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【狩猟のお供に】シングルバーナーの選び方

皆さんこんにちは。
冬の狩猟では温かい飲み物や、ラーメンなど温かい食事を取りたくなることがありますよね。

エアライフルの流し猟なら、どこかで自販機に寄って、ということもあるでしょうが、自然豊かなエリアや山中ではそうもいきません。
そんな時に活躍するのが、キャンプや登山で使う、バーナーやストーブと呼ばれる携帯コンロと、クッカーと呼ばれる金属製の鍋やカップです。

そんなの当たり前に使ってるよ、自然遊びなんだから当然でしょ?という方もいらっしゃると思いますし、私もその一人ですが、世の中全般がそうかというと意外とそうでもないんですね。

私は以前アウトドアライターとして活動する傍ら、渓流釣りなどを専門とする釣具屋さんの雇われ店長をしていたことがあったのですが、毎週のように渓流に釣りに行く、というお客さんでも『なんか山で火をおこしてコーヒー飲める道具があるって本当?』といった質問をもらうことも少なくありませんでした。

前置きが長くなりましたが今回は、野外で温かい飲み物や食べ物にありつくための道具の紹介と選び方、そして使い方を簡単にご説明いたします。

アウトドア用バーナー

SOTO WEBサイトより抜粋:とてもわかりやすい説明ですね。

アウトドアバーナーとは要するにコンロです。基本的に火口が1個ですのでシングルバーナーと呼ばれます。登山系の言葉ではストーブと呼ばれることもありますが、どちらも同じです。このバーナーには何を燃料とするか、いくつかの種類があります。

ガスバーナー

OD缶を別体接続するシングルバーナー。安定感が高いが、収納サイズも少し大きくなる。すり鉢状の火口で風に強く、寒冷地、高地にもおすすめ。

ガスバーナーは液体燃料を気化させて燃料とする、一般的なバーナーです。
家庭用カセットコンロと同じ作りです。
アウトドア用のバーナーにはCB(セットガスンベ)缶と呼ばれる家庭用カセットコンロなどでお馴染みの燃料を使用するものと、アウトドア専用のOD缶(ウトア)缶を使用するタイプがあります。
この違いを簡単に説明します。

CB缶用バーナー

SOTOの名作シングルバーナーST-310。4本の足+缶本体が設置するため、安定感が高い。点火スイッチ付き。一般的な使用条件ではこれで間違いなし。スイッチのアシストと五徳のゴム足セットを付けるのがおすすめ。

まずCB缶は燃料の入手が簡単で安価ですが、本来アウトドア用ではないので高地や寒冷地の使用では燃料を上手く気化させることができず動作が不安定になる可能性があります。また缶のサイズもOD缶より大きくなります。
なおCB缶の入手はコンビニなどでも可能ですが、アウトドア用のバーナーは非常時以外は専用缶を使ってください。

OD缶バーナー

OD缶用のシングルバーナー。OD缶はクッカー内に収めて運ぶことが多く、その場合はバーナーもコンパクトなものを選ぶとスタッキングしやすい。
OD缶の上にセットするタイプなので安定性に注意。

OD缶は山などで使う前提で作られているため、缶の圧力も高く内容成分も寒冷地仕様になっています。また燃料缶もコンパクトなものが出ています。その代わり価格が高く、入手はアウトドアショップなどに限られます。

CB缶とOD缶のどちらが良いか、というのは使用環境によっても異なります。ただし、国内アウトドア用バーナー最大手のSOTOさんなどでは、寒冷地仕様のCB缶やコンパクトなものも販売しています。ですので、どちらか迷ったらCB缶用のバーナーで良いでしょう。
それと最後の注意点として、バーナーには点火装置が付いているものと、ないものがあります。軽量コンパクトモデルなどでは付いていない場合があるので注意しましょう。

