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【☆73話☆】10/13京都11R・秋華賞(バイトリーダーN)
3歳牝馬三冠のラスト。それでいて3日間開催の真ん中にあるG1であり、コラムを書く側からすれば「殺す気か!?」とわめき散らす過密日程ですが、みんなで楽しくこのレースを推理でき、ロォン!にたどり着けるのであれば労など惜しみません! 是非ご覧ください! #秋華賞
§1.生まれた時代が悪すぎたよ
長期休養の真相。
それは、7月にロケバスで20代のオネェチャンと二人っきりになって、チャックを降ろしてチュパチュパさせたことらしい。
ただ、実際にチャックを降ろしたのかは男なのか女なのか。結構大事なことが明るみにならず、女が一方的に警察に被害届を出したことが着火点。
斉藤には少し前に「社会的前科」があって、残された点棒はもう8000点を切っていて、まだ回復しきっていない状態のところに、親っパネインパチを振ってドボン。この間の悪さから吉本興業からゲームオーバーを突きつけられ、もう芸能界という卓には上がれなくなってしまった。
どうせドボンになるんだったら、チュパチュパだけでなく奥までズボスボしたかっただろうに、どうやらそれは時間がなくてできなかったようで、今頃それを悔いているのだろうか?
それでもオラは、なんか「気の毒」という感情がある。
ホントにロケバスで彼主導でグイグイ女に詰め寄ったのかなぁ? 根拠はないがすこし疑問なのだ。
やらかしたのは、失点したのは男。ドボンしたのはこの男なのだが、なんか「かわいそう」「ハメられたのでは?」と思ってしまうところは、決して男びいきという感情だけではなく、彼の人柄のひとつなのかもしれないと思っている。偏重だろうか?
女は20代のインフルエンサーというが、この女が仕掛けた「ハニートラップ」だったとしたら、仕掛けた女が起爆剤の主演女優賞であり、引っかかった男がおバカさんでかわいそう~となるのだが、それはこの世界独特の罠であり、これで極楽とんぼの山本圭壱もこの一撃で10年アウト。
このハニートラップ。まるで赤ドラのよう。とっとと切りゃいいのに、ついつい持っていたくなって、いざ切ったら大爆死。
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ただ、斉藤の場合、この発覚の後から出てきた「借金して競馬で1億円」については女よりも驚いた。やるなぁ~完全に「自爆」以外の何物でもない。
通常の「借金競馬」とは、銀行のカードローンやクレジット、サラ金をマックス枠まで使いまくって、競馬で負けて返済が追い付かず、自転車操業を繰り返した挙句に資金繰りショートしてドボン→どこかのモーゲージバンクなり生協なりで年14.6%というアホみたいな金利でおまとめローンを組んでいったんはチャラになったと喜んでいたら、またカードローンやクレジットにホイホイ手を出して火に油。とうとう万策尽きて破綻→自己破産。
まあ、これ誰にもメーワクかけていない、自爆100%の自己完結型破綻。オラも若き頃はそんなアリ地獄の一歩手前、それこそ残り点棒は5200点…というピンチもあった。人間、何事も経験しているものは強いし、達観できる。借金競馬はなかなかのスリルとサスペンス。善人面して人に事業資金を貸していながら、自分の事業は火の車。それをなんとも感じなくなって10数年続いたことが、いま強固な二面性も確立できたのかもしれない。(と、いまだから自己正当化してみようか。)
ただ、オラは人から借金して競馬をしたことはない。それはやっちゃダメでしょうという「最後の琴線」と心に決めている。
だから、この斉藤のニュースはここの部分がビックリ。
車内フェラよりも、こっちのほうが大きな問題だと思料する。人から金を借りる行為というのはなかなかエネルギーが要る作業であり、大好きな競馬の為なら人にアタマ下げることを惜しまず、毎度毎度芸人仲間に嘆願しているのだ。これができることがすごくて、プライドが少しでもあるとできない。だから、斎藤には競馬人として、人間としてのプライドは何一つないということが、この「借金1億円」から読み取れる。
