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博学審問 間違いだらけのコンプレッサー選び
カーマニアにしか伝わらない大層なタイトルをつけましたが、
ただの釣りです(笑)
我が家に導入したエアライフル用の300bar対応コンプレッサー。
使い込んでみて、色々わかってきたことがあるので、メモがてら記事にします。
パワー
コンプレッサーの出力比較は意外と難しく、アリエクやAmazonでは触れられていない場合も散見されます。
あってもエアの吐出量、膨張率、回転数など様々な表現があり、どう見たら良いのか迷います。
ただひとまず消費電力=ワット数で見るのが良いと思います。
コンプレッサーはレシプロエンジンをモーターで回していますので、基本的に消費電力が大きいモデルほど、充填速度が高くなります。
私の使っているモデルは1800w。かなりハイパワーなモデルで、500ccタンクでも100bar程度なら2~3分もあれば入ります。
ちなみに国内で見かけるオレンジの小さい四角いやーつで300wほどです。
騒音
1800w単気筒の私のモデルで言うと、集合住宅では夜間には動かせないくらいうるさいです。
どのくらいか、と言うのは伝えるのは難しいですが、煩めの洗濯機くらい、でしょうか。とにかく、いつ回すか計画が必要なレベルです。
実際回してる最中に玄関の外に出てもごく僅かにしか音は聞こえないのですが、エンジンですので、振動は下の階などに伝わっていると思います。
現在、この振動対策の強化を進めています。これだけでだいぶ変わるはずです。
パワーと騒音は比例していますので、ローパワーモデルなら多少静かだと思います。
ドライエアー
大気を圧縮すると、空気中に含まれていた水蒸気が飽和・凝結し結露=液体となって現れます。
これには露点温度=温度に依存する水蒸気の飽和点があり、空気が冷たいほど飽和点は低く、結露は大きくなります。
つまり冷たい空気であるほどドライエアーが取り出せるわけですが、
実際は大気を圧縮する際のエネルギーおよび、水分子が液体化するときの潜熱放出で、圧縮後の空気はかなり高い温度になります。
業務用コンプレッサーにおいてドライエアを作る方法は大きく2つ、急冷による冷凍式、そして吸着剤を使う吸着式です。
ただこれらの仕組みは業務用でも家庭用でも大きく違うものではありません。
実際に家庭用のコンプレッサーには簡易的なスポンジを入れたフィルターが装備されています。
ただ実際に使ってみると、猛暑の高温多湿環境下では、結構フィルターに結露を感じます。オプションでカーボンもしくはシリカボールを詰め込んだフィルターも売っているので物理除去をするならこれらはあった方が良い気がします。
ただ、これらも結局、液体化した水は吸着はするでしょうが、多孔質の構造で接触面積を増やし熱を放出させて結露をさせているだけです。
となると効率を考えると、冷却が一番手っ取り早く効果的です。
私のコンプレッサーは水冷式で、かつ圧縮空気をヘッドのウォータージャケットで急冷できます。
この温度を何パターンが試してみたのですが、30℃以下に抑えていると、フィルターが濡れることはほとんどなく、ヘッドのドレンから水分を排出できます。
一方、50℃以上で回すと、フィルターにかなりの水分が付着します。ヘッドで結露できずに水蒸気が通過してしまっているのです。
空冷のモデルではエアバイパスをスパイラル鋼管にしているものもありますが、確実な温度管理という意味では水冷に勝るものはありません。
私は水冷用のバケツにペットボトル氷とロゴス氷点下パックLを2枚を突っ込んで、冷え冷えの状態で回しています。
これなら大袈裟なフィルターを追加しなくても十分ドライエアが期待できます。
用途に合ったものを選ぼう
私が今のモデルを選んだのは、短い時間で、よりドライなエアを入れ、長持ちすること、を基準にしたためです。
500ccボトルではなく、250cc程度のチューブタンクであれば、同じ圧まで入れる時間は半分になります。
半分であれば機械の摩耗も、騒音も減ります(笑)
逆に私のモデルでチューブタンクに入れると、一瞬すぎてむしろ機械の負担になるかもしれません。
300w程度のモデルを買って、物理フィルターをしっかり入れてあげたほうが良いかもしれません。
