自慢と不安
自慢じゃないですがかなり漢字が読める方だと思っていまして、また読み間違いや送り仮名間違いにもけっこう気づいてしまう方でして、でもこの特技?って全く得しない。
ほかのひとの読み間違いに気づいたとて、それを訂正したとて、場の空気とか話の流れとかが止まるだけですよね。
送り仮名や変換の間違いに気づいたとて、それを訂正しようとすれば揚げ足取ってるみたいになるし。
ただただ私がモヤモヤするばかり。
世の中はそんな小さな間違いは無視して進んでいくことに決めたようだ。
だから私のツッコミは流れに掉さすようなもので、誰も正しさなんて求めてはいないのだ、と気づいたのがここ3年くらいのこと。というのも、3年前まで勤めていた職場がとにかくわずかなミスを許さない(大きなミスはみんなでもみ消す)ようなところで、一点の曇りもなく窓を磨き上げるような仕事をするのが正しいとずっと思ってきたからです。
まあでも、辞めてみたらそんな潔癖さはむしろ社会にとって邪魔みたいだと気づけて、それだけでも辞めた価値があったかと思っている。
そんな得にならない特技が最近、逆効果にまでなってきています。
テレビや雑誌で誤字脱字変換ミス読み間違いが多すぎて、でもああいう「強い」メディアで堂々とミスを垂れ流されると、逆に自分が間違っているのかと不安になるのです。
先日テレビで「日下部」を「ひかべ」と読んでいて、そのあとテロップでは「くさかべ」になっていたけど、一瞬どっちが正しいかわからなくてグラグラする。
正しさより流れが大事なこの社会で、自己肯定感を持ちながらあきらめることの難しさを考える。
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