これぞまさに「飲む、買う、打つ」3拍子揃った「芸人の鑑」。
昭和の芸人であれば、これがステータスであり、大衆も「アイツは芸人だから…」と誰もが許容する風潮がそこにあった。
ただ、時代は令和。時代は彼を許さなかったんだ。
もはや、「生まれた時期が悪すぎた」とも言えようか。50年前だったら、田中角栄が目白の自宅から故郷の新潟まで高速道路をぶっ通したような、チカラによる無茶苦茶がまかり通る時代ならば、この男もどんなにオネェチャンにチョメチョメペロペロされようが「それも芸の肥やし」と、いたってのびのびと生きていられたのかもしれない。
しかしこの男、とどのつまりただ自爆しただけであって、キャラ的にはなんにも「憎まれて」おらず、憎まれるようなタイプではない。
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周りの芸人達も、その「人がら」「人懐っこさ」に、みんな金を貸せた。
そういう意味では、「得をするタイプ」の部類かもしれないこの男。
芸人仲間から、競馬で借金1億円。
これもそれだけ金を借りられた、ひとつの「信用力」を得られたことは彼の人たらしが生んだ一つの「天賦の才能」。金を貸すということは、もはやそいつにあげたようなもの。返してもらったらまあ儲けものくらい腹で、人は金を貸すんだから。
どこか憎めないクズさが、彼に対しての癒しと慈愛からか、みんな芸人たちはサイフのヒモを緩めたのだろう。
どの時代にも、こういう憎めないヤツっているんだ。
§2.前残りにならない謎
突然だが秋華賞。
この舞台。京都内回り2000m。
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内回りコースを使用。3コーナーにある、高低差3.1mの坂が大きな特徴。向正面から上り、3コーナー途中から下り。基本この下り坂で勢いをつけペースアップ。またコーナーを4つ回るので一定の器用さが必要。
直線は約330mと短めで、坂も無く平坦。冬場を除けば芝質が軽い場合が多く高速決着になりやすい為、スピード・瞬発力が大きな武器になるコース。
普段のレースであれば、スローの前残りが頻発するコース形態であり、オラもこのコースではノーマークの前残り穴馬をよく仕留めてウハウハするボーナスステージ。その昔はモチが粘る粘る!という粘り劇もあったっけ。
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がしかし、秋華賞に限ると、逃げ馬は大苦戦。なんで??
この理由を考察したことがあるか? いんや、なかった。
我々もいつもの「人気薄の前残り、人気馬の差し遅れ」を期待するのだが、過去10年で、2コーナー6番手以内にいた馬は【0.3.4.58】で勝っておらず、複勝回収率も34%と低い。さらにその中でも3番手以内だと【0.2.0.33】で複勝回収率は11%と、全くお金にならない。
それが、秋華賞というレースの特質事項。
ただ、展開面ではない、逃げてブッ潰れている面々にも問題はあると思っている。逃げ馬の「資質」に問題アリなのではないだろうか?
過去10年(阪神開催を除く)のこのレース。逃げた馬はどんな馬だったか? 検証してみる。
2014年(18頭) 良 1000m通過…58.0(H)
逃げ馬…ペイシャフェリス(15着)
秋華賞出走に至る賞金積み上げ…アネモネS1着
2000m好走実績…✖
2015年(18頭) 良 1000m通過…57.4(H)
逃げ馬…ノットフォーマル(15着)
秋華賞出走に至る賞金積み上げ…フェアリーS1着
2000m好走実績…✖
2016年(18頭) 良 1000m通過…59.9(S)
逃げ馬…クロコスミア(6着)
秋華賞出走に至る賞金積み上げ…ローズS(阪神1800m)2着
2000m好走実績…✖
2017年(18頭) 重 1000m通過…59.1(H)
逃げ馬…カワキタエンカ(5着)
秋華賞出走に至る賞金積み上げ…ローズS(阪神1800m)2着
2000m好走実績…✖
2018年(18頭) 良 1000m通過…59.6(M)
逃げ馬…ミッキーチャーム(2着)