ガソリンバーナー

プレヒート不要のガソリンバーナー。ホワイトガソリンと燃料用ガソリンが使用可能。シンプルでハイパワー。ガソリンバーナーにはデメリットを差し置いても魅力がある。

ガソリンバーナーは、ホワイトガソリンと呼ばれる専用の液体燃料を使用するバーナーです。最近のモデルでは燃料用ガソリンや灯油を使用できるものも出ています。これはバーナーに専用の燃料ボトルを組み合わせて使います。
ガソリンバーナーの最大のメリットは、何より圧倒的な火力です。また高地や寒冷地でも問題なく使用ができ、燃費も良いという特徴があります。
反面デメリットもあります。使用ごとに燃料を気化させるためのプレヒートと呼ばれる作業が必要である(最近は必要ないモデルが出ています)ことと、燃料の臭いがきついこと、そして使用中の音がかなり大きいことです。また使用後の煤なども凄いので都度メンテナンスをする必要があります。

アルコールストーブ

アルコールストーブといえばトランギア。燃料の無水エタノールは薬局、ドラッグストアなど身近なお店でも購入可能。安価で静か、簡単な作りが魅力。直接クッカーは乗せられないため、五徳などを用意する必要がある。

アルコールストーブはバーナーの中では最もプリミティブな道具の一つです。燃料は無水エタノールを使用し、これも気化熱を利用して効率的な燃焼とパワーを生み出します。
メリットはコンパクトなこと、そして臭いもなく音が静かなことです。
火力はこれらの中では一番弱いですが、それでも気化と圧力を利用して燃やしていますので、固形燃料よりはパワーはあります。
寒さに弱そうな印象がありますが、アルコール燃料ですので意外と安定して使えます。ただし、燃焼効率は、他の気化ガスストーブに比べると劣ります。
他のデメリットはパワーが弱く、風の影響を考慮する必要があること、火力調整が手間であること、五徳などを用意する必要があることでしょうか。

狩猟用には何が良い?

エア猟用のセット。クッカー 一式にバーナー、ガス缶、カトラリーを合わせてケースに入れている

これは狩猟シーンによっても変わってくるでしょう。
私はエアの流し猟の際には、CB缶のガスバーナー(SOTO ST-310)をクッカーやカトラリー、ドリップコーヒーなどと共に、缶ケースに入れて積んでいます。朝から流して、日も上がってもう獲物に出会わないなーと思ったら、適当な広場でテーブルと椅子を展開し、のんびりコーヒーを立てたりします。

山用のアルストセット。ユニフレーム山クッカー角型Sとベルモントのチタンシェラカップ深型2種をスタッキングして、中にトランギアのアルストを収納。袋ラーメン、コーヒーなどに使用する想定

一方、四つ足猟などの山中では荷物を軽くコンパクトにしたいので、アルコールストーブ(トランギア)を持ち込むことがほとんどです。
これは小型のガスバーナーでも別に良いのですが、山中の使用では静かにのんびり時間を楽しみたいので、アルコールストーブの方が出番が多くなりました。

また休憩、食事時間をなるべく短く済ませたい、といった目的があれば、給湯効率を極限まで上げたジェットボイルというバーナーとクッカーのセットを使うという手もあります。

OD缶を使用する専用バーナーとクッカーのセット。クッカーの底面はヒートシンク状になっており、熱を効率的に伝えることで脅威の湯沸かし時間を実現している。その反面大きさは嵩張る。

まとめ

ざっとシングルバーナーの説明をしてみました。シングルバーナーはここでは紹介しきれないくらい、様々なメーカーから、工夫を凝らした商品が出ています。
ここに紹介するような、信頼性もあり人気のシングルバーナーを使い慣れたら、もっと自分に合った商品を探してみても良いでしょう。

ただし一点、注意して欲しいことがあります。
それは、どこのメーカーの商品にしろ、国内の使用に安全性が確認されたPSマーク付きのバーナーを選ぶことです。

例えばガスカートリッジなどは、国内と海外で規格や構造が違ったりします。それによる爆発事故も実際に起きています。特に中国製の安価なものは、怪しいものがたくさんあります。

SOTO、イワタニプリムス、スノーピーク、トランギアといった、きちんとしたメーカーの正規品を使用しましょう。
今回の記事でリンクを貼った商品はどれもとてもおすすめですので、安心してご購入ください。

というわけで唐突ですが、今回はここまでです。
またこうしたアウトドア道具の使い方は記事にしてみようと思います。

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ではでは。


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