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けもの道よもやま話ー2024年春号【エアライフルでキジを攻略せよ!!】ロケレポート
私は年2回発行のムック本、けもの道で連載ライターをしています。
今回は趣向を変えて、今年の春号に寄稿したキジ猟について、ロケの裏話を書いてみたいと思います。
この記事のタイトルは【エアライフルでキジを攻略せよ!】
エアライフルでのキジ猟を猟場の探し方から見つけ方、捕り方までをこと細やかに説明した記事です。
私は1猟期に20~30羽程度のキジを取っており、おおよそは半日回って定数終了です。
そこには自分で見つけた少なからずのノウハウがあり、そうした話を書こうという寸法です。
ロケ地は千葉県某所、カメラマンはハンターでもあるとっとこトミーで、日の出前に集合し、私の車で猟場を周ります。
トミーハンターの友人としてお付き合いはありましたが、ロケのカメラマンとしては初のタッグです。
自然遊びのロケは、当たり前ですが、なかなか人間の思う通りになりません。特に狩猟は、一人でも獲物に悟られないように気を使うのに、人が増えればそれだけ難しくもなります。また撮影する写真にも気を使います。場所が明確にわかるような写真ではないか、違法に見える写真ではないか、などなど。
とはいえ私自身は10年以上アウトドアライターをしており、こうしたロケはそれなりに経験し慣れているので、そこに問題はありません。
ただし、同伴者が全く狩猟のことを知らない人だと色々大変です。
獲物を見つけてそっと車を降りたら、後ろでバタン!と車のドアを閉める音がして鳥が逃げた、なんてことはよくある話です。
その点、初タッグとはいえトミーは現役ハンターであるため安心です。
さて、日の出前に2人でいそいそと準備をしたら、日の出と同時に猟場を回り始めます。
この日回ったエリアは、千葉県の中ではかなり広大な農作地で、考えなしに回ると時間を無駄にしてしまいます。まずは何かしらの撮れ高がないと記事にならないため、ひとまずキジを見つけて最低限の写真を確保することにしました。
![](https://assets.st-note.com/img/1733106209-T0iAWHGscZ6Old9DMJmNf4yn.jpg?width=1200)
キジの流し猟は射撃技術より、見つける技術、戦略が大切です。例えば同じボサでも一度通った道を反対側から通るだけで見逃したキジに出会うこともあります。私はGPSマップアプリで、その日の狩猟のログを取るようにしており、なるべく一筆書きでポイントを回れるように考えて車を回しています。獲物との出会いは、【ただの移動】という無駄な時間を極力無くし、どれだけ獲物が出るポイントに長くいられるか、一筆書きで繋げられるか、これに尽きます。
さて、今回のロケは通い慣れた猟場なので、そんな真剣に考えずともすぐに出会いはありました。トミーに写真を撮ってもらいながら、撃てるチャンスも探しますが、バックストップ、矢先の安全性から何度も見送ることになりました。
出会いが多ければこうした心の余裕も生まれます。だからこそ、まずは獲物を見つける技術が大切で、まずはこれを磨くことを、初心者の皆さんにはお勧めしています。
さて本来、自然ロケというのは基本は、出演者(ハンター)、執筆者(編集者)、カメラマンの3人セットがベストです。
なぜかというと今回のように出演者とライターが同一人物だと、猟果と誌面のことを同時に考えなくてはならないからです。とはいえ、そんな贅沢なロケは、最近の出版事情ではなかなかありません。
誌面のことをあーでもないこーでもないと言いながら、車をキジの出そうなポイントに回して必要な写真も撮影していきます。同行者と相談しながら回れるのも流し猟のいいところです(笑)
![](https://assets.st-note.com/img/1733106113-hJWlL56md1k7IVjrqfNRg3e0.jpg?width=1200)
そうこうしている内に、日も高くなり、段々と風が強くなってきてしまいました。
あれれー?これはまずいぞ😆
この猟場は割と海が近く、田畑も広大なため、風の速度も風向も落ち着きません。
また朝のキジの出没時間は日の出〜8時半くらいまでがピークです。
これは一般人が出歩くためだという意見もありますが、私はそれだけではないと思います。※こうした話はけもの道の紙面で詳しく説明しております。
さて日もすっかり上がりいよいよやばいな〜撃たなきゃな〜写真どうするかな〜と考えながら車を流していた時、助手席のトミーが急に『あれキジですよね?』と声を掛けてきました。