秋華賞出走に至る賞金積み上げ…札幌2勝馬クラス(1800m)…1着
2000m好走実績…✖
2019年(18頭) 稍重 1000m通過…58.3(H)
逃げ馬…ビーチサンバ(5着)
秋華賞出走に至る賞金積み上げ…ローズS(阪神1800m)2着
2000m好走実績…✖
2020年(18頭) 稍重 1000m通過…59.4(H)
逃げ馬…マルターズディオサ(7着)
秋華賞出走に至る賞金積み上げ…紫苑S1着
※紫苑Sの勝ち時計2.02.1…スローの2番手からの抜け出し
2000m好走実績…○
2023年(18頭) 稍重 1000m通過…1.01.9(S)
逃げ馬…コナコースト(8着)
秋華賞出走に至る賞金積み上げ…桜花賞2着
2000m好走実績…✖
と、過去10年で8回、京都芝2000mで秋華賞は行われた。
毎回ハイペースの激流となっているワケではないが、8回中5回はハイペースとなり、逃げ馬がタメることなくペース無視でぶっ飛ばしている。
傾向とすれば、この逃げた8頭は、そのほとんどが著しく2000mに好走実績・適性が欠けているということ。これよりも短い距離のレースで賞金を積み上げ、未知の領域2000mでやってみよう!と果敢に挑戦したものであり、2000mをこなせるという根拠に基づいたものではない、いわば「向こう見ず」の逃げを打っていたもの。
唯一、2000m好走実績で○とした2020年のマルターズディオサについても、紫苑Sの勝った内容からすれば、これで2000mの適正が潤沢であるとは言えない内容の勝利であり、その後のマルターズディオサの成績から類推しでも実質この10年は、逃げた馬全員が2000m向きではなかった。最後の牝馬三冠レースだから、出られるなら適正無視で出ちゃおう!それで8着賞金でも咥えてこれたら御の字!くらいのワンチャン見切り発車であることが良く解る。
これが、秋華賞に限って、逃げ馬がお金になっていない本質。
去年の◎コナコーストも、思えばチューリップ賞と桜花賞での、女王リバティアイランドに最後まで喰らい付いた内容を評価して◎にしたのだが、オークスは出遅れはあったものの惨敗し、そこから直行しての秋華賞。これ以上ないスローペースで逃げてヨシッ!とガッツポーズまでしたのだが、直線まるで伸びず馬群に飲み込まれたのは、成長曲線の著しい効果もあったが、やはり2000mの適正のなさによるものが大きく、スピードだけでなく一定のスタミナ・2000m適性が問われるタフなコースであることを、まざまざと痛感したのだった。
§3.どの時代にも、いるキャラ
競馬の世界にも、走っても走っても、なぜか人気にならないタイプはよくいるもので、むかしからそんな馬を「バケンの品格」と称して美味しい思いをすること多々。
そして、それとは少し趣は違うが、逃げると解っていても、誰も捕まえに行かない、後ろの有力馬たちからも
「君は、まあどうでもいい」
「そんなに急かして、わざわざ自分が捕まえに行かなくてもいい」
とついついナメられ、執拗なマーク受けずに、悠々逃げることができる、そんな不思議な「逃げ得」な馬もいる。最近ではパンサラッサや今年のマーメイドSを勝ったアリスヴェリテがそのクチであり、こういう「逃げ得」タイプが走るとなぜだかその大逃げはいつも許容され、ケンカの相手がいなかった。
ただ、この秋華賞については、これまでの傾向から各ジョッキーたちも、いつも無鉄砲のうるさい逃げ馬が引っ掻き回して「ついて行けば潰れる。残れない」とみんな思っていて、これが固定観念として生きている現在。
もはや「異例が通例となっている」秋華賞。
そろそろ「ウラのウラはオモテ」となる時期が訪れてもおかしくない。
先月のローズSでも、単勝11番人気の51.6倍ながら、○を打って3着・複勝950円をロォン!したセキトバイーストも、何度走っても人気にならない「バケンの品格」の資質にあふれていれば、誰も執拗に捕まえてこない「逃げ得感」。これにも溢れている感じがするタイプの馬。G2で2度、人気薄でお金になっている馬というのはこの時期ではなかなかいない。
⑮セキトバイーストは逃げ馬。後ろのジョッキーたちもそれは解っている。では、はたして誰がセキトバイーストを今回、つぶしに行く?
