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【ステンorカーボン?】モーラコンパニオンヘビーデューティーを使用比較してみた。

皆さんこんにちは。
モーラナイフの記事の評判が良かったので、2025年、新年1本目の記事はヘビーデューティーのレビューです。巳年だけにね🐍

【閑話休題】

というわけで、ヘビーデューティーの鋼材違い、ステンレス鋼と炭素鋼の両方を入手してみました。どちらも一度は所持したり使ったことはありますが、同時所有ははじめてです。

上がヘビーデューティーカーボン、下がステンレス

早速箱から出してチェックしてみます。当たり前ですがほぼ同じです。紙を切ってみますが、まあこの値段でよくこの切れ味が作れますよね。どんな工作機械使ってるんですかね。びっくりします。

というわけで髪を切るだけでは全く違いがわからないので、フィールドに持ち出し、ウッドクラフトを行ってみました。
※ブッシュクラフトというレベルの作業ではないのであえてウッドクラフトと呼称してます。

ハンドルの握り方

さてレビューの前にナイフの基礎の話です。木工系の作業をすると、ナイフを様々な握り方で持ちますが、意外と知らない人が多のが、このナイフの握り方です。
これらを覚えておくだけでも、より安全に、より便利にナイフを使用することが可能になりますので作業の前に簡単に説明してみます。

セイバーグリップ

親指はブレードの背に、他の指はハンドルの腹に

セイバーグリップは、親指をブレードの背に当てるレギュラーグリップで、力を掛けつつ細かいコントロールをするのが得意な握り方です。
主に削る用途で使用します。

ハンマーグリップ

親指はハンドルに回し、他の指は腹をしっかり押さえる

ハンマーグリップは力をかける場合の握り方で、押し切ったり、叩きつける用途で使用します。枝の節を削り取る、といったセイバーグリップでは力が足りない場合にも使用します。

クッキンググリップ

人差し指はブレードの背に、親指はヒルトを横から押さえ、残り3本はハンドルの腹に

人差し指をブレードの背に乗せ、親指はヒルトを側面から押さえるグリップ方法で、上の二つと異なり手前に引いて使います。コントロール重視、調理などが得意で、狩猟解体で一番使う握り方もこちらです。
ちなみこのグリップをしたときに人差し指の直線上にブレードのポイントが来る形状、サイズが、一番コントロール性に優れていると言えます。

ペングリップ

ペンを持つように人差し指、親指、中指の側面でヒルト付近を押さえる

ペングリップは、指先でちょこちょことナイフを動かし、ブレードの先端で細かいものを切るのに使います。狩猟解体で肉の奥の腱を切る、といった時に出番があります。

リバースグリップ

ナイフを逆手に持ち、親指はハンドルエンドを上から押さえる

リバースグリップはあまり出番のない握り方ですが、例えば刃先を何かに叩きつける、穿つ使い方をする場合、エッジが手前に向いていると万一の際、手首を切ることになるので、このように逆手に持って作業します。穿つ作業をする場合は、絶対にこの握り方を守りましょう。

木を削る

ヘビーデューティー ステンレス

グリップ方法を説明したところで、さっそく木を削ってみます。胡桃の倒木を拾ってきましたが、まだ半生で柔らかめ、作業のしやすい硬さです。細かく削るのでセイバーグリップで前に押し出すように削ります。
なんとなく、端をペグ状に尖らせてみました。ブッシュクラフトでよく使う作業ですね。

本当は箱出しそのままで使うべきだったのですが、ナイフ好きの手癖でどちらも同じように軽くブレードのタッチアップ済みです(笑)

作業しながらステンとカーボンを入れ替えて感触を確かめてみますが、正直大きな差はありません。ただ僅かにステンの方が滑る、カーボンの方が食いつくような感覚があります。なぜかは分かりません(笑)

つまりステンの方が扱いが楽で、カーボンの方が作業効率が良いです。
本当に微々たる違いですけどね。

どちらにせよ使い勝手は非常に良好で、やはりモーラナイフは木工ナイフがベースなんだなと感心します。
スカンジグラインドのナイフはバックベベルの面を木に当てて滑らせることで刃の角度が安定するため、初心者でも扱いやすいナイフです。

次に木にブレードを叩きつけてみます。こちらもカーボンの方が僅かに深く刃が入るような感触があります。刃の硬度が影響しているのでしょう。
ただ、2つを比べてどちらかに不満が出るような違いではありません。

久しぶりにヘビーデューティーをしっかり使いましたが、ノーマルコンパニオンと同形状でひとまわり大きくなったこのハンドルは、力をかけるシーンでも安心感を与えてくれますね。モーラナイフは本当に良くできています。

