2022京都大学入試問題二次試験 化学 第3問,第4問解答解説
京都大学2022化学,第3問,第4問の解答解説です。
有機化学を中心にした問題でした。
問題はこちらなどを参考に。
クロリドとアミンの結合に関する問い。実際クロリドは教科書の文中などではあまり取り上げられないが,「実験」においてはカルボン酸の代わりに多用されている。実験のページも(実際になかなかできない場合も多いと思うので)一度目を通しておくのが良い。この辺の前半は比較的簡単。問4については,とりあえずあたりを付けて推測すると早い。
ジクロリドについても,ナイロンの合成実験などで取り上げられているので読んでおくとよい。不斉があったりなかったり,というのは立体構造がイメージできないと混乱しやすい。時間はかけたくないが,適宜図で整理しながらミスを防ぐのが正解への近道だろう。
糖類の理解が浅いと捨て問になってしまう。しっかりカバーしよう。グルコースやフルクトースの鎖状への変形などをしっかり押さえておくのが前提で,その辺のイメージを利用して解いていく。余裕があれば分子模型などでもシミュレーションしておくといい。
問3の二糖はスクロース以外覚える必要はないが,「アルドース」「ケトース」「還元糖」などのフレーズがさらっと出てきているのでちゃんと押さえておきたい。1位の炭素が結合に使われているか,という部分はしっかり見極められるように。
問4は,問題をしっかり(しかし早く)読んで,慌てず順番に切断していく。最悪,グルコース,フルクトース鎖状がうまく書けなくてもちゃんと順番を追っていけば答えにたどり着く。慌ててはいけない。
問5は鎖状にできないので少し考えにくい。立体のイメージをしっかり持って。
問6はFがちゃんとわかっていればできる。(a)の問題が「フリ」になっているので,うまいことやったなぁ~という感じの問題である。
とにかく,基本的な糖の構造や反応,可能ならいくつかのグリコシド結合についてはしっかり押さえておこう。
そして,大問全体を通した「タテの軸(アミドの生成,糖の光学異性)」を見失わないように,見慣れない反応でもゴリゴリやっていく勇気が必要な問題でした。