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霊山尺間嶽本宮秋季大祭

【現役産婆うっしーの神官見習い日記.26】

前回の投稿からなんと3か月が経とうとしているなんて
ホント光陰矢の如し。

だいぶな時差投稿です~(^^;

さて、先月9月22に大分県佐伯市の霊山尺間嶽本宮において

台風並みに降りしきる雨の中、秋季大祭・除難・鎮火祭が執り行われました。

【秋季大祭、除難・鎮火祭ってどんなお祭り?】

今回私も初参加ではじめて知ったのですが、

除難・鎮火祭の意義としては
古事に基づき、鎮火祭では、ホノカグツチノカミの火の力を鎮め、
火災から私たちを守る祈願が行われます。

そして除難祭では、火災のみならず、様々な災難や厄を取り除くために祈ります。

私たちの生活が平穏であるよう神々に感謝し日々の無事を祈る重要な祭りとされていて、昔から日本に伝わり皇室でも行われている神事なんだそうです。

尺間山の除難・鎮火祭は2部構成になっているとのこと。

ご神事中に護摩祈祷がされるのですが、
1部めは昨年1年間の講社員の皆様の名札を火に投げ入れ、ご真言を唱えながら様々な災難や厄を取り除き、神様に感謝して日々の無事を祈るお祭りが行われます。

除難護摩祈祷


そして2部めが、鎮火・火伏せの儀式。


と、ここで質問です。

神様にはいろいろな得意分野があってそれぞれ、水の神様や土の神様、芸能の神様や武闘の神様など特徴がありますが、

尺間山の主祭神「ホノカグツチノカミ」は何の神様だと思いますか?


正解は「火」の神様です。

ホノカクヅチノカミの神話は古事記にも少し触れられていますが神話についてお伝えしておきますね。


ホノカグツチノカミとミヅハノメノカミ
古事記に登場する火の神、ホノカグツチノカミは、最後にイザナミから産まれたと言われていますが。実はそのあとにも神々を生んでいるとの説もあり…


ホノカクヅチノカミの出産の際、イザナミはおまたを大やけどしてしまったことが原因で亡くなってしまうのですが、

父神であるイザナギの逆鱗に触れ、父親に討たれてしまったという悲しい経緯があります。


ホノカグツチノカミは火の神としての霊力が非常に強く、強すぎるあまり、その力が人々の生活に脅威をもたらすことがあるため、


イザナミは火の力を制御し荒ぶった御霊を癒すため、
やけどに苦しみながらも水を司る女神、ミヅハノメノカミ(弥都波能売神)を産みました。

ミヅハノメノカミは川や海、雨など生命の源である水を支配し、火の猛威を鎮める役割も担っています。



水の神と土の神の協調作用(ひょうたんと川菜、土の役割)
伝統的な火祭りや鎮火の儀式では、護摩の炉にひょうたんを使って水を入れたり川菜(水草)をくべて水の精霊やミヅハノメノカミの加護を祈る意味があるそうですが、その他にも火の勢いを鎮めるために土をつかうこともあるようです。



土はハニヤマヒメ(埴山姫神)が守護していて、ハニヤマヒメもミヅハノメノカミと同じタイミングでイザナミから生まれ、火災や災難を大地が吸収して抑える力を持っているとされています。


土を投げ入れることでハニヤマヒメが火を受け止め、火と水の間に立つ存在として、災いを防ぐための大地を加護していただいているということなんですね。

柄杓に瓢箪をあしらってあります

尺間山の鎮火祭でも宮司が瓢箪(ひょうたん)に入れられた水を炉に入れ、そのあと川菜(水草)と土をくべられていました。

川菜と土を炉へ投入


護摩焚きの火が燃え尽きた後、残る灰や炭は大地に戻されます。

これは土が火の力を受け入れ、再び自然の循環に戻す行為として解釈されます。

尺間山でも祭式終了後の灰や炭をお持ち帰りいただけるんですよ。
まだ灰や炭が熱いので、冷ましながらお持ち帰りいただきます。


お庭の土に混ぜて埋めていただくと火災除けのお守りになるとのこと。
当宣教所にも少しいただいてきておりますので欲しい方はメッセージくださいね。(着払いでお譲り致します)


火の神ホノカグツチノカミ、水の神ミヅハノメノカミ、そして土の神ハニヤマヒメが互いにバランスを保つことで、自然の調和が生まれます。


秋期大祭・除難・鎮火祭は
火災や災難から守られるだけでなく、農業や日常生活においても収穫の秋に豊穣と安定がもたらされることを祈念するご神事であるということがわかりました。

色々と勉強になります。
夜中には、
なんと0時~みっちり2時間の特別講義(神職に就くにあたりの心構え)
をいただき、
鼻血が出そうになるほど
深い学びをいただきました。

感謝です。

今日もお読みいただきありがとうございます。
また 書きます!


【ワンポイント解説】
ひょうたん(瓢箪)は、日本の伝統的な器で、液体を入れる容器として古くから使われてきた。
水を貯める象徴的な道具でもあり、ミヅハノメノカミの力の象徴とされ、災いを鎮め福・繁栄をもたらす縁起物とされている。

水草かわな(川菜)は川や湖に生える植物であり、その名の通り「水」を象徴している。火を穏やかにし自然の調和や生命の再生を願う。

土の神ハニヤマヒメは、大地と土を司る神
ホノカグツチノカミの母であるイザナミが亡くなった後に生まれたとされている。
名前に「埴(はに)」が含まれ、粘土や土を意味する。
古代の人々にとって、粘土や土は陶器や建物の材料として、また農耕に欠かせない要素であったため、ハニヤマヒメは大地の恵みをもたらす豊穣の神として崇められている。


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