公衆トイレ2
Q1:うわあーこんな時に腹の調子が・・・。
どこかに公衆トイレは・・・あ、あったあった!!
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(バタン)
Q1:ふうーよかった~間に合ったあ~。
Q2:(コンコン)
Q1:入ってまーす。
Q2:あ、失礼しました。
Q1:・・・・・・。
Q1:うーん腹痛が治まらない・・・。
Q2:(コンコン)
Q1:・・・・・・。
Q2:(コンコン)
Q1:・・・・・・。
Q2:・・・留守か、出直そう。
Q1:うわあ・・・居留守しちゃったよ。
後々めんどくさいんだよなあ・・・。
Q2:(ドンドン)
Q1:入ってまーす。
Q2:(ドンドンドン)
Q1:どちらさんですか・・・?
Q2:・・・あたし。
Q1:ああ、キュウ子か。今開ける
Q2:いや、いいの。そのまま聞いて。
Q1:・・・??
Q2:・・・もう、終わりにしたいの。
Q1:・・・・え?
Q2:・・・さよなら。
Q1:・・・・・・。(ジャアアアア・・・)
Q2:(ドンドン!!)
Q1:入ってまーす。
Q2:(ドンドン!!)おい頼む開けてくれ!!
Q1:どうしたんですか?
Q2:頼む!!早くそっちに入れてくれ!!
早くしないと・・・殺されちまう!!
Q1:なんですって!?
Q2:お、おい早く!頼むよ!!
Q1:わ、分かりました!!
Q2:(ガチャッ)ハア、ハア、ハア・・・!!
Q1:ちょ・・・血だらけじゃないですか!!
Q2:ハア、ハア、ハア・・・・!!(ガクッ)
Q1:は、早く応急処置をしないと!!
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Q2:・・・・ん??
Q1:気がつきましたか。
Q2:すまん・・・どうやら眠ってしまったようだ。
Q1:手当てはとりあえずしておいたから。
ちょうどいいペーパーがあったんで。
Q2:そうか・・・すまない。
Q1:・・・一体何があったんです?
Q2:・・・いや、
特にたいしたことじゃないんだが・・・。
Q1:ウソだ!!
あの時あんなに取り乱してたじゃないか!!教えてくれ。
Q2:・・・長くなるぞ、話すと。
Q1:・・・構わない。
Q2:・・・・そうか。
Q1:・・・・・・。
Q2:実はな・・私は昔、
刑事として生きていた時期があったんだ。
Q1:・・・刑事だって!?
一体元刑事なんかがこんなとこに何のようだよ!!
Q2:おい落ち着け!!
Q1:警察なんてだいっ嫌いなんだよ!!
警察なんか・・警察なんか・・・!!
Q2:・・・そうか、無理もない。正義のための警察も、
いざという時には何もできないただのダメ組織だからな。
Q1:あ・・・すまない取り乱しちゃって・・・。
Q2:構わんよ。
俺の弟も・・・すぐにカッとなる性格だった。
Q1:・・・そう、なのか・・・。
Q2:話を戻そう。
俺はずっと数々の容疑者を逮捕しまくっていたんだ。
Q1:・・・・・・。
Q2:だがずっと刑事をやっていくウチに・・・
一つの大きな事件が起こってしまったんだ。
Q1:大きな事件?
Q2:・・・誘拐事件。
Q1:・・誘・・・拐?
Q2:その誘拐された人間が・・・俺の、俺の弟だったんだよ。
Q1:・・・な、なんだってえええ!?
隣人:さっきからうるせえぞコラァ!!
Q1:す、すいませーん!!
