エアスラッグ博学審問⑧ペレット洗浄をしてみよう
2023.11.26リライト
こんにちは、このところ狂ったように射場に通っている宮原です。
突然ですが、皆さんは購入したエアライフル弾のクリーニングをしたことはありますか?
エアライフル弾として一般的な鼓弾=ディアボロ形状のペレットはヘッドとスカートの2点でバレルに接しており、胴全体でバレルに接触するエアスラッグに比べると、バレルの影響を受けにくいと考えられます。またペレットはバレルを離れた後に自動的に安定姿勢を取るので、非常に寛容な弾と言えるでしょう。
一方、エアスラッグの集弾精度はバレル内ですべてが決まってしまいます。
そのため、ペレットよりも弾の精度にうるさく、また汚れなどにも敏感であるように感じています。
そうした理由で、時間が取れる限り私は、エアスラッグは洗浄することを心がけています。
今回はそんな精神を安定させるための、エアライフルペレット洗浄のやり方をご紹介します(笑)努力に悪いということはない!!
※これはあくまで私が色々試した結果の自己流ですので、参考程度にご覧ください。
ペレット洗浄の目的とは
まずひとつは元のコーティングを剥がすことです。これは物によっては必要ないのですが、色々弾を仕入れていると、中にはコーティングが乳化して白くなっていたり、墨色に変色していたりします。
鉛そのものが皮膜を生成している場合は、もうどうしようもないのですが、ルブが乳化している場合は、バレルの汚れにも繋がるのでできるだけ落としたいものです。(集弾精度には体感できるほどの差は出ませんが)
もうひとつは切り粉の除去です。一般的にエアスラッグ弾はスエージング製法で作られますので、ペレットより大きな鉛の切り粉が多く、特にホロー付近は大きな塊で残っていることがあります。
これらは万一バレルに残ると精神衛生的に良くないですので、除去したいものです。
ペレット洗浄をしてみよう
用意する道具はこちら
・樹脂のボウル+ザル(100均で購入可)
・ステンレスバット(100均で購入可)
・チャック袋(小)(100均で購入可)
・キッチンペーパー
・タオル
・ルブ(今回はベルハンマーゴールドスプレー)
・エアスラッグ
・中性洗剤(写真外)
エアスラッグをザルに入れる
ボウルにザルをセットし、弾を入れます。樹脂製を選んでいるのは弾に極力ダメージを与えないためです。
弾を移し終わったら、軽くザルを回してから、下のボウルを覗いてみましょう。
結構な切り粉があります。この中央付近のやつなんて、もしバレルと弾の間に噛み合ったら、着弾がズレそうな予感しかしませんね。
後の確認のために一度洗い流して綺麗にしましょう。
洗剤を投入し、お湯を注ぐ
今回撮影に使用したパトリオットジャベリンスラッグは、特にコーティングに問題はないのですが、汚れがひどい時にはまず強力な洗剤を使います。
みんな大好きシンプルグリーン原液をキャップ一杯ほど投入し、火傷しない程度の熱さのお湯を注ぎます。
この洗剤、全然泡立たないのですが、洗浄力は抜群です。
昔からオートバイの下回りの洗浄に使っていました。(その界隈では定番)
ただ匂いが独特で、私は頭痛がします。換気扇全開をお勧めしますw
ザルをゆっくり回して洗浄
弾が浸る程度にお湯を張り、あずきザザーの気分でゆっくり弾を転がします。この時点で下のボウルを確認すると、かなりの切り粉が出ているのがわかります。
お湯を交換しつつ切り粉を確認する
これを何度も繰り返すのですが、今回は途中でお湯を全入れ替えし、家庭用洗剤に切り替えてます。これは泡の力で切り粉を効率的に剥がすためで、弾のコーティングに問題なければ最初からこの家庭用洗剤でOKです。
現在は、水道の流水を直接弾に当てて掛け流しながら転がすようにしています。手でごりごりかき混ぜるより弾のダメージも少なく、切粉も取れやすいことがわかりました。
※やりすぎは逆に弾の変形を起こす可能性があります、ほどほどの見極めもしくは妥協が肝要です。
家庭用洗剤に切り替えたら切り粉が再び出てきましたw
何度か繰り返し最後に出てきたのがこちら。