どんな道具もそうですが、用途に合った使い方をするのが、一番長持ちするものです。
コンプレッサーあれこれをざっくり見分ける
コンプレッサーはいろんな種類がありますが、よくみると数種類の形状パターンに分けられます。型メーカーの信頼性に差はあれど、基本的なスペックは近いはずです。
それらをなんとなく捌いてみたいと思います(笑)
小さくて四角いや〜つ
例のオレンジ色のや〜つも同じラインだと思います。
250~300w程度で、500ccタンクを100bar上げるには10分程度回す必要があると思います。
高圧になるほど時間がかかります。
空冷式でオイル/ウォーターフリーですので、パワーも低く水分の冷却分離は期待できませんが手軽なのは良いですね。(これはスパイラルチューブである程度冷やしてるようですが)
オイル潤滑をしてませんので、耐久性もそれなりでしょう。
ただ私のモデルと比べると当たり前ですが結構静かで素敵です(笑)
それとAC/DCコンバーターがついていて車のバッテリーでも使用できます。
縦長の四角いや〜つ
このパターンのや〜つ、先の小さくて四角いや〜つと出力は変わらないようで300wほどです。
何が違うかというと、AC/DCパーツが本体に内蔵、装着されている点です。
それと基本はウォーター/オイル仕様にも後付けでできる?といった文言がありますが在りますが真偽は不明です(笑)
デジタルのかっこいいや〜つ
デジタル操作がインテリジェンスでカッコいいです。
出力は300wなので上記と変わりはないと思います(笑)
AC/DC対応。
半分はみ出してヘッド完全水冷のや〜つ
僕の使っているモデルがこれです。というか半分はみ出してるや〜つは各社在りますが、ヘッド完全水冷のや〜つはこのモデルだけです。
エアバイパスまで水冷式になってるのがポイントです。
パワーは1800wと圧倒的で、500ccタンクを100bar入れるのも2~3分です。
四角いや〜つシリーズは7L/hのエア吐出量ですが、こちらは30L/hの吐出量です。
普通の方にはここまでのスペックはいらないと思いますが(笑)ドライエアにこだわる方などは買ってみても良いかもしれません。
おすすめの使い方は先に書いた通り、バケツの水をガンガンに冷やして、速やかに充填を終えることです(笑)
ちなみにサイズは意外と小さいです。ヘッドは飛び出てますが。
入力はAC電源のみです。
※あ、よく見たらこれはオートストップメーターついてないですね。
アリエクで追加パーツで買えますけど。まあついてたところで放置できる、というものでもないので、気休めなんですけど(笑)
とまあ、大体こんな感じです。
ここに書いてないモデルでも出力、電源方式、冷却方式、が分かればひとまず判断できるのではないでしょうか。
最後に、
コンプレッサーを使用しての空気銃への直接充填行為及び、充填設備の所持使用は合法です。(経産省に確認済み)
7.62mmのエアライフルなどはボンベから入れてもコストがかかると思いますので、ぜひこうしたコンプレッサーの活用も検討してみてください。
近くにボンベを入れてくれる施設がない、などという方にも良いでしょう。
ただし高圧機械ですので、扱いを間違えば命に関わる事故が起きないとも限りません。また安全に長く使用するためには、ある程度の機械/DIY知識・技術が必要です。十分理解の上、使用をご検討ください。
※草刈機のエンジンをOHするぐらいの腕があれば問題ないと思います。
また、現在の高圧ガス保安法では、
エアライフル用であっても、上記設備及び行為で【独立したガス容器】へ充填することはできません。
許可されているのはあくまで空気銃への直接充填のみです。
違反した場合、懲役または罰金が課せられる可能性があります。
結構重いですよ(笑)
※ http://www.yozaisho.com/hoan/reports/about_bassoku.pdf
ご自身の用途に合わせて正しい道具を安全に運用して、
これからもエアライフルを楽しんでいただけましたら幸いです。
個人的には↑にあげたTUXINGのコンプレッサーはおすすめです。
僕はアリエクオフィシャルストアから買いましたが(なぜかAmazonの方が安いけどw)運転テスト済みの痕跡がありました。予備パーツもたくさんついてましたので、安心しています。
ではでは。