今年はただでさえ頭数が少ない異例の15頭立て。いつもの18頭ではない。
今年の桜花賞・オークスをぶっ壊した逃げ馬・ショウナンマヌエラはもういないし、ローズSで逃げたセキトバイーストを、離れた2番手だが唯一ロックオンし、最後の最後に差し切って2着になったチェレスタだったが、なんと屈腱炎で回避。
いつもの秋華賞によくある事態として想定した、名物・どマイラーによる謎の出走ということで、アネモネSを勝ったことで賞金が足りているキャットファイトがこの2000mで大暴走・セキトバイーストと大ゲンカすることも想定したが、なんとこちらも回避。
と、いつもの秋華賞名物のうるさい奴がいなくなれば、「セキトバイースト警察」のチェレスタまでお休み! 多くない頭数も含めて、何気にこの事態に気付いている馬券ジャンキーはそれほど多くない。
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では次に2番手にいそうなのが関東馬・クリスマスパレードなのだが、この馬もマイペースの2番手で紫苑Sを勝利したのであって、逃げるイゾラフェリーチェを執拗にマークしたワケではなく、勝手にイゾラがタレていったもので、別にクリスマスパレードはイゾラ警察でも何でもなく、本番でもいざ「セキトバイースト警察」を命じられたとしても、「いや、俺は俺だし」とその役をおおせ司ることはないだろう。セキトバイーストの離れた2番手で後ろを人気馬たちを警戒してフタをする可能性大。
前のセキトバイーストより、後ろのステレンボッシュやチェルヴィニア、また自分の命を狙おうとしているミアネーロに目がいき、自分の仕事に手一杯。
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それでも今年、「いつもの秋華賞」に、うるさいやかましい乱ペースになるかい?
それでいて、みんなセキトバイーストだけが、確実に逃げると解っている。しかし空気感は、そのコース形態に反して逃げ残りが起きにくいレースと、一定の概念が、いま毎年起こっている「飽和感」となって塗れている。
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では、そんな逃げ馬が秋華賞でお金になるか否かの最大のカギ。
それは前セクションで述べた「2000mへの適性」なのだが、この⑮セキトバイースト。
デクラレーションオブウォー産駒は、左回りのローズSでは確かに好走したけれど、左回りより断然右回り。それゆえ中京→京都はプラス要素。
代表産駒・トップナイフが輝いたのが中山のホープフルSであり、昨年のあっと驚く2着となった札幌記念。どちらも右回り。
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さらに、ローズS3着で安堵した鞍上・藤岡ユースケは「距離には不安はありましたが、2000mをこなせたのは良かったです。」と、控えめなコメントをしたが、
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なんだ? デクラレーションオブウォー産駒は2000mが断然ではないか? いちばんお金になっている。何を言っているんだ藤岡ユースケ?
セキトバイーストは前走の中京2000mで逃げを打ち、2度の坂越えも克服して3着。そんな2000m実績を見せたセキトバイーストが、今度は直線坂のない右回りの2000mを、中京ローズよりも難なくこなせるのは割と容易く想像できる。
なのにこうして藤岡ユースケ、次に備えてなのか、控えめにシャミを使うところはなかなかの円熟味があるところ。
と、チカラは持っているのに、その「憎めないキャラ」。仮に一頭にぶっ飛ばしてスイスイ進んでも、後ろは「はいどうぞ、いいから行けよ!」。
みんな解っているけれど、なんだか甘やかしてしまう奴。
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それが、ジャングルポケット斎藤であり、そしてセキトバイーストなのかもしれない。なんか知らないけれど、憎めない。
令和という時代が悪かったために、逃げ切れずアウトになった斎藤。
一方、飽和という時代に乗じて、普段は逃げ切りや逃げ粘りも許されない舞台で、セキトバイーストが逃げ粘っちゃって、またお金になる。
きわめて同じキャラでありながら、時代の違いによってこれだけ結果が白黒真逆となる悲劇と喜劇。オラは、この相似形でありつつ相反する結末の妄想に滑稽さがこみ上げている。
