個人開発で5年間育ててきた「Walica」の内側を公開してみる
2018年10月に「Walica(ワリカ)」という複数人で旅行に行った時に発生するお金の貸し借りを簡単に清算するための調整さん的なWebサービスを開発してリリースしました。
新卒で入社した会社の同期と「3連休で何かシンプルなWebサービス作りたいね」ということで開発合宿をして、できあがったサービスです。
最近の活動はこちらからどうぞ。
たまに間違われるのですが、「Walica」は特定の企業が運営しているものではなく、2人の開発者が週末開発で提供しているサービスです。
ありがたいことに、今では月間40万人ほどのユーザーに使っていただくことができており、この5年間でどういう変化を辿ってきたか記録に残しておこうと思います。
あらためて「Walica(ワリカ)」とは
旅行や、キャンプ、ホームパーティなど、友達複数人で集まって遊ぶ時には、
「高速道路代立替えとくね」
「お酒買い出ししとくね」
「ホテルまとめて予約しておくね」
など、何かしらお金の立替えが発生することが多いです。
そしてイベントが終わった後、
「誰が誰に何円返せばいいんだっけ?」
と、計算が複雑になることはありませんか。Walicaはそういった複雑な計算をもっともシンプルに解決してくれるサービスです。
会員登録やアプリインストール不要で、その場でグループを作成して、立替え記録を登録しておけばリアルタイムに、もっとも簡単な清算方法を計算してくれます。
そもそも何で作ろうと思ったか
Walicaが解決しようとしている「誰が誰に何円返せばいいんだっけ問題」は多くの人が経験したことがあると思います。
中にはExcelとかで計算シートを作って管理している人もいるくらいです。
Excelで計算するような作業はアプリ化しちゃった方が、より多くの人に簡単に使ってもらえると思いますし、自分自身が普段めんどくさいと思っていることを解決したい!という気持ちから、このアイディアを形にしてみました。
どうやってユーザー数を伸ばしていったか?
個人開発でWebサービスを開発して、ユーザー数を獲得していくのは、Webサービスを開発することより大きな課題です。Walica以外にもいくつかサービスをリリースしたことがあるのですが、やはりユーザー獲得が一番の課題になります。
ではWalicaの場合、どうやってユーザー数を伸ばしていったかというと、結論は SEO + 友達紹介 だと思っています。
リリース当初はユーザー数を獲得するために、2ちゃんに投稿してみたり、当時はまだ解放されていたTwitter APIを使ってユーザーになってくれそうな人を見つけていいねしてみたりしました。一時的にはユーザー数は伸びるのですが、継続的なユーザーにはなってくれません。
羽田空港に行って、キットカットを配りながらこれから旅行に行くグループにサービス紹介するという超泥臭施策もやってみました笑
結果にはあまりつながらなかったですが、いまになっては良い思い出です。
たまたまバイラル的に広がっていく仕組みだった
サービス開発時から意図して設計したものではないのですが、Walicaはそれ自体を使うなかで必ず友達に紹介するというステップが必要です(1人で使っている人も中にはいるかもしれませんが、それはごく一部)
なので、例えば1人がWalicaを使っていると、その1人がメンバーにLINEなどで共有 → そのメンバーのうち1人が将来の幹事になって、また別のメンバーに紹介 → 以下その繰り返し…
というループが回ります。これによって、ほぼ広告コストをかけずにユーザーを獲得していくことに成功しました。
リリースから1年後くらいに徐々にGoogle検索からの流入が
リリース当時は、ユーザーを獲得できるチャネルが乏しかったのですが、1年後くらいには「割り勘 アプリ」「割り勘 計算」といったキーワードで上位に表示されてくるようになり、そこからWalicaを使ってくれる人が多くなってきたと思います。
あくまで個人的な感覚ですが、SNSでバズらせることはユーザー獲得に対しては一定有効ではあると思いますが、継続的にバズらせることは難しいですし、バズで入ってくるユーザーは、サービスが解決したい課題を持っていない可能性が高い(話題になっているからとりあえず使ってみようという人が多い)です。
SEO(またはASO)などの継続的にピンポイントの課題を持った人にリーチできるチャネルの方が、サービスを拡大していくにおいては、より重要なのかなと思います。
どうやって運営しているか
ここからは、保守運用と収益化の話です。
週に2時間のMTG + 開発
まず保守運用に関しては、毎週末2時間ほど、その週のパフォーマンスを振り返ったり、問い合わせいただいている内容について議論したり、追加開発する時間を設けています。これはもう5年間ほぼ毎週やっているという感じですね。
最近だと細かいものもありますが、以下のような修正をリリースしてたりします。
金額が見やすいように等幅フォントに変更
リクエストベースで追加していた外貨を全て追加
TOPページのデザインリニューアル
シンプルが売りのサービスだと思っているので、基本的に大きめの機能のリリースはめちゃめちゃ慎重になって判断しているという感じです。
広告収益でまかなう運営費
月のユーザー数が数十万単位になってきたので、さすがに無料では運営できなくなってきました。
なので、ユーザーの皆さんには申し訳ないのですが、サイト上に広告を表示して、その収益を運営費に回しています。
広告で収益を得るのもなかなか難しく、サービス開始から3年くらいは1日数百円みたいな収益が続いていました。
今後はもっと別のマネタイズ方法を検討して、広告を減らしていけると良いなと思っています。(こういうことができれば○円払ってもいいかも!というアイディアがあればぜひコメントお願いします)
こんな感じで、5年間を振り返りつつ、Walicaってこんな感じで開発してるんだよという部分を書いてみました。
もし個人でWebアプリ開発をされている方や、普段Walicaを使ってくださっている方がいれば、サポートいただけると今後の開発の励みになります!