヴィータンク競馬して帰国と「完全なる不完全燃焼」。そろそろG1に参加したいところだろう。

今回のハーパー。
リピーターとなり得る数少ない馬の一頭として、軽視は危険。昨年の秋華賞~エリザベス女王杯が482~484キロでの出走につき、もうすこし馬体重が絞れていて480キロ台前半であればという前提はつくが、武豊騎乗のハーパーについては、上記背景により

⑭ハーパー…▲

としたい。


§2.物言わぬ愛馬たち

オラは従前のコラムより何度か書いた事もあるが、株式投資なり一口馬主のように、すぐにお金にならない類の投資は向いていなく、たとえば1分7秒9でお金が倍になるかゼロになるかの「投機」のほうが断然向いているクズ馬券ジャンキー。株式を資産として保有していることや、一口馬主で所有者として悦に浸ることになんの喜びも感じない気質。これはもはや性格なのでしょうがない。

やっぱ 決着はすぐつかないとね!

逆に、それに耐えられる「オーナー気質」の方々もこの世の中五万といるもので、いまNISAなり株式投資も盛り上がっていて、競馬界においてもクラブ一口馬主は、大変盛況を極めている。

女店主もそのタイプであり、株式投資もゴリゴリやっていて、自分の保有する銘形はもちろん、毎日の経済動向にも気配り目配り。トランプが大統領になったらこの先どうなる?と見通しを立てていれば、喫茶店の常連客たちと株談義もでは、客も満足して帰っている。もうこれ、昼キャバだね。

オラの古くからの友人であり、かれこれ出会って15年が経つMちゃんも、この「資産保有にジッと耐えられる」タイプであり、一口馬主を今まで数頭所有。一方で投機的な馬券はあまり買わないタイプであり、そういう意味ではオラとは対極にいるのだが、それでもお互い競馬の物書きが大好きという共通点もあり、彼の文章はとてもためになり参考にさせてもらっているところからオラはリスペクトしていて、関係も継続している。

そんなMちゃん。3年前からとある一頭の馬を一口馬主として所有。

この一口馬主としての特権として、デビュー前に「馬名の応募」もでき、会員が各々考えてエントリーしたものをクラブが選考し、見事選ばれると、そのまま馬名として登録。クラブからは命名記念のレプリカも進呈され、ただの一口馬主という立ち位置ではなく、「名付け親」という大変名誉な肩書きを手に入れ、より愛馬に対しての気持ちを高ぶらせながら、まるでダビスタにような感覚で一口馬主生活を楽しめるという特権がある。

今から3年前、Mちゃんはその愛馬に、星の瞬き・閃光という意味を持つ「シンティレーション」という馬名で応募したんだ。


するとどうでしょう?

応募した「シンティレーション」は見事に選考され、馬名登録。
Mちゃんは見事に、名付け親となったのだ。

すんごいねぇ~。それだけでも拍手喝采。

さらに、シンティレーションは、一口馬主にとっては嬉しい「仕上がり早タイプ」であり、2歳函館でメイクデビュー2着→札幌芝1800mを逃げ切り勝ちと、2歳夏で初勝利を挙げた。

明け3歳の1月。中山芝1800mの1勝馬クラス・若竹賞を差し切り勝ちでオープン入りと、順調そのものだったが、続くフラワーCは1番人気3着と重賞の壁は高く、そこから低迷期へ。2勝馬クラスを勝利したのはそこからなんと2年弱もかかり、今年の1月の中山芝1800mでのものだった。

この時点で、勝った3勝はいずれも右回りの小回り1800m。
どこをどう考えても、このシンティレーションの得意のパターンは、この右回り小回り1800mと思うだろう。陣営も、ファンも、Mちゃんもみんな思っていた。だから、陣営が勝負を賭けてエントリーした、今年の夏の札幌の3勝馬クラスを除外喰らったショックは大きく、やむを得なく新潟外回りの1800mの3勝馬クラス・新潟日報賞を使う事に。

しかし、クラブの規則により、今年度がラストイヤーのシンティレーション。来春の繁殖入りに間に合わせることから、現役は今年いっぱい、引っ張っても来年の2月~3月までで、実質この5歳シーズンがラスト。これがこのクラブの運命。なので適さないと思った舞台でももう時間がなく、四の五の言わずに走らせるしかないのだ。

するとどうでしょう?

