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狩猟用・車載ラックをDIYしてみよう!

※2024.12.09リライト
※座席を取り外したり車内に棚を設置する行為は、自動車の運用にまつわる法律に抵触する可能性があります。それらは車の種類によっても異なりますので、法規制と安全性を十分お調べいただいた上で、適法に行ってください。

私はキャンプやアウトドア遊び、そして狩猟などで、後部座席や荷室にたくさん荷物を載せる機会が結構あります。今まで荷物が多い時は、コンテナなどを使って重ね置きしたり、荷物をパズルのように詰め込んでいました。
以前、自動車メーカーのWEB記事でキャンプ道具の積載術の記事を担当していたこともあり、それなりのノウハウもありました。

だがしかし、慣れてるからといって、めんどくさいことには違いない(笑)
というわけで、リアスペース全面を使って積載ラックを作ることにしました。

ラックを積載するための下準備

ノーマルの後部エリア。シートは前に倒れるものの、フルフラットにはならず積載に工夫が必要だった。
リアシート周りを外す。パンダは廉価車なので簡単。
角材と木板でフルフラットなベースを作る


後部座席足元スペースの天板は取り外し式にして、その下の空間も収納スペースに
人工芝を貼ってベースが完成

棚を設置するにあたり、前段階として床面をフルフラットになるよう木材で加工しました。

愛車のパンダは室内高があるため、床面に積載するだけでは上部空間を持て余すことが多く、効率的な利用方法とは言えませんでした。また、コンテナなどを積んでも倒れないようにラッシングをかけるのもひと手間掛かっていました。

荷室の2段ラック化の構想は前々からあったのですが、重い腰を上げてついに自作を決意しました。(2022年3月)

エアライフル猟では獲物を見つけてから射撃をするまでに時間が短いほど有利になることが多く、そのためには車を停めて速やかに銃を取り出し、車外に出たい。
今までは荷室に平置きで対処しており問題はなかったのですが、たまに友人を乗せて流し猟、となると、どうしても銃の取り出しに時間が掛かってしまいストレスでした。また一人で猟をするときでも、もう少し高い位置に銃ケースが置いてあれば取り出しやすいのにとも思っていました。

そうしていつまでもモヤモヤしていたのですが、次に入手するエアライフルの全長が長くなることを理由についに重い腰を上げたのでした。(のちのバルカン3)

イレクターパイプを買ってきた

イレクターパイプには様々なレイアウト、形状に対応したジョイントパーツがある

さて今回材料に使ったのはイレクターパイプ。
イレクターパイプとは金属管に樹脂コーティングを施したもので、これに専用のジョイントを組み合わせて自在に構造物を製作できます。

ちなみにイレクターパイプは矢崎化工株式会社の商標で、ホームセンターにはよく似たジェネリックな商品が並んでいることがありますが、今回は開発者に敬意を表し(←発信者、表現者としてここ大事)正規のイレクターパイプを使用しました。

イレクターパイプのジョイントには樹脂製と金属製のものがあり、樹脂ジョイントは1ケ200円程度と安いものの、専用接着剤で固定する必要があるため、一度組んだら解体ができず、失敗も許されません。
金属ジョイントはボルトでかしめるのでリユースが可能ですが、1ケ400〜700円程度とコストがかかります。
今回は分解できることが前提だったので、金属ジョイントを選びました。これは結果的に大正解だったといえます。

それと注意点として、違うメーカーの類似商品と混ぜて部品を使用しないように注意しましょう。というか発明者である矢崎のイレクターパイプを買いましょう。

ちなみにイレクターパイプ取扱ホームセンターであれば、矢崎が発行している無料ミニカタログが置いてあるはずです。先に入手して設計をすると良いでしょう。

さて、というわけで事前に入念に荷室を測り、設計図を書きます。
にも関わらず、買ってきたパーツは組んでみると足りませんでした。(買い忘れた)
これはDIYあるあるです。(と言うことにして欲しい)   

イレクターパイプを組み上げる

気を取り直し仮組みを進めます。
まずパイプ類は採寸したサイズにカットします。カットするには専用のパイプカッターを使用すると便利です。
組み立てのコツは、車内に入れられるサイズで半組みしてから中で全体を組むこと。
そして、半組みしているパーツもズレない程度に軽くカシメておくことです。

今回の荷室はあらかじめ後部座席を取り払い、木板で床面を作ってあります。それでも、中でパイプを組んでみるとわずかな歪みで上手くバランスが取れない部分があり、微調整をしました。また端から順番にしっかり組み上げていくと、最後に微妙な誤差や捩れが出てうまく組み上げられないことがあるので注意しましょう。

