山本憲吾さんが来てくれた!
今年最初の寒波が来た週末、遥々長野県から元VC長野トライデンツのリベロ山本憲吾さんに来ていただき、個人レッスンを受けた。指導方法やアドバイスなどは企業秘密だったりするかもしれないので詳しくは書きません(バレーわからないから書けないとも言う)が、とにかく長男が楽しかったみたいですという趣旨の日記である。
この日、長男が山本さんと出会った瞬間や練習の冒頭に私は立ち会っていない。次男と共に遅れて体育館に足を踏み入れた時、既にふたりで楽しそうに身体を動かしていた。まだボールは持たず、アップの段階だったけど優しい言葉で長男に語りかけてくれるお兄さんとは早々に打ち解けたようだった。何より、前日にYouTubeで山本さんを見ていたらしく、初対面の緊張がなんとなく軽度になっていたことも原因かもしれない。現代っ子バンザイ。次男に関しては人懐っこさにかけては他の追随を許さないレベルなので、あっと言う間に練習中のふたりの間を走り抜けるほどにリラックスしていた。
VC長野での現役時代はリベロだったとのことで、長男はレシーブやオーバーの基礎を教えていただいていた。「硬いボールだとオーバーパスがなかなか飛ばないんだ。山本さんが来たら教えてもらいたい」と言っていたのをご本人にうまく伝えられている感じはなかったが、練習は本人の希望通りパスの基本だったので嬉しそうな表情を浮かべていた。普段のジュニアの練習では、聞きたいことを聞いてやりたいことをやれる時間はなかなか無いので、じっくり教えてもらうという体験は貴重なもののようだった。また、休憩中にはご自身の経歴をお話ししてくださった山本さん。小学校の頃、お母さんの練習について行ってバレーをしていたこと、中学校にバレー部がなく友人たちとバレー部を作ったこと。そんな経歴から動画でいつもひとりで裸足でバレーをしている長男を見て気にしてくださっていたようだ。ボール遊びの域をでない、練習動画とはまた違うタイプの動画に心を寄せていただきありがたいなと感じた。
どんなものにも限りがあるように楽しかった時間にも終わりが近づく。自分とバレーボールをしてくれる大人が大好きな長男は永遠にこの時間を続けたいだろうが、そうはいかない。さよならの寂しさを知る長男は練習終了後ぽろりと泣いた。え!?何をそんなに泣くん!?と心無い言葉を思った私とは違い、山本さんはそんな長男を優しく慰めくれた。さらに何故か山本さんをドツきながら用具室に押し込む次男に対しても笑顔で用具室に消えていってくれる神対応だった。
最後にはしっかりと長男の目を見ながら、幼い頃は人に笑われた"バレーボール選手になる"という夢をずっとあきらめずに持ち続けた話をしてくれた。真っ直ぐに山本さんの目を見つめて頷く長男の心にはしっかりと響いたようだ。体験は経験になる。この先、長男の夢が今とは違うものになっても夢が叶わなかったとしても、様々な人、特に自分の"好き"を理解してくれる人たちと出会い、体験したことや経験値は消えることはないと思う。私や旦那(脱松葉杖しました!)は、ジュニアバレーの練習に不満があるってほどでもないし、絶対にバレーボールを続けさせたいともバレーボール選手にしたいとも思っていないし、興味の対象が他に移ればそれはそれでアリというタイプの人間なのだが、これからも長男の(いつかは次男も)好きなものを思いっきり楽しんでいる姿を見ていたいなと思っている。