シンティレーションは11番人気の低評価を覆し、後にオープン入りする3歳の大物・トロワデトワルの32秒台の猛追を振り切り、1.44.1の好タイムで駆け抜け1着。誰もがおったまげたオープン入りとなったのだった。

あのシンティレーションが…右回りコーナー4つの1800m専用機だと誰もが思っていたあのシンティレーションが…左回り新潟の、長い直線の外回りの1800mキレキレ勝負で勝ってしまうとは…つくづく馬の適正というのは、人間が勝手に決めつけてはいないもの。これは我々馬券ジャンキーだけでなく、シンティレーション陣営も思ったであろう。

馬とは、物言わぬ者。
どこの舞台がいちばん走れるのかは語ることはなく、人間が見つけてあげなければならないし、脚が痛くて走れないことも馬は言えないゆえ、これまでそれを気づけなかった人間に全力で追われて悲惨な事故を招くことも多々。

いかに、馬を見極め、見抜けるか。
これが調教師をはじめとしたスタッフたちの仕事であり、使命。

そういう意味では、この5歳夏まで「本質」を見抜けなかったシンティレーション陣営は、この新潟日報賞の勝利・オープン入りで喜びつつも長かった回り道に、これまでの自分たちの目利きのなさを痛感したかもしれない。そのくらい、クラブ馬主とは「有限」であり、決められた期間内に結果を出すことが必須のシンデレラボーイたちによって出資されているのだ。

そうと解ったら、競走馬生活も長くて残り半年となった5歳秋。ようやくシンティレーションの本質が解った陣営は、進む道はひとつ。東京芝1800mの府中牝馬S。ここしかなかった。もう悠長にトンカツ喰ってる場合ではない!

この晴れの日に名付け親のMちゃん。勝った時のウィナーズサークルでの口取り式に出られる権利に当選したことから、まさかの事態に備えてと言ったら失礼なのだが、勝ってウィナーズサークルに入ってもいいように、東京競馬場にスーツで来場。

その話を聞きつけたオラ。府中牝馬Sは◎コスタボニータとして、相手も先行馬たちをコンクシェルだフィールシンパシーと、ズラリと先行馬で固めていたのだが、「それはそれ」ということで、フィールシンパシーの応援馬券として、単複の「がんばれ馬券」を購入。

レースは大外から、勝ち馬ブレイディヴェーグと同じ上がり32.7の豪脚で2着。10番人気2着で複勝も520円とまたまた人気を裏切る高配当。

負けはしたが、G2で2着でっせ!?

これにはスーツのMちゃんも「まさか!?」とハートビートしたが、2着ではウィナーズサークルには入れないため、この日はただの「スーツで競馬場に来た人」となり、口取り写真に写ることはありませんでしたとさ。

さあ、残り少ない競走馬生活となったシンティレーション。
次はドコ行くの?と訊くと、その日のうちに「結果が出たらエリザベスもあるかもしれない」とMちゃん。

その通りに、明日、初めてのG1の舞台で愛馬が出走することとなった。
もちろんオラも府中牝馬S同様、がんばれ馬券を買って応援する。

うっ…「がんばれ」の表示って、紙馬券オンリーだったんだね…知らんかった。

出資馬が念願のG1に出て、それなりに人気が出る。すごい事だねこれ。もうこれだけで、おめでとうですよ。紫のG1ゼッケンを見られるだけでも感無量だろうし、友人としてもムダに感無量ですもの。京都行くのかな?

ただ、それはそれ。これはこれ。
自分の印には私情は挟まないのがオラ。プロとはそういうもの。長嶋茂雄は監督時代、息子の一茂に戦力外通告をしたもの。

シンティレーションは、これまで、距離に関してのジョッキーコメントが2度あり、1度目は昨年5月の2勝馬クラス時代に、東京芝1800mの調布特別で2着だった時のルメール「(1800mで)距離は合っている」というコメントと、前走の府中牝馬Sでの鞍上・戸崎ケータの「1800mはピッタリだった」のコメント。

ルメールだけでも十分に距離に関するコメントは相当な精度で信憑性に満ちているのだが、戸崎ケータまでが1800mがベストと断言。そうなると、今回のエリザベス女王杯挑戦は、陣営による、長らくシンティレーションの本質を見抜けずにモタモタした「禊(みそぎ)」と推察。最後にG1出走で出資した会員に最低限のサティスファクションを共有させようというものであり、ロードカナロア産駒。この京都2200mは不適と判断し、自分の印的には消しとさせていただく。

とはいえ、馬とは「物言わぬ者」。
実は2200mが最高に走れました!という更なる驚愕のシーンにも、見られるものなら見てみたいと思っている。もしそうなったら、自分の無印でも笑って見られているくらいの納得感はそこにある。

⑫シンティレーション…無印


ぐおっ…ここまでたった2頭で6300文字だって。。。やっぱりヒューマニズムタッチなりサイドストーリーが多いとこうなってしまうなぁ…どうしましょ?