なんでこんなに出てくるの、とお思いかもしれませんが、主にスラッグのホローの中に削りカスが残ってるんですよね。1発ずつ手で取っても良いんですが、今回のやり方でほぼ取れることがわかったので、今はこれだけです。
そのほかにも型に鉛を押し込み整形する際に、表面に切粉が張り付いていたりします。
タオルで水分を取る
切り粉がボウルに出なくなったら、ザルを上げ、一度タオルに乗せてあらかた水分を除去します。
清潔なタオルを使いましょうw
バットに移し、ドライヤーで乾燥させる
ステンレスバットにキッチンペーパーを敷き、弾を移します。
ころころと何度か転がしてからドライヤーをかけます。
手で持てないくらいの温度になるまで数分ドライヤーを当てましょう。ただしその状態でもホロー内の水分は抜けませんので、弾がしっかり温まったら、しばらく放置します。
ドライヤーを当て続けても良いのですが、意外と乾きませんので、余熱を利用して楽をしましょう。
天日乾燥も可能ですが、弾はコーティングが剥がれている状態ですので、気づいたら鈍色に変化してた、という経験があります。速やかに乾かしてあげる方が理想的です。
チャック袋に入れてルブを吹きかける
ホローの中まできちんと乾いたら念の為、再びドライヤーを当てます。
今度は手で触れるくらいの温度で止め、速やかにチャック袋に入れて、ルブを吹きかけます。
入れるルブはお好きなものを使いください。今回は手元にあったベルハンマーゴールドスプレーを使いました。
液体タイプでもスプレータイプでも弾全体にルブが行き渡ればOKです。
この際、ホローに水分が残っているとルブが乳化して白くなりますので乾燥は十分に。また弾を少し温めておくことでルブの伸びがよくなります。
時々天地を入れ替えて放置
とはいえ、すぐにはルブは全体に浸透しませんので、この状態でしばらく放置します。すぐに使わないのでしたらこのまま保管してもOKです。
ただし平らな場所に広げておいた方が均一にルブが回ります。
ルブが多すぎたり、弾が重なる状態で保管すると、余分なルブがホローの中に溜まって精神衛生上気持ち良くないので、弾が横倒しでフラットになる状態が理想です。こうしておけば最初にルブがホロー内に溜まったとしても、時間をかけて抜けてくれます。
キッチンペーパーで余分なルブを抜き、ケースに仕舞う
実際に使用するには、このままだとルブがつき過ぎていますので、軽くルブを除去します。
先のステンレスバットにまたキッチンペーパーを敷き、弾を開けて何回かゆすり、余分なルブを吸わせてしまいます。
ここまでできれば完成です、ペレットケースなどに入れて、お使いください。
なお、私が愛用しているZANスラッグは、現在はラップフィルムの包装になり、またメーカー直で取っていることもあり、コーティングに問題はなく、弾はピカピカです。また切り粉もかなり少なめです。
コーティングの劣化については一概にメーカーに問題があるということでもなく、ショップ側の保管状況でも結構変わってきます。
それでもZANのようにラップフィルムであったり、缶で密封しているエアスラッグ/ペレットは比較的当たり外れがない印象です。
ちなみに私はペレットは洗浄したことはありませんw
しなくてもワンホールですし、スカートの潰れだけ気にすれば良いと考えてます。
エアスラッグについても必ず洗浄するわけではなく、猟期だとか競技だとか本気の時だけ洗浄したものを使っています。
ただ今回の洗浄は特別お金のかかるものではないので、皆さんも一度試してみても良いかもしれませんね。
ではでは。
※お読みいただきありがとうございました。
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余談
今回弾の再コーティングに使ったベルハンマーはこちら。
極圧下において皮膜を生成、表面改善をするので、銃の稼働部のメンテにも最適です。
海外で絶大な人気を誇るペレットルブががこちら。
本来は家具用のコーティング剤で、レモンの香りです。オレンジの香りもありますw
どっちも高えYO!ホントに効果あんかなんか安価で試してみてえYO!
と韻を踏みたいあなたにはシリコンスプレーが定番なので試してみても良いかも。