その時の距離は100m以上あったでしょうか。強風とはいえ天気も良く日もよく照った午前10時ごろ。
『いやいや、こんな日の差す時間にあんな大きくて何にもない畑をほっつき歩いてるかぁ?クロキジ(カラス)じゃない?』なんて疑いながら、一応双眼鏡を覗くと….確かにキジです(笑)さすが現役ハンター。
問題は、その場所。安全な射線を確保した場合の距離は80m程度、風も横風5m/s程度でバンバン吹いています。
しかも見開けていて、委託するものも隠れる場所もない。
写真を撮るには好都合でしょうが…
しばらく様子を見たものの、特に隠れる気配もないので、ひとまずそっと車を降り、車の後ろ側を回って畑に這い寄り、座射で狙うことにしました。
私はヘッドショットで確実に止めたいので、委託なしのポジション射撃で撃つことは1シーズンに数回しかありません(笑)これは非常にレアなシーンですが、そろそろ1羽獲っておかないとまずいので、トミーには車の中からキジだけをカメラで狙ってもらうようお願いします。
すると、わずかな違和感を感じ取ったのか?キジが餌を啄みながらもスタスタと横に移動し始めました。
う〜ん、どうしよう。
私は基本的に確実にバイタルを狙えない場合は、当たればいいやで弾を撃ちたくないのですが、この日はロケ、そして猟果も必要。
スマホでウインドドリフトを確認しますが、10cmほど横に流れる計算です。
しかも風向も全然落ち着きません。
正直当たる気がしないなーと思いながら、しぶしぶ一発目を撃ち込みます。
パシュン!!
案の定、横を向いたキジの頭の後ろを弾が通り、奥の土が弾けます。
やはりウインドドリフトが正確に計算できません。
問題のキジはというと、爆風のおかげで何もわかっていません(笑)
この時のキジの顔の憎たらしさったら、経験のあるハンターは多いはずです。
さて、次はこのドリフトから目測で狙点を調整し2発目を撃ちます。
パシュン!
今度は首のすぐ後ろを弾が通過します。あれ、まだドリフト補正足りないな…
勘でさらに補正して間髪入れずに3発目をパシュン!
入った!と思ったら首の羽をむしっただけのようで、びっくりしたキジは右に小走りを始めました。これはまずい!スコープと肉眼でキジを追います。
すると、ラッキーなことに隣の畑との畔のわずかな段差で少し速度が落ちました。畔の低い草に隠れるか、次の畑の奥のボサまで走るのか迷っているのでしょうか。
そして一瞬畦で立ち止まった後、今度は身を低くして隣の畑に歩き始めました。
もうここしかない!パシュン!
意を決して撃った弾は見事に命中、その場でバタバタと暴れ始めました。
よかった〜!!喜びより安堵感の方が大きいのがロケの醍醐味です(笑)
安心するのも束の間、回収バッグを取り出し、畑のキジを速やかに回収に向かいます。弾は首の付け根に見事命中していました。ヘッドを狙ったんですけどね(笑)
さて、ふと我に帰ると本当に風が強い!歩く度に土煙が舞い目に沁みます。
近くのトミーに話しかけるにもちょっと声を張らないと届かないくらい吹いています。最後のピースを埋めるべく、草埃と戦いながら、回収したキジを汚さずに持ち帰る手法をパチパチ撮ってもらいながら不足写真を撮ってもらいます。
![](https://assets.st-note.com/img/1733105999-L4xiTwStH2MK816CeEhvV3us.jpg?width=1200)
これらが終わったのが11時すぎ、なんとか無事半日でロケが完了したのでした。いやーよかったよかった。
猟場を離れてから最後にラフを確認して、これで問題ないということで解散となりました。
ちなみに私は下道で帰路に着いたのですが、帰る道すがらの猟場も把握しているので、ふらっと流し見しながらキジを1羽見つけ、きっちり定数を獲って帰りました。やっぱりプレッシャーのない狩猟は心に余裕が出ますね(笑)
というわけで、つらつら書いてみましたが、このキジ猟の記事はけもの道2024年春号、連載しているエアライフルマニアックス【エアライフルでキジを攻略せよ!!】にてキジの見つけ方から射撃の所作まで詳しく掲載しています。恐らく、キジ猟だけでここまで詳しく解説した狩猟記事は初だと思います。初心者の皆さんに特に読んでいただきたいです😊
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というわけでけもの道 公式noteとのコラボ記事でした(笑)こちらのアカウントもぜひフォローしてくださいね♪
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