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震える短編

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読んでみて震えた短編小説を集めます。
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#ショートストーリー

どうしようもなくて・

どうしようもなくて・

「分からないな。どうしてこういう事しかいえないんだ?」

「私も言いたくないわ。こちらが言いたくないことを言わせてるのよ。分からないの?」

 茂之は車の鍵を取ると私の顔も見ずに外へと飛び出した。

「しばらく戻らない……」

 私が見てしまったことから疑心暗鬼な毎日が始まってしまった。

 洗面の鏡の向こうでスマホを見ながら、見たこともないような笑みを浮かべているので、また犬か猫のかわいい画像だ

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