§3.2200mの距離適性

今回の出走メンバーの質なりレベルについて、「酷いメンバー」「誰も馬がいない」と、偉そうに憂いを吐いている輩たちがたくさん散見されるが、オラはそんなことはどうでもいい。

そんないちいちメンバーレベルの低さを嘆いたところだ僕たちの収支に関係ない。やることはただ一つ、いるメンバーでお金になる馬を純粋に探すこと。競馬評論家が陥りやすい「罠」には簡単に引っ掛かりません。

で、今回のメンバーで、明らかに2200mに対しての距離適性が疑問な馬が数頭いる。来週のマイルCSであれば、どんな人気薄であってもそれなりにマイル適性のあるマイラーでフルゲート埋まるのだが、このレースは「2200mに適性がないかもしれないけれど、牝馬限定戦だしワンチャンあるんでね?」というスケベ陣営たちがこぞって挑むため、このような事象となりやすい。

そんな「2200mマユツバ馬」だが、陣営のレース選択だけでなく、走り終えたジョッキーコメントでもそれが解り得ることが多い。なので、これらのジョッキーコメントを参考に、2200mへの挑戦に疑問と感じられる馬については、今回は軽視したいと思う。

エリカヴィータ…勝利した最長距離がフローラSの2000mであり、芝2200m以上のレースでは【0.0.0.2】。前走の福島牝馬Sでも先行してバテで0.7秒差6着ドボンは、到底2200mに適性があるとは思えない

コンクシェル…2000m以上は【0.0.0.2】。秋華賞ではリバティアイランドに1.9差をつけられてのビリであり、ベストは1800m

モリアーナ…今年1月のALC4着ドボン時に横山典弘は「(2200mは)さすがに長い」とコメント。前走の府中牝馬Sで8着ドボン時には騎乗した岩田の父ちゃんが「マイルがベスト」。

ラヴェル…6月のマーメイドSで5着ドボン時、鞍上・坂井リュウセイは「2000mはすこし長いか」とコメント。

ルージュリナージュ… 前走の府中牝馬Sで5着ドボン時には騎乗した横山カズオは「1800m微妙に長い」。

もちろん、騎乗したジョッキーのコメントの精度は100%ではない。人間だしウソも言えば言い訳もするもの。しかしながら、一流であればあるほど、このジョッキーたちの距離についてのコメント・進言は的を射ていて、馬券戦略としては大変参考になるファクターであることは変わりない。今回もこれらの馬は2200mは不適として、軽視とする。

逆に、2200mに適性のあるコメントや、その出走履歴・成績から、2200mは範疇と考えられる下記の馬については、印をまわすこととする。

昨年のエリザベス女王杯6着時、上がり最速の34.2を繰り出したが、鞍上・マーカンドは「距離がもっと欲しかった」とコメント。これは本意ではなく騎乗ミス。2200mでも十分範疇と判断。

⑬サリエラ…△


7月の中京・小倉記念でハイペースの2番手追走で2着に粘り込んだ内容から、切れ味勝負よりもゴリゴリのスタミナ削り合いは望むところであり、未知の距離ではあるが2200mにも対応可能。今なら1800mよりも状況好転の可能性アリ。

⑰コスタボニータ…△


福島牝馬Sでの「人馬ダブル骨折」から、新潟記念で復活した木幡チョーナンボーとシンリョクカのコンビ。その新潟記念は○としたが、単複推奨でロォン!した読者の方も。昨年のエリザベス女王杯は9着に沈んだとはいえ、勝ち馬に0.5秒差と僅差であり乗り方ひとつ。アクシデントを乗り越えて強くなった今の人馬なら、今年は着順を上げてこれるものと推察。