しかしながらステンとカーボンの比較は思ったような違いは出ない・・・
強いていうなら錆びる点を除けば鋼材自体はカーボンのほうがやや上、という印象です。

はい、比較は終了です(笑)

と思ったのですが帰宅後に、この散々木を削った後のモーラで紙を切ってみました。
すると確実にカーボンの方が切れ味を保っており、この辺りは差が割とはっきり出たと言えるでしょう。ただしどちらも軽くストロップ(革砥)を当てれば切れ味は元に戻りました。
結果としてコンパニオン系の鋼材としてはカーボンの方が優れていると言えるでしょう。

ブレード形状と木工作業

上からフィッシングスケーラー、ヘビーデューティー、モーラ2000

ちなみにせっかくコンパニオンヘビーデューティを持ち出したので、他のブレードタイプのモーラナイフと木工作業のやりやすさを比較してみました。

木になるべく小さく深くくぼみをつける、という目的で、フィッシングスケーラー、ヘビーデューティー、モーラ2000を比較してみます。

結果としては当然、細身で刃厚が2mmと薄いフィッシングスケーラーが一番小さく綺麗にくぼみを作ることができました。スケーラー(背の鱗取り)はサポートハンドの親指を押し付けると少し痛いですが、それでも木工ナイフとして十分に優秀で、切れ味も鋭いため、サクサクと気持ちよく気を削ることができます。
ヘビーデューティーも基本、木工ナイフのデザインなのでそつなくこなしますが、刃厚があるため、細かく削る場合は、刃高の低いブレードカーブ付近、先端を使って作業する形になります。
モーラ2000は刃厚は薄いものブレードハイトが高いため、抉るような使い方だとどこを使ってもブレードが邪魔して綺麗にはできませんでした。

並べてみると肌面の綺麗さに違いが出ていますね。またくぼみ自体もモーラ2000は少し大きくなってしまっています。
とはいえ綺麗にできるできない、というレベルの違いでしかない、とも言えます。

ブレード形状で作業効率(楽さ)は変わる

逆に大きい作業ではどうでしょう。拾った木がとても棍棒に良さそうでしたので、皮を大きいストロークで引いてみました。
こうした作業で重要なのはコントロール性と作業効率、です。
切れ味と細かいコントロールはまたしてもフィッシングスケーラーに分があります。正確に皮だけを削り取ることができます。しかし刃が鋭く、気を抜くと、皮より下に深く刃が入ってしまいます。また一度のストロークで切れる面積も少なく、作業効率は良いとは言えません。

ヘビーデューティーは精密性は少し劣りますが、大きく楽に皮を引くことが出来ました。ステンレスは滑りが良く細かいコントロールは難しいですが、作業効率=楽さに分があります。カーボンはこちらでもやや食いつき気味でコントロール性が求められますが、同じように使えます。
カンスボルブレードのモーラ2000もそつなく作業をこなしますが、大きくストロークさせた場合、スカンジグラインドの面積が小さいため、コンパニオンに比べると少し手数が増えてしまいますね。この作業で一番使いやすかったのはヘビーデューティーのカーボンでした。

ステンとカーボン、結局どっちが良い?

元々持っていた赤◯に今回青◯のモデルを追加した

今回追加したヘビーデューティはモーラナイフの中ではバランスタイプの用途のナイフです。
削るといった用途では切れ味は刃厚の薄いノーマルコンパニオンに分がありますが、その分はの当て方にシビアです。
深く考えずにガリガリ削るなら、適度に滑るヘビーデューティーが良いですね。

鋼材ははっきりいってどちらも十分に使えます。僅かな違いですが、より初心者向きで万能なのはステンレスでしょう。ブッシュクラフト寄りの作業が多いならカーボンを選ぶと良いと思います。

前回書いた、モーラナイフ4本を選ぶという縛りで選ぶなら、難しいところですがステンレス、かなぁと考えています。

というのも、食いつきの良いカーボンでも良いのですが、上にガーバーグを据えると考えると、ステンレスを選んだ方がバランスが取れると感じたためです。・・・そもそも両方買っちゃったんでどっちでも良いんですけどね(笑)

でもいつかこのどっちかも人にあげちゃうんだろうなと思ってます。モーラナイフはそれだけよく出来たナイフなのです。

ひたすら木を削り、とても良い棍棒ができました。

というわけで、まとまりの無い話でしたが今回はここまで。
モーラナイフはしばらく遊ぶ予定なので、また何か作業をしたらレビューしますね。

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ではでは。


※今回レビューしたモーラナイフはこちら

モーラナイフ ヘビーデューティーカーボン(モスグリーン)

モーラナイフ ヘビーデューティーステンレス(バーントオレンジ)

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