【実猟編】2023春号けもの道よもやま話①エラタックマウントが良いぞ!
エラタックマウントの精度が良い、というのは先の記事で書きましたが、
それって実際の狩猟ではどうなの、使えるの?という話ですが、
結論から言ってバッチリ使えます。
ロケではMOAモデルを使いましたが、今回はわかりやすくMRAD(MIL)モデルで説明します。
MRADモデルの場合、傾斜は4MRADずつ動かせます。
1MIL=50mで5cmですので、4MRADだと20cm動きます。
え、でも猟場だと距離は獲物ごとに違うし…となりますよね?
それを解決するのが弾道アプリの活用です。
※弾道アプリの使い方は2022秋号のけもの道〜エアライフルマニアックスで書いておりますので、そちらをご参照ください。
例えばロケで行った超ロングレンジ(エアライフルにしてはw)で説明します。
150m先の獲物を狙うために弾道アプリに距離を入力します。
そうするとドロップは103.6cm、エレベーションは6.9MRADとなります。
私が普段つけているVORTEXスコープはエレベーションが1/10MILですので、
レティクルセンターで合わそうと思うと、本来であれば69クリック動かす必要があります。
しかしながらスコープにはダイヤルの限界値があり、対応しきれない場合があります。そんな時に可変傾斜が活躍します。
エラタックの可変傾斜単位は4MRADですので、傾斜角を変更し、上記6.9MRADから4MRAD引いた2.9MRAD=29クリック動かせば良いわけです。
ここには難しい計算はなく、弾道アプリから小学1年生レベルの引き算をするだけです。小学5年生で出会った円周率で、人生には割り切れないことがあると知り算数を諦めた私でも計算可能です。
エラタックの傾斜角変更にはただエレベーションダイヤルを回すより手間と時間はかかりますが、超ロングレンジにおいては相手に気取られることはなく、気取られても逃げることはまずないので、デューク東郷の気分でゆっくり準備をすればOKです。
エアスラッグでの狩猟を初めて、超ロングレンジが使いものになることがわかってくると、スコープの選択が変わってきます。
より高倍率を、そしてよりエレベーションの調整幅があるものを、そして好みのレティクルのスコープ…となると、世界の光学製品を探しても、意外と最適なものがないというのが私の体験談です。
しかしそんな時に、エレベーション調整幅はエラタックに任せてしまうことで、選べるスコープの選択肢が大幅に増えます。
こうした本気のミルスペック製品は、ロマン枠として捉えられがちですが、
エラタックマウントに関しては、エアライフル、特にエアスラッグハンティングにおいては十分に実用的、魅力的なものだと感じました。
最後に一点だけ注意を。
傾斜角を変更して狩猟を行う時は必ず毎回、傾斜角の確認をしてください。
もし傾斜をつけてロングレンジ射撃をした後に、戻すのを忘れて近距離で撃ってしまった場合、かなり上の方に弾が飛ぶことになります。
近距離で安全な矢先と判断した状況でも、リスクが発生する可能性がありますので十分にご注意ください。
とエラタックのこぼれ話はこんなところで。
ではでは。