弾道計算アプリ【Element Ballistcs】の使い方
ペレットのドロップが大きいエアライフルには、弾道計算が欠かせません。
以前は英国のライフルスコープメーカーHawkeがリリースするChair Gun Proというスマホアプリよく使われていましたが、このアプリは数年前にサービスを終了しました。
私はその頃から、世界的にも最も信頼が厚く、またUIも優れたStrerokというアプリを使用しており、この使い方については連載している けもの道にも掲載しました。
しかし残念ながら2年前、ロシアウクライナ戦争による経済制裁により、ロシア製アプリであったStrelokはダウンロードができなくなってしまったのです。(今もAndroid HUWAEIではダウンロード可能)
代わりになるアプリとしてはHawkeからChair Gun Eliteというチェアガンプロの上位アプリが出ており、これは恐らくStrelokをベースとしているのですが、如何せんUIがイマイチで人にお勧めしづらいものでもありました。
そんな中、新たに、機能は限られるものの初心者でも使いやすい弾道アプリがリリースされました。
それがElement OpticsがリリースするElement Ballisticsです。
エレメントオプティクスはFXエアガンズが立ち上げたスコープメーカーで、光学機器の品質も定評があります。
そしてこの弾道アプリも、UIもまあまあで、割と使いやすいため、今回使い方を紹介してみたいと思います。
1)アプリをダウンロードする
お使いのスマートテレフォンのアプリケーションストアでElement Ballisticsをダウンロードしてください。
2)アプリを立ち上げる
アプリを立ち上げるとBlue toothとリンクするか確認画面が出ますが、連携機材との接続の話ですので無視して進めてください。
3)Element Ballisticsのユニット設定
ホーム画面を開いたらまず最初に左下のUNITボタンをタップしてください。
さまざまな数値の単位を変更できます。
多くの方はメートル法だと思いますが、まずは自分の使用する単位にすべて変更してください。
4)銃の情報を入力する
さてここからが本格的な設定です。
まず一番上のPROFILE 1が赤くなっていることを確認します。これは2,3,4に別の銃/セッティングを設定できます。ワンタッチで変更できるのは便利ですね。
次に上から順番に設定していきます。
①ペレットの入力
基本的には登録された弾を選択するだけです。順番にタップして自分のペレットを見つけてください。
※5.5mmで一番多く使われているJSBジャンボモンスターは登録がありませんがEXACT HEAVYを選べば同じプロファイルです。
弾がない場合は、一番上にあるマニュアルをタップして手動で入力します。
この際気をつけたいのはBallistic Profileで、ペレットはGA、エアスラッグはG1を選ぶことです。これを間違うと弾道計算が大きくズレます。
②弾速/スコープハイト/ゼロイン距離を入力する
Muzzle Velocityに銃口初速を入力します。これは実際に計測しておく必要があります。
ちなみに、5.5mmで30~32ft/bs、6.35mmで44~45ft/lbsと表記のあるモデルは270m/s(886fps)程度になるでしょう。
Sight Heightはバレルセンターからスコープのチューブセンターまでの距離です。定規を当てて測ってください。
Rifling Twistは使用する銃のライフリングのきつさです。一回転するのに何インチか、という表記で数字が小さい方がツイストがきつい、と判断します。LWやCZなどは17.7が一般的で、FXのSTバレルなどは22といったゆるいツイストです。SMOOTH/LEFT/RIGHTはライフリングの有無と回転方向です。このツイストの入力欄は弾道落下には影響がないのでざっくり入力しておいても良いです。(このアプリではロングレンジの左右のズレに影響するようですが)
BDC Reticle Stepという欄は無視してください。
③気温、気圧、湿度の入力
弾道は気温、気圧、湿度により僅かに変化します。このアプリではそれぞれ設定できるようになっています。
GET FROM INTERNETをタップすると自動的に現在の気象情報を入力してくれます。合っているのかは確認してませんが(笑)
④風の情報の入力
これは実際に猟場などで入力する情報です。風の方向と風速を入力できます。
⑤プロファイル名称の登録
設定する銃の名前などを入力してください。
5)Element Ballisticsの操作方法
さて銃の情報入力が完了したら、実際に触ってみましょう。
①②距離と角度を入力する
①②をそれぞれタップすると数字が入力できます。
入力した数値に基づいたドロップ/ドリフト量は⑤に表示されます。
③弾道を数値で確認する
テーブルをタップすると、距離ごとのドロップ量が確認できます。
このグラフは最大表示距離、表示距離単位が変更できます。
※このグラフデータがダウンロードできれば良いのですが、このアプリではそれができません。
④レティクルを表示/選択する
レティクルの絵をタップすると、レティクルでの狙点が表示されます。
左下のバーをタップするとスコープに合わせたレティクルが選べます。
ただし、エレメントのスコープ限定です(笑)それ以外のスコープを使用する方は参考程度に使いましょう。
このアプリの良いところ/悪いところ
私は以前、けもの道で記事を書くにあたり、参考のために10種類くらいの弾道アプリをダウンロードし確認しました。
その中でこのElement Ballisticsはかなりシンプルで見やすい方のアプリだと思います。
無料のアプリとしてはまったく、文句はないでしょう。
車や銃にドロップ計算表を貼るために使うなら十分です。
反面、弾の選択肢が少ない、スコープがエレメントしか登録されてない、各種データがダウンロードできない、といった不足点はあります。
さてここで、私が使用しているStrelokの画面を見てみましょう。
ホーム画面は非常に整理されており、何が入力できるのかが分かりやすくなっています。
逆に銃などの入力情報はとても細かく、弾の情報は他のアプリとは比べ物にならないほど充実しています。
レティクル選択についても同様です、登録されているスコープは世界的に知られているものならほとんど網羅されています。
また、例えば先ほどのテーブル画面などもデータを簡単にダウンロードできるようになっていたりと至れりつくせりです。
弾道アプリをしっかり活用するにはこちらの方がお勧めですが、先に書いたように今はダウンロードできません。
早く復活して欲しいです…
まとめ
特にまとめることもないんですが(笑)
私がエアライフル猟(流し猟)を行うときの流れは、
1)獲物を見つける
2)うまく車を寄せる
3)レンジファインダーで距離を測る
4)弾道アプリに入力し狙点を確認する
5)車を降りて撃つ
といった感じです。
これは私がエアスラッグ弾を使用しており、無理に寄って撃つことが少ないために成立する方法かもしれません。
弾道アプリに入力する時間が取れない場合は、車のサンバイザーに貼り付けてある、5mごとのドロップ表を見てから射撃を行います。
初心者のうちは、獲物を見つけてもなかなかこうして冷静に射撃を行うことは難しいかもしれませんが、いつかは慣れますので、どうか安全にだけ気をつけて末長く狩猟を楽しんでくださいね。
本日はここまで。
ではでは。
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