Q2:・・・・・・。
Q1:・・・・・・。
Q2:・・・おそらく俺の弟だということを
知っておきながらの犯行だったんだろう。
Q1:そんな・・・
そんなのひどすぎる。(ウォシュレットの音)
Q2:・・・私は気が狂いそうになったよ。
だがな・・・あの時、俺はすかさず決めた。
自分の手で弟を救い出すことをな。
Q1:(ウォシュレットの音)
Q2:私は敵のアジトへ乗り込んだ。
だがそのときには・・・もう弟はいなかった。
Q1:ま、まさか・・・?(停止音)
Q2:おそらくどこかに監禁されてるかもしれない。
私はその後・・・まっ先に警察を辞めた。
弟を見つけるために情報収集をしているんだ。
Q1:そうだったのか・・・
あ、もうこんなに外が暗くなってるじゃないか。
今日はもう遅い。ここでゆっくり泊まってけ。
Q2:すまないな。
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Q2:ん・・・もう朝か。
Q1:グッスリ眠れたみたいだな。
Q2:あ・・・おはようございます。
Q1:腹が減っているだろう。朝飯を作った。これでも食べろよ。
Q2:あ・・・ありがとう。(ムシャムシャ)
Q1:はっはっはっ、そんなに早く食べたら喉を詰まらせるぞ。
Q2:いやあ、久々のカレーライスだったんでつい。
Q1:まあ食欲があるということは元気な証拠だ。しっかり食べなさい。
Q2:ごちそうさまでした。
Q1:おそまつさんでした。
Q2:・・・・・・。
Q1:・・・ところで、この先どうするんだ?
Q2:・・・トイレを貸してほしい。
Q1:・・・それはできない。
Q2:どうして!?
Q1:今のアンタにはまだ早すぎる。
そのケガじゃともかく、とにかく今俺が使用中だ!!
Q2:頼む!!
弟を捜しに行くまえに、一回トイレと関わっておきたいんだ!!
Q1:・・・・・・。
Q2:・・・頼む。
Q1:・・・・・・。(カラカラカラ・・・)
Q2:・・・・・・。
Q1:・・・できるか?(ジャアアアア・・・)
Q2:・・・うん。
Q1:・・・チャンスは一度だけだぞ。
Q2:分かってる・・・じゃあ早速
Q1:待て!!静かに!!
Q2:!?
Q1:この建物に誰か入ってきた・・・!!
Q2:!!
『コツ・・コツ・・コツ・・・』
2人:・・・・・・・。
『コンコン』
2人:入ってまーす。
『ちわーっす宅急便でーす。ハンコお願いしまーす。』
Q1:あ、はーい。(ガチャッ)
『騙されたな!!見つけたぜキュウジさんよお・・・。』
Q2:お、お前は!!なぜ俺の居場所を!?
『隣の住人が教えてくれたぜ。トイレットペーパーがなくて困ってたから
たんまりくれてやったらすぐに吐きやがったぜ!へっへっへ!!』
Q2:な、何だとぉ!!
Q1:誰だこの男は?
Q2:コイツはなあ昨日俺のことを消そうとした、
俺の弟を誘拐した組織の幹部だ!!
『おいそこのオッサン、とっととそいつを渡してもらおうかぁ。』
Q1:・・・断る。
『何ィ!?』
Q1:コイツはなあ・・・今トイレを借りなければならないんだよ。
Q2:お前・・・!!
『何ワケの分かんねえことほざいてやがるんだよ!!』
Q1:あ、あんなところにパトカーが!!
『何!!』
Q1:今だ!!今のうちに早く逃げるんだ!!
Q2:え!?
Q1:そこのトイレの隣の床に外へ通じる通路がある!!
それを使うんだ・・・!!
Q2:分かった!!うわあ、狭くて入れないぞ!!!
Q1:ほふく前進の体制で入るんだ!!
Q2:わかった・・・・・すまない!!(ガチャッ)
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Q2:ハア、ハア、ハア・・・・!!
(ピカー)
Q2:うっ・・・・まぶしいっ!!
(ピカーー)
Q2:(ガチャッ)
Q2:・・・・・・。
Q2:ああ・・・きれいだ・・・。
その時 目に映った 空の色は ただただ 青かった