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モジュール式銃カバーの作り方 2023決定版

2023.11.14リライト

エアライフル猟において、銃カバーを使っている、という方は少なくないと思います。私も、猟期にはいつも利用しており、今回作成したもので4作目となります。

機能性を上げようとすると複雑な縫製になるし、後述する銃カバーの定義と役割からも外れるし、シンプルすぎると布かけるだけでも同じじゃない?となってしまうし、バランスがとても難しいギアのひとつです。

しかし今回作った銃カバーはコロンブスの卵的な発想といいますか、
これでいいじゃんという妥協の集大成と言いますか(笑)
非常に良いものができたので皆さんにご紹介したいと思います。

銃カバーの役割と用途

目立たず、そのまま撃てる銃カバーを目指して作った

そもそも、皆さんは何のために銃カバーを使っているでしょうか。
人によって重視する点は違うと思います。

思いつく目的としては、
1)接触物からの保護、もしくは接触物の保護
2)雨からの銃の保護
3)カモフラージュ効果
4)裸銃禁止場所・状況での運搬
といったところでしょうか。

1)〜3).の要素を満たすための生地素材には、厚み、防水、柄、を検討する必要があります。
また私はそれ以外に、手間を増やさずそのまま撃てる、という機能を持たせています。
それゆえに4)に関わる、銃刀法で制限される下記

運搬する場合においては、第二項各号のいずれかに該当する場合を除き、当該銃砲等に覆いをかぶせ、又は当該銃砲等を容器に入れなければならない。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=333AC0000000006

に適用されるかは明言できません。
今回の銃カバーは実際にそのような用途で使用しているものではありませんので、あらかじめご了承ください。

法的な話はAEGさんのブログが参考になります。

ちなみに、エビデンスを失念しましたが、この覆うもの、については一見銃の形がわからないもの、という定義があった気がします。
つまり、上記銃刀法の文言は捉え方によってはフィルムラッピングでも通ってしまう可能性があるので、それを禁止するためです。
どちらにせよ、銃とはっきりわかる形状は、後述する対人カモフラージュには適しません。
それがどこまでか、といった問題は今回の議題ではないので割愛します。

さて話を戻して、1)2)に適したファブリックとして今回は厚手(500D)のナイロンを採用しました。これはサバイバルゲーム用のファブリックを扱うショップで購入できます。(多分ネットで調べるとすぐ出てくるはずです)
※おすすめはミリタリーマテリアルを販売しているSUKERUCOMさん。

過去に試した素材で言うと、
・ナイロンは機能性は良かったんですが、ペラペラしてると何かと邪魔なのと、ほお付けなど肌触りがいまいち慣れませんでした。
・コットンは入手しやすく保護性能に優れますが、防水性能はありません。
・撥水キルトは保護性能に優れ、防水性能もそこそこありますが、嵩張るのと縫うのが少し大変です。

何個か作って分かったのは、ある程度厚手の生地の方が煩わしくない、ということです。獲物を狙うときに布が手にかかったりスコープにかかったりすると気が散ります。

3)のカモフラージュ効果については2つあり、ひとつは獲物からのカモフラージュ、もう一つは対人カモフラージュです。
運搬中、一般の方に出会った際に、銃だと思われない、これに越したことはありません。そういった意味では迷彩柄などいかにもではないものを選ぶのも手です。また、形もざっくりトレースする方が、銃感が薄れます。

北欧柄の撥水キルト。ふざけた見た目故に、対人カモフラージュ効果は大(笑)

今回はたまたま、欲しい機能が備わっていて、気に入った柄が見つからなかったので、ダックハンティングカモの生地を選びました・・・まあ銃っぽくなければ迷彩柄は自然の中でシルエットが曖昧になるのは確かです。

38TUNES式ガンカバーの構造

4つのパーツを別に作り、それぞれを面ファスナーで留める構造

さて本題ですが、今回のモジュール式ガンカバーがどういう構造なのか、というのがこの写真です。
あーなるほどね、それな!俺も真似するわ!と全てを理解した方は解散ですw ページ最後のスキ!ボタンだけ押してブラウザをお閉じください。

ここからは、私にもっと優しくして!という方向けに解説しますw

作るパーツは4つ。

1)バレルカバー(袋状)
2)ストックカバー(袋状)
3)スコープカバー(布状)
4)グリップカバー(半袋状)

これだけです。

実は以前ボブキャット用に似た構造を作っていたのですが、今回の最大の特徴はズバリ、完全分割式であることです。これによりパーツごとに製作が可能で、要求される裁縫レベル、精度、布面積が圧倒的に簡略化されています。
以前の構造はこちら。

前作はスコープカバー以外は取り外し不可の構造

基本的な構造は似ているのですが、前作のベースカバーはバレルからストックまで1ピースで、コッキングやマガジン装填用にフラップなどを縫い付けていました。

その点、現在の愛銃、バルカン3はコッキングがバイアスロンレバーで前方にあり、そしてマガジンは左からのポート式になっているため、フラップ構造は使えない、というか必要ありません。

そこで、どうせなら限界まで簡略化してしまえと作ったのがこのモジュール式のガンカバーです。

簡単な4つパーツを作るだけ


マガジンポケットは穴を開けた


レバーを回避、スコープカバーはダイアル調整できるよう後端はフリーに

このように、そもそも、一枚の布で袋を作る、という考えを捨てて、パーツを面ファスナーで貼り合わせる構造にしました。


これにより、パーツの形がシンプルになり、裁縫も楽に、そして面ファスナーで貼り合わせるので、制作後の細かなサイズ調整も可能となりました。

良い答えはいつだってシンプルだ!

どうなっているのかはこの写真が分かりやすいと思います。
何せ友人に自慢したくて3時間で縫ったので(その日は自慢し忘れたけど、笑)、面ファスナーの付け方などは改善の余地がありますが、使用感としてもほぼ完璧でした。

ちなみに、グリップはどう握るのかというと、こうです。

手を入れるだけでグリップが握れる

このように袋状にした隙間から手を入れて握ります。
市販の銃カバーにあるように、音を立てて面ファスナーを開ける必要はありません。
グリップパーツはある程度大きめに作ることで、握る腕の角度にも許容性を持たせています。

超特急での製作でしたので、スコープカバーにしてもこのグリップカバーにしても、現在はかなり余裕がありますが、これは後でどうにでも調整可能なのがこのガンカバーのメリットでもあります。

複雑な曲線もなく、パーツそれぞれが小さいので、型紙も必要ありません。(というか使ってません)
布を直接当てがって、まち針やクリップなどでサイズを正確に取り、チャコペンなどでトレースして、縫い代1cmほどを足して切り出すだけです。
もっと簡略化するならば、マズル側の布も曲線の必要はないですし、グリップカバーも四角い布のままで良いでしょう。

どうでしょう?作れる気がしてきませんか?

ぜひみなさんもオリジナルガンカバー(できればふざけた柄のやつw)を作ってみてくださいね。個人であればいくらでもアドバイスいたします。真似したよ!という方はご一報いただけたら私が喜びます。

そしてくれぐれも運用はご安全に♪

ではでは。


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