まあ、馬券ジャンキーが全国に1千万人いたとして、
「ジャングルポケット斉藤 ≒ セキトバイースト」
ここに比喩を感じる人間は、それほどいないのかもしれない。いいとこ10人くらいか? しかしいま、オラはそれをギンギンに感じている。
さらに、引いた枠順が大外⑮番。
ここでガッカリ…というのが応援団とすれば普通に思い、「まあ、大外といっても⑱番じゃないからいいか…」と無茶苦茶な自己浄化をするのがオチなのだが、今回大外枠⑮番をひいたことによって、ますます周りが哀れみの目となり、笑い者となっている現状。
「あぁ…もう勝手に逃げてくれや。大外だし、どうせ勝手に距離ロスして潰れんだろ?」
と日本中のノーマーク度が強くなるとともに、ジョッキーのマーク度もさらに緩くなる、そんな特殊効果がこの大外枠にはあるような気がしている。
変に1枠①番引いて「行かせるとやべぇ」と警戒されるよりも、この大外⑮番は、さらなる放置プレイを助長。
今回ばかしはこの大外枠、プラスに作用するような気がしている。
これぞ、逆転の発想。
と、ここまで論拠したら、もう◎でいいではないか?という意見もありそうだが、ここはローズSと同じ印でベロッ!と逃げ残り、複勝またこんなついちゃっていいんですか!?という結末を期待してこの印とする。
⑮セキトバイースト…○
§4.ランニングフォーム研究所
こんなタイトルの番組名が、数年前にグリーンチャンネルでオンエアされていた。辻三蔵の慣れないあわただしいMCが印象的だったが、Googleの検索でも何一つ出てこないのが、いかに市井に浸透しなかった番組かが窺えるところ。
しかし、競走馬のランニングフォームにスポットを当てた予想スタンスは、時に大きな配当を呼び起こすこともある。
競走馬の走法を大別すると、
・ピッチ走法
・ストライド走法
に二分するところだが、前者のピッチ走法は、脚の回転数の多さを活かして、半径の小さい小回りコースでより加速できるメリットがあることから、この京都芝2000mは、ピッチ走法の馬にとっては大変有利なコースとなる。
「皆が飛びつく穴馬」ではあるが、オークスは5着で、爆死ペースの絶好位追走と普通だったら一緒にタレて大失速するも、もう一度盛り返して掲示板に載った⑪ランスオブクイーンは、このピッチ走法の際立つ馬。
映像はないのだが、初勝利となる4月の京都・芝2000mの4コーナーで見せた推進力は、これぞ「ザ・ピッチ走法」であり、ピッチ走法の代名詞的馬であるドリームジャーニーの、2009年宝塚記念の4コーナーでの押し上げる脚の再来を見ているようであった。YouTubeにもないことから、JRAレーシングビュアーで見られる方は、ぜひ一度このランスオブクイーンの京都芝2000mの未勝利戦を、一度見て頂きたい。ものすごい推進力。
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このランスオブクイーンの3~4コーナーの脚は、素人目で見てもものすごい脚の回転数で、左手前で外側から左前脚を蹴り込んで加速しているのだが、直線に入るとすぐざま右手前になおして再加速。この「おりこうさん」ぶりが決め手となり余裕しゃくしゃくのゴール。この直線に入ってすぐの手前の替えられる融通性、替えてからの伸びはこの時期の牝馬ではできるパフォーマンスではなく、京都内回りを走らせれば重賞・G1でも通用するのでは?と予測させるには十分で、「あーこれ秋華賞出てきたらドンピシャぢゃね?」。と春に直感。秋華賞のVTRを半年先に見ているような感覚に陥った。
隊列的にも、○⑮セキトバイーストがハナを取り切り、2番手のクリスマスパレードがフタをするその直後の3番手につけるのが⑪ランスオブクイーンと推測。位置取りは文句ない。
オークスで掲示板に載った1.2.4.5着が今回出走するが、そのうち最も4コーナーの位置が前だったのが5着のランスオブクイーン。しかし、チェルヴイニアをはじめとして、長い直線でより推進力を発揮する「ストライド走法」の馬に負けて5着となったのだが、今回はオークスと同じ前目の3番手でも、⑪ランスオブサターンは、小回りコースでのピッチ走法を活かして小気味よく位置を上げ、4コーナーで後ろを突き放せる「武器」を持っている。勢い衰えずそのままに、短い直線をまた手前を替えてスピード落とさずにゴールできる算段。
この特殊な小回りコースだからこそ、ピッチ走法で捕まらずにそのままゴールに駆け込める映像しか出てこない。