ノギスで計測しながらバランスを微調整して組んでいく


強度と使いやすさを考え汲み上げる

そのためには全体を軽く組んでから、各部精度を出して少しずつかしめていく必要があります。今回も2.3度調整してやっと無理のないバランスに落ち着きました。

天板を載せる

天板はアカシア集成材、安くおしゃれで頑丈。天板裏にはイレクターパイプにはめるCクリップと取り外してテーブルにするための足をつけた
手前に突き出した棒にはさらに木板が乗り、面積を拡張できる


あとは天板を乗せるだけなのですが、イレクターの良いところは、豊富な樹脂アクセサリーです。
Cクリップ型のパーツをパーツを使い天板を取り外し可能にしました。クリップはなかなか強く、片手で引っ張る程度では取れる気配がしません。
天板はシャレオなアカシア集積材を使用しました。丈夫で安い!!

リアハッチの傾斜は斜めジョイントで回避

さらにスラントしてるリア側の天井に合わせて、パイプ位置をオフセットしました。

金属ジョイントと樹脂パーツの組み合わせで、強度を保ちながら、特別な工具や加工はなく自由自在に形状が変更できます。

足元は差し込み固定

ラックの固定も忘れないようにします。
挟み込んだり自重で置くだけでは、車両事故などで命に危険が及びますし、そもそも事故につながる可能性もあります。
これについても固定パーツが出ているので、法的に問題ない方法できちんと対処します。(車両改造にあたるものについては各自、法律を理解し対策、対応を行いましょう)

さて、ここまでいけばひとまずは完成と言って良いでしょう。
今回は万一荷物がずれて運転席に落ちたりサイドのガラスを割る危険性を防止する目的で、天板より少し高い位置に追加でポールを入れました。
状況によってはバンパー位置をもっと上げても良いと考えています。これはリユース可能な金属ジョイントのメリットでしょう。

天板は2枚で取り外し可能
上側はジャストサイズのネットで補助。天板より少し高い位置にもう一本パイプを通すことで、荷物落下防止と強度アップを図った


釣竿ホルダーも設置

もちろん重い荷物は下段に収納するが、軽いものであれば上段に載せてラゲッジネットを被せれば動くことはないでしょう。

今回のコストは20000円ほど。
うち半分以上は金属ジョイントの金額ですが、結局何度も組み直しをしたので、こちらにして正解でした。
DIYに慣れていない、おっちょこちょい、複雑な作りを予定している方にはぜひ金属ジョイントの使用をおすすめします。

狩猟用のセットアップ

荷物は上段に、三脚や釣竿は長物ケースに、上段前部には安全を考慮してワイヤーネットを貼り付けた

さてこの2段ラックの狩猟用セットアップはこんな感じです。基本的に荷物は全て上に置き、下側は銃ケースだけにすることで速やかに銃を取り出せるようにしています。

エアタンクは最終的にロープで吊るし固定した
10mギャフも長いので吊るし固定

この荷台をセットアップしてから2年以上、何度か変更を繰り返していますが、大体はこんな感じです。

足を対角線にしてないのは、計算するのがめんどくさかったからw

テーブルとして使える天板は非常に便利で、狩猟中にゆっくり過ごしたい時に野外テーブルになるし、本業のアウトドアロケでも、活躍してくれます。


エアの流し猟を突き詰めていくと、こうした車への荷物の置き方一つでも良し悪しやこだわりが生まれてきます。
実際の使いやすさは、環境や使用者、車にもよるでしょう。
みなさんも安全性には十二分に注意した上で、狩猟車のセットアップを考えてみてくださいね。

ではでは。

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棚の作成に使用した商品はこちら

パイプ

ベースとなるパイプです。鉄に樹脂コーティングをしたもので、それ故にプラスチックジョイントは接着剤で固定することができます(今回の用途にはお勧めしません)
長さと色がいくつかあるので、安く済むよう計算して買いましょう。

パイプカットには専用の工具が必要です。安いので買ってしまいましょう。

金属ジョイント

一番使うジョイントパーツです。

枠を組むときの四隅に使います。

これも有用です。

樹脂ジョイント

リアハッチ付近のスラント部に使いました。これは樹脂ジョイントなので固定するには専用接着剤が必要です。

樹脂ジョイントを固定する接着剤です。完全固定には少し時間がかかります。

天板をパイプに固定(脱着可能)するために使用しました。

足を固定するのに使用しました。

天板

天板はアカシア集成材を使用しました。カットして使用します。そのままだと吸水して反ったりするので、オイルを塗っておきました。

その他

釣竿ホルダーとして利用しています。


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