2024琉球大学 入試問題 二次試験化学解答解説
既に各所で解説も出ていますが、琉球大学2024の解説もやっていきたいと思います。
問題などはこちら。
では見ていきましょう。
【1】溶存酸素濃度・光合成
基本的な問題なのでしっかり解けないといけない。とはいえ、溶存酸素量(酸化還元)についてだけでなく無機の話題もいくらか含んでいるのでしっかり確認しよう。
後半の光合成については若干知識問題ではある。問題作成者の、環境に興味をしっかり持ってほしいという気持ちが見える…
【2】A 有機(エステル・セッケン)
ココも基本的な問題。反応式を書くのは少し大変。覚えるのは得策ではない(出題頻度が高くないため)。電子を用いた反応式を推測して書けるように、練習しておくといい。が、思い浮かばなければ後の計算などもないので飛ばしてしまおう…
私の昔のヤツです、ベースはこれで覚えていなくても反応式つくれるはずです。
セッケンについてはがっつり記述がある。字数制限に気を付けながら、ポイントになるフレーズを入れよう。(疎水基、乳化作用、など…)
【2】B 油脂(けん化価・ヨウ素価)
序盤の油脂の計算は難しくはないが、ステアリン酸の284やラミパスを覚えておけば早い。共通テストでも使えるので早めに押さえて損はない。
ってのが問題文中に与えられずにいきなり聞かれるのは少し慌てそう。
実際与えられることが多いが、こういうこともあるので問題を解きながら定義をしっかり覚えておきたい。
こんなのもぜひやってみてね
【3】熱・混合気体
難易度的には共通テストよりも易しいゾーン。パーフェクトに解きたい。
記述の文字数制限がかなりきついのでこれくらいしか書けない。となると出題者が書いてほしいキーフレーズをちゃんと入れているかがカギになるので、あいまいな人は教科書の記述を読み直そう。
混合気体も基本的。最後の問題は体積・温度が変わらないので圧力比=mol比として計算することができる。うまく使おう。
【4】無機(15族・オストワルト法・カルシウム)
序盤は15族、AsやSbが出てきて一瞬ビビるが、よく見る沸点のグラフを冷静に思い出そう。(思い出せない人は必ず確認してください)
オストワルト法の式は全部覚えているに越したことはないが、計算するだけなら「アンモニアを酸化して硝酸と水をつくりたいよ」という基本コンセプトを式にするだけ。これだと係数も簡単。
銅を硝酸で溶かす式も覚えてもいいけど、覚えていない場合は電子を用いた式から反応式を作っていくことができればそれでいい。その作り方さえしっかり押さえていれば、あまり知らないほかの物質の反応式にも対応できるぞ。
カルシウムについても、沖縄の環境を意識した問題。聞いている内容は標準的だがきちんと説明できるようにしよう。
全体として
難易度は高くないので落ち着いて取り組めるかどうかだ。
夏~秋の標準的現役生なら、時間内にきちっと解き切るかの力試しにも良い。(油脂はあるけど芳香族や高分子もないので取り組みやすい)
見てきたように、各大学ごとに、特徴的なご当地問題が出るようなところもある。自分が居住していないところの大学を受験する場合は、しっかり赤本で傾向を確認することも大事だが、その地域の科学的事象、地理・社会的特徴や問題などもある程度興味を持って下調べしておくと良いぞ。