前走の夕月特別は3着。トライアル気分で80%の仕上げでも勝つと睨んだ川田ユウガの珍しいエラー騎乗。スローペースとイン残りの中京の特殊な渋った馬場によるポカであり、ここを勝たれて持つと人気が出るよりもむしろありがたい。それでも穴人気はしているのだが。
⑪ランスオブクイーン…◎
§5.買いたい馬が…
どこのG1予想でも、よく「全頭診断」とかやる。ときに展開次第でオラのG1コラムでもやるときもあるのだが、今回は飛びぬけて買いたいと思う馬がこの2頭しかいない。
△チェルヴィニア…その血統背景から左回りの東京で渾身の◎を打ったが、右回りの小回りがベストとは思えない。兄ノッキングポイントも右回りは人気ほど走らないまま故障して引退。毎度毎度のルメールさんだが今回はスキあり。来たらしゃーねぇと腹括れる。
△ステレンボッシュ…最終追いの動きがイマイチ。ミアネーロの動きが素晴らしすぎるからなのか、「能ある鷹は爪を隠す」で敢えて本気を出さなかったのかは不明だが、お世辞にも万全とは言えない動きに「?」
△クリスマスパレード…今回、◎○2頭が羽ばたく上で最高のキーマン。この馬が○セキトバイーストを深追いせず、フタをすればするほど、歓喜できる確率が上昇。展開面より前残りでこの馬も馬券圏内の可能性アリ。見た目のタイムで人気はするが、前走の中山は3秒以上速いウルトラ高速馬場。
△ミアネーロ…一瞬の脚は小回りコースのここではドンピシャでハマる、ヴィヴロスのような競馬は可能。馬券圏内も十分。ステレンボッシュよりはるかに状態は良い。
△タガノエルピーダ…ローズSで◎を打つも、ずっとインの伸びない馬場に閉じ込められての4は評価。見直せる。
△ウイーンズウォーク…どうしても人気のステレンボッシュ・チェルヴィニアを意識して中団で様子を見る川田ユウガ。
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このトップ3の戦い!と3人が意識しすぎて誰も自分から仕掛けられず、道中硬直していううちに、○セキトバイーストと◎ランスオブクイーンが突き放しているという読みだけに、若干のオッペケペー結末に期待して△まで。
§6.まとめ
◎⑪ランスオブクイーン
○⑮セキトバイースト
△②③④⑤⑬⑭
前残りがまず決まらないと言われる秋華賞。トリッキーコースゆえ、みんなが道中早仕掛けで潰し合うからこの傾向にあると見られているが、その本質は2000mに適性のない、賞金の足りている馬たちが、色めきだって早仕掛けをしているゆえの乱ペースであり、毎年フルゲートとなりそんな無鉄砲が2~3頭現れてペースをかき乱していることがその要因。
しかし、今年は初の15頭立てとまず頭数が落ち着いていて、2000mに適性のない馬は誰もいないという特異年。
それゆえ慌てなくとも2000mはこなせるという各ジョッキーの腹が今年は乱ペースを作らず、逃げる○セキトバイーストに対しても、大外枠を引いてしまった慈愛10%を込めて「ほう、行くなら行けば?」とどこか憎めないジャングルポケット斎藤を扱うような許容ムードに。
2番手のクリスマスパレードも深追いすることなく後ろの人気馬たちの腕が動くタイミングにロックオン。1200m通過は、逃げているのに全然大逃げになっていない1分12秒を超えるダイワスカーレットペースに。
のこり800で「前に起こるちいさな異変」に気づいたときには、○⑮セキトバイーストと、3~4コーナーで驚異の推進力でピッチ走法全開の◎⑪ランスオブクイーンがスパート開始。ワンテンポ遅れた有力人気馬たちは届かず最後までこの差を縮めることができずゴール。
15頭といつもより落ち着いた頭数と、各メンバーそれぞれが持つ2000mへの対応力。これこそがいつもと違う秋華賞。今年独特のこのオッペケペー結末を呼び込むと見ていることから、買いたい馬は◎○2頭しか、いない。
単勝・複勝 ⑪
複勝 ⑮
馬連・ワイド ⑪-⑮(本線)
馬連 ⑪⑮-②③④⑤⑬⑭(おさえ)
3連複 ⑪⑮-②③④⑤⑬⑭
ここからほぼ毎週続くG1コラム。この2頭で10000文字クリアしてしまいました。。。今回はおとなしいと思っていたのに、ついつい。
3日間開催の真ん中のG1コラム。前後に土曜・月曜コラムがあって、さらに千直競馬も2本、しまいにゃ南部杯。レベル50初の国内G1も、眼のHPも程よく考えて大暴走せず、このくらいにしたいところです。どうかご容赦ください。
それでは、よい秋華賞をっ!
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