⑧シンリョクカ…△




§4.お客様は神様です

というフレーズを幼少のころから耳にするが、戦後の稀代のエンターテイナー・三波春夫の残した言葉である。

ただ、よく小田急線に乗っていると、車内アナウンスで「ただいま、○○駅で、お客様同士のトラブルにより発生したことにより、ただいま3分程度の遅れが生じております。ご了承ください。」と耳にすることがあるのだが、しからば、ここで「お客様は神様です」という理屈がまかり通るのであれば、この小田急線は「神々の争いによって電車が3分遅延している」ということとなる。どーでもえーか。

で、我々穴党にとっては、今年3度も人気を背負うだけ背負ってドボンしてくれるレガレイラは、もう「お客様は神様です」と言いたくてたまらなくなる馬。スタートに難があり、ルメールも今回は「中団につけられればベスト」と好スタートはイメージもしていない、そのくらい出が悪い馬。

ただ、上りは毎回最速を使い、京都の2200mはドンピシャでハマる可能性もあり、ルメール人気もあって1番人気しているが、3度も人気してドボンしてくれるお客様は大事にしなければならない。

ローズSは出遅れて最速の脚とはいえ、勝ち時計も平凡であり、ローズSの上位馬たちは、秋華賞ではみな掲示板から外れたことからも、諸手を上げて「レガレイラさん参りました」とは言いたくない。スケベ心満載のオラとしては勝ったら「ふ~ん」で良いくらいの扱いが妥当。「嫌って妙味アリ」で3回お金を提供してくださった「お客様」。その2200m適正と驚異の末脚は認めなつつ、その「キャラ」は大いに尊重したい。

⑦レガレイラ…☆




§5.シルフィードの乗り替わり

3年目ジョッキー・西塚コウジ。

だいぶ精悍になりました。福永祐一か、引退したF軍の加藤ゴースケに見間違えるなこれ。

ラスベガス生まれで、10歳までニュージーランドで育ったことから、生粋の日本人とはやや違う気質から来る、そのナマイキな言動から、昨年の春頃からすっかり関東・鹿戸センセイにで干され、その素行の悪さから「自主謹慎」まで言い渡される始末と、冷や飯喰らいまくりだったが、居ても立っても居られなくなって西に流れ、行きついた先は栗東・藤原厩舎。ここで心機一転また「アンチャン」として再デビュー。

肩書こそ「フリー」であはあるが、実質はゴリゴリのチーム藤原であり、先週のアメリカ・デルマーで行われたブリーダーズカップ・ターフに出走させたシャフリヤールの追い切りをするだけのために西塚コウジも渡米。追い切るだけ追い切ってとんぼ返りし、先週末の騎乗には間に合い福島で16鞍に騎乗、土曜最終ではオラの◎である単勝105.1倍のクレセントウイングを2着に持ってくる大仕事をケロッと成し遂げていた。

そんな西塚コウジが藤原厩舎に転がり込んでから、ずっと寝食を共にしてきたのがホールネス。ずっと調教をつけ、ずっと騎乗をしてここまで6戦。ついにオープンまで勝利して、いざ、G1の舞台へ!というところではしごを外され坂井リュウセイに乗り替わり。

これは若手ジョッキーに与えられる「あるある」の試練のひとつなのだが、エラーというエラーは6月のマーメイドSくらいで、前走の新潟牝馬Sは華麗にクリアできたことから、ここは西塚コウジに乗せても良かったのでは?というのが個人的な想い。

なのだが、ゴドルフィンからすれば、ローカルのオープンなら黙って眼をつむるところだが、さすがにG1となると黙っていない。よりウデの立つ壮年ジョッキーへシフトする。これは組織の判断としては一定の妥当性はあるのかもしれないが、う~ん心情的にはなぁ…。引き続き福島で騎乗しながら、この時間は12Rのパドックの前、ジョッキールームで指咥えてモニターを見ているのだろう。

ここで腐るな! 西塚コウジ!
ここで腐ると、そこで終わるぞ!

このまま西塚コウジ騎乗であれば、もっと重い印を打っただろうが、乗り慣れないテン乗りジョッキーで割り引いて、この印とする。

①ホールネス…△



§6.かたや、念願の騎乗

逆に、相沢厩舎に所属する石川ユキトにとっては、新馬の頃からずっと一緒にいて調教しているライラックに、デビューから3年。ついに初騎乗でありそれがG1の舞台。これはこれで感慨深い。相沢センセイ、どういう風の吹き回しなんでしょ??

