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バルカン3が出るぞ!③エアスラッグ専用バレルについて

発売するバルカン3は5.5mm口径で700mmバレルを採用したモデルです。
このバレルはエアスラッグを撃つ前提に作られているもので、今回はその特徴について説明したいと思います。

700mmバレル

例えば今までの全長800mm台のブルパップモデルでは、バレル長は500mm程度のものが多く、それらに比べるとバルカン3は200mm程長くなります。

バレル長自体は精度のへの影響はありませんが、弾がバレルの中で加速するにはバレル長が長いほど有利に働きます。

つまりバレル長の違う同じ出力(弾速)の同じ銃を用意した場合、バレルの長い個体の方がレギュレーター圧は低く、発射可能数も増えます。
要は燃費が良くなるわけです。

これは標準ペレットに比べて重量が重く、高い弾速を要求されるエアスラッグにおいては有利に働く仕様となります。

ポリゴナルバレル

バルカン3-700のバレルはポリゴナルバレルです。

一般的なライフルバレルのライフリングは平筒の内側に凹状の溝を捻りながら何本か切ってあり、間の凸部が弾と摩擦を起こし回転させます。

一方、ポリゴナルバレルは平筒の内側に緩く6箇所(六角形)の面が取られており、これがライフリングの代わりに弾を回転させます。
FX社のSTXバレルはこれに近いもので、薄いライナー(バレル)の外側から5角形のライフリングをつけていた筈…確かw

ともかく、このバレルの良し悪しは海外でも議論が白熱するところですが実際に私がこのポリバレルで数千発撃った上で感じたメリットは、

バレルの汚れがとても少ない、ということです。

ノーマルライフリングのように内部に角がないせいでしょうか。プル式でコットンを通しても、汚れが全然出ません、というか、すぐ取れるという方が表現が近いでしょうか。
発射数に関わらず、2回もクリーニングすればコットンへの汚れの付着がなくなります。

これは精密射撃をする上で、いつも同じ条件で弾を飛ばす、という点においてとてもメリットがあります。

一方、デメリットもあるようです。
それは、硬い弾に向いていない、という点です。
というのも、ノーマルライフリングに比べてポリゴナルライフリングは弾を大きくスエージングさせるため、負荷が大きいようで、米国のNSAスラッグを使った場合には精度を出すのに苦労しました。

とはいえ、f-rangeのバルカン3は、
私が今まで試してきた数十種類のエアスラッグの中からベストだと判断したものを直接輸入販売しますので、その点は全く問題ありません。

現在、日本において5.5mmでポリバレルを採用しているのはこのバルカン3のみだと思われます。
大口径にはすでに使われているので、もしかすると高出力とポリバレルの相性が特に良いのかもしれません。

ノンチョークバレル

4.5〜5.5mmのエアライフルはマズルにわずかなチョークをかけているバレルが主流です。
ペレットはスカートが歪みやすく、バレルとの摩擦も少ないため、マズル直前でチョークをかけてあげることで、後ろからの高圧エアとチョークで形状をスエージングし、弾のばらつきを減らす効果があります。

しかしエアスラッグの場合はペレットのような柔らかいスカートを持たず、胴の部分でぴったりバレルを密封する必要があるため、チョークは不要になります。
特に胴長が長くなるヘビースラッグとなると抵抗値も大きくなるため、弾詰まりや集弾への影響も考えられます。

これらによりエアスラッグ専用を謳うバレルはノンチョークが主流となります。
国内の5.5mmモデルでノンチョークバレルを採用するエアライフルはカリバーガンのクリケット2TCくらいでしょうか。あれもきちんとチューニングができればエアスラッグには向いていると思いますが、ノーマルパーツのままでは撃てても軽量エアスラッグまでなのと、他のエアライフルも一緒ですが、チューニングには知識と沼の覚悟が必要です(笑)

強固なバレルマウント

バルカン3はブリーチブロックで4箇所、マウントレール部で4箇所、合計8箇所のネジでバレルを固定しています。

今までのペレットガンは、バレルをできる限りフローフローティングにし、自由にハーモニクスが起きるようにして、射手の制御に頼らず集弾を上げる方向でしたが、エアスラッグではハーモニクスが大きく、集弾に繋がらないことが多いようで、強固なマウントが良いとされています。

特にFX社のバレルはライナーバレルという薄い筒にアウターをかぶせる自社バレルを採用しているため、大きなハーモニクスの解決にはかなり苦労しているようです。

よくエアライフルの扱いとして、バレル(シュラウド)を持って動かすと精度に影響が出る、という話を聞きますが、バルカン3(ウラガンも同様)においては全く問題ありません。

ちなみに上記理由により、ペレットガンより、エアスラッグガンの方が挙銃にシビアです。初めてのエアライフルにはウラガンを圧倒的におすすめします。

一体型バレルブリーチ

バレルにおけるマズルと反対側、弾を装填する部分は、現在は別体パーツを使用するのが主流です。大抵は真鍮製で、下部にエアポートが空いており、そこまではバレル内径よりわずかに広く作られ弾がまっすぐ入るように加工されています。

そんな中、AGNのブリーチはバレルを直接加工し作られています。
これは手間がかかり、ミスがあるとバレルをダメにしてします(銃で一番高い部品がバレル)

しかし部品点数を減らし、強度も出るので、エアスラッグには向いている構造でしょう。
こういう質実剛健な作りがAGNの魅力です。

とまあ、バレルの話はこんなところです。

f-rangeで販売するバルカン3は、特にこのバレル周りを中心に特別なチューニングを施す予定です。

あーもうバルカン欲しいわ!
という方は、お早めにf-rangeまでお問合せください(笑)


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