テン乗りだけれども、他の誰よりも、3年前から馬を解っているというパターンはそれはそれで珍しく、テン乗りだから割引という概念はこれっぽっちもない。

馬は2年前に2着。去年はスローペースを後方から上がり最速の脚で追い込んで4着と位置取りの差。オルフェーヴル産駒につき渋った馬場も問題なし。▲ハーパーの§1で述べたように、リピーターレースであることから
、ここで再ブレイクする可能性は大いにアリ。

2200mがこの馬にとってベストだとしたら、今年の春シーズンは不適距離ばかり使われていたということであり、すべてノーカウント。前走の府中牝馬Sはプラス18キロの458キロでの出走と、ちょつとおデブちんになったけれど、叩き2走目と関西への輸送で、激走圏内の438~444キロにまで絞れて来れば一気に圏内。

なので、-14キロ以上絞れているという条件付きとなるが、デビューから乗り慣れた石川ユキトによる、やっと乗れたぞライラック!の一気の爆発に期待してこの印とする。

②ライラック…○
(ただし、馬体重444キロ以下の場合適用)

446キロ以上の場合…△として、金額を下げることとする。



§7.乗り替りのない、悦び

この「経験不足を原因とした乗り替わり劇」というのは、どこの世界にでもあることで、この男も相当にこの洗礼を喰らっている。

鮫島カツマ

昨秋の2歳戦線。デイリー杯2歳Sでは、ジャンタルマンタルで好騎乗をして快勝したにもかかわらず、騎乗した鮫島カツマは、本番の朝日杯では、川田ユウガに乗り替わりでお役御免。「これも仕方のないこと」と本人もテレビ番組で吐露していたのだが、内心は「なんでいい仕事をしたのに降ろされるんだ?」と、言いたいことはたくさんあっただろうし、先週のみやこSでサンライズジパングが追い込んで快勝したにもかかわらず、次走のチャンピオンズカップは、また武豊に戻るそうな。相変わらず「つなぎの便利屋」として重宝されていることは変わりない。

2年前でも、乗り替わった神戸新聞杯を勝ち、菊花賞でも外枠⑰番ながら3着に持ってきたジャスティンパレスだが、有馬記念では外人・マーカンドに乗っ取られ、つくづく自分の無力さを痛感したことも。

これはもう、叫び狂うのではなく、経験と実績を積むことでしか払拭することができず、「鮫島だったら続けて乗せよう!」と、陣営・馬主に思わせるしかその「解」はない。代打で結果を出し続け、レギュラーを掴むんだ。

そんな鮫島カツマだが、今年は、例年に比べてそんな「乗り替わりの刑」を喰らう頻度がわずかながらだが落ちてきているように思える。3歳牡馬ショウナンラプンタも、青葉賞からクラシック戦線に殴り込み、菊花賞まで完遂。厩舎スタッフと一緒になってミーティングにも臨み、チームの一員として駆け抜けた。まあ、最後は通った馬場を間違えて僅差4着にドボンしたのだが、変な外人に乗り替わりを喰らわなかったのは成長の証と言える。

今回、4月の福島牝馬Sで初めてキミノナハマリアの騎乗依頼を受けたものの、道中、前を走る馬の故障により落馬事故のアオリを受け大きく外に逃避して参考外のレースから始まったこのコンビだが、続く函館の3勝馬クラスでは、得意の道悪競馬もあってゴーカイに快勝。続く真夏の札幌2600mのオープンにも継続騎乗でコマを進めたが3着。「2600mはベストではない」と鮫島カツマはコメントしたが、それでもガマンして3着に持ってきたところが評価され、今回、乗り替わりなくG1に。

捨てる神もあれば、捨てない神も、いたんだ。

キミノマハマリアは、誰もが知る「道悪の鬼」。鮫島カツマ本人も、雨が降って馬場が渋ってほしいと望んでいる。一頭だけ水掻きが搭載されているかのように、湿った馬場をスイスイ駆け抜けるのが特徴で、玄人の馬券ジャンキーたちは「雨が降ったら浮上」だの「馬場が渋ったら買いたい」というコメントがとても多いのだが。オラは違う側面に魅力を感じている。

検索条件:鮫島カツマの芝2200mの重賞全成績

【1.0.4.5】 単勝回収率110% 複勝回収率130%

鮫島カツマが芝2200mの重賞にトライすることに、大きな可能性を感じている。そのくらい、2年前のジャスティンパレスでの神戸新聞杯制覇は、彼にとってひとつの根幹となる大きな勝利であり、これがあったから、菊花賞でも3着に持ってこれただろうし、これがあったから、2年後の同じ中京芝2200mの神戸新聞杯でも、ショウナンラプンタに○を打つことができ、高回収ロォン!ができたもの。

札幌で3着に負けた時につぶやいた「2600mはベストではない」。
残念ながらその言葉の先には続きはなかったが、これがもし「2200mくらいだろうなぁ…」というのが鮫島カツマの腹心にあったとすれば、人馬とも最も得意な距離を、乗り替わりを喰らわずにまた騎乗できること。ここに大きな意義と可能性を感じていて、もはや雨が降ったらとか条件的な印で重い印を打つとかは違う。そんな気がしている。

なので、雨でも晴れでも、鮫島カツマが芝2200mでキミノマハマリアに継続騎乗できるだで、◎を打てる価値は十分に見出すことができ、雨が降ったらむしろ全国の穴馬好きがみんな飛びついちゃって単勝35倍が20倍に落ちてしまうので、むしろ腫れて乾いた馬場をキープしてもらいたいと思っているくらいだ。

⑨キミノマハマリア…◎

昨年のリピーター狙いとして重い印を打った○ライラックや▲ハーパーは、「馬が旬ではなくなっている」というリスクはつくのだが、この◎キミノマハマリアはその懸念はなく、間違いなく今が旬。

6年目菅原アキラも、7年目西村アツヤも、今年ついにJRAのG1・初制覇。どんどん後輩に先を越されている10年目の鮫島カツマ。俺もそろそろと悠長に順番を待ってばかりはいられない中で、乗り替わりを喰らわなかった◎キミノマハマリアの継続騎乗は千載一遇のチャンス! 潤沢な芝2200mの重賞経験は、この舞台で花咲くための布石と考える。

先週のみやこSで8か月ぶりの重賞を勝ってノリノリではあるものの、秋の京都の芝の重賞では、ショウナンラプンタの菊花賞で馬場読みを間違えたり、ファンタジーSの1番人気・カワキタマナレアで展開を読み間違えてドボンさせたりと、まだまだ不完全燃焼でストレスは満期! ここでその汚名返上の時!



§8.まとめ

◎⑨キミノマハマリア
○②ライラック
▲⑭ハーパー
☆⑦レガレイラ
△①⑧⑬⑰


G1の舞台。それゆえ、より経験豊富なウデの高いジョッキーへ。
この気持ちは解るところだが、それを克服しない事には、若いジョッキーに明るい未来は訪れない。

今回、乗り替わりを喰らわなかった◎キミノマハマリアの鮫島カツマに加え、念願の○ライラック騎乗が叶った石川ユキト。そして、すっかり「攻める騎乗」「主張する騎乗」が楽しくなった最終解脱した武豊の▲ハーパーと、この舞台に立ち向かうにあたり「イキイキしている3人の男」として、2200m適正潤沢な3頭に◎○▲の重い印を打ち、末脚だけが自慢の傷だらけ3歳馬レガレイラを☆としてこの4頭の馬券を厚目に。

しかし、願うは鮫島カツマのJRA・初G1制覇。
たとえ雨が降らず乾いた馬場であってもオラは能動的に狙いたい。雨が降ったら配当は安くなるけど「魚群」舞うボーナスステージという感覚で臨む。


まあ、降らなさそうな感じですね。それはそれでいいです。
今、日本全国の馬券ジャンキーが「降ったらマリア」のが五万といる中で、「なんだよ、降らなくてもマリア様か~~い!」という痛快な結末で全国の阿鼻叫喚も、これまた見もの。

単勝・複勝 ⑨
馬連・3連複BOX ②⑦⑨⑭(本線)
馬連    ⑨-①⑧⑬⑰(おさえ)
3連複   ⑨-①②⑦⑧⑬⑭⑰

(しかし、○②▲⑭の馬体重如何によっては、買い目を変更することもあります。あくまで「調理の一例」としてご参考ください。)

それでは、よいエリザベス女王杯をっ!

ちなこさん、ちゃんと複勝にしましょう! 
(…って、こんな13000文字、最後まで読まないか。。。)


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喫茶ラムネとバイトリーダーN
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