【徹底解説】初心者向け🔰モーラナイフの選び方【狩猟・アウトドアに】
皆さんこんにちは!
突然ですが、狩猟に限らず、キャンプやブッシュクラフトなど、アウトドアズマンなら一度は使ったことがあるナイフといえば、スウェーデンのモーラナイフでしょう。
私も過去何度もモーラナイフを購入してきました。以前はキャンプやブッシュクラフト、野遊びを中心に使用していましたが、最近はもっぱら狩猟解体に使っています。
モデルも色々試したが、どれもそれぞれ個性があり良いナイフだと感じています。
さて、とはいえ多くの方がモーラナイフに手を出す最大の理由は、なんといってもその価格の安さでしょう。
代表的モデルであるコンパニオンで2000円程度、最近出た廉価モデルのベーシックでは1500円程度と、競合が存在しないレベルで破格です。
もちろん、モーラナイフが安いのには理由があります。鋼材やグリップ、シースなど高級ナイフと比べればかなりコストカットされています。にもかかわらず、その性能を悪く言うのは、ナイフ好きの人でもなかなか難しいのではないでしょうか。
つまり、それだけ実用性を考え抜かれて作られたナイフがモーラなのです。
現代モーラナイフの種類
よくアウトドアや狩猟初心者の方から、オススメのモーラナイフは何か質問をもらいます。
現在、モーラナイフの製品ラインナップはかなりの種類があります。確かに初心者がここから最適なものを選ぶのは難しいですね。
結論から言って、何がおすすめかはその人のスキルや目的、用途によって変わってきます。だからと言ってやたらめったら商品リンクを貼り付けたりはしませんので安心してお読みください(笑)
というわけでこの記事では、私の今までの経験からこれらを整理し、わかりやすく解説することで、皆さんにオススメのモーラナイフはどれなのか、ということを考えていきたいと思います。
ちなみにモーラにはクラシックなウッドハンドルを採用した機種もあるのですが、今回は樹脂ハンドルを採用した現代ナイフに話を絞って解説していきます。
全ての基本、コンパニオン
まずモーラナイフの基本、主力機種といえばなんといってもコンパニオンシリーズです。一般的にモーラナイフといえばこれをイメージするでしょう。
細身のスカンジブレードに少し傾けた樽型グリップを組み合わせたナイフです。鋼材にはカーボンスチールとステンレスの2種類が用意されています。
モーラではこのコンパニオンを中心に、①ブレード形状②刃厚③刃長④鋼材⑤グリップ(シース)を変えることで様々な派生モデルを販売しています。
さて全くナイフのことが分からないという読者の方は、私が書いたこちらの記事をご覧ください。ナイフ選びの基礎知識です。
ナイフに求められる機能は、切る、削る、割る、穿つ の4つを基本に考えると良いです。
さて話を戻して、モーラナイフを選ぶ上で、まず基本となるのがブレード形状とグリップについてです。
ブレード形状
ブレード形状はナイフの使用用途に大きく影響します。そのナイフがどういう用途でどう動かすものなのか、これはブレード形状で得て不得手が見えてきます。ひとまず私の独断で大きく4つの種類に分けてみました。
モデルによっては同じデザインで刃長が違うモデルもあります。その辺は後程触れるとして、まずは全体のデザインから見てみましょう。
コンパニオンブレード
モーラのスカンジブレードの傑作がこのコンパニオンブレードです。低い刃高に浅いバックベベル、浅いブレードカーブが特徴の少し尖った形状です。
これは北欧の木工ナイフをベースとしたデザインで、木を『削る』を中心にその他の用途もそつなくこなせるようにデザインされています。刃高が低いので刺突にも良いでしょう。刃先をちょこちょこ動かして作業する、という場合も使いやすいです。一方、ブレードカーブが浅いため大きく刃先を滑らせて(引いて)切るような使い方にはやや不向きです。例えば獲物の皮を剥ぐといった使い方では、ストロークが短くなり手数が増えます。
大きな作業より、やや細かい作業向きの形状です。
ノーマルコンパニオンの刃厚は、炭素鋼は2mm、ステンレスは2.5mm、ヘビーデューティはどちらも3.2mm、ベーシックも炭素鋼/ステンレスともに2mmとなっています。
ガーバーグブレード
ブッシュクラフト向きのフルタング(ハンドル全体に鋼材が入っている)ナイフ、ガーバーグに使用されるブレード形状です。普遍的なブレードデザインで、コンパニオンより刃高があり、バックベベルの深さはコンパニオンと同じですが、ブレードカーブが大きくなっています。またスパイン(背)はポイントに向かってわずかにドロップしています。皮を剥ぐ、肉を切り出すといった、大きいストロークで引き切る作業が快適なカーブ形状です。またハンドルに対し真っ直ぐにブレードが伸びているため、木を削るといった使い方でのコントロール性が良好です。
刃厚は炭素鋼、ステンレス鋼ともに3.2mmで、他モデルとは鋼材が異なるハイエンドラインです。
カンスボルブレード
ガーバーグと同じブレードラインで基本特性も同様ですが、カンスボルのブレード厚は2.5mmで、プロファイルグラインドと呼ばれる、カーブ手前からさらに刃厚が削られて薄くなる独特の形状です。これにより強度を確保しつつ刃先の切れ味を上げています。ベースはノーマルコンパニオンのステンレスと同じ刃厚ですが、刃高があるのでこちらの方が剛性感はあるように感じます。根本は削る用途に使え、薄くなっているブレードカーブ付近は引き切る用途に向いています。獲物の皮剥ぎや調理用途であればガーバーグより使いやすいと思います。ただし、木を削る、骨を滑らせて肉を切り出すといった場合は、刃が薄く切れ味が出る分、刃角に慎重になる必要があります。ベースが2.5mmで、刃先はさらに薄くなるため、バトニングやチョッピングは不向きです。
鋼材はステンレス鋼のみです。
フィッシングブレード
これは特殊用途ナイフで、魚を締める用途を基本に、肉をおろす、といった調理に使えるように考えられた隠れた名品です。
北欧木工ナイフとフィレナイフを合体させたデザインです。
コンパニオンをベースに刃高をさらに低くしており、切れ味が非常に良く、さらに刺突に特化しています。大きなブリやマダイ、スズキなどを釣った時にサクッと脳天に突き刺し、締めるのに重宝しています。私は釣り用なので98mmブレードのモデルを使用していますが、150mmブレードのモデルもあり、これは四つ足の止め刺しにも最適なのでは、と考えています。誰か試してみてください(笑)
フィレ形状なので魚の3枚おろしも普通のナイフよりは綺麗にできますし、木工にも意外と使いやすいです。知られていない名作です。調理と細かな木工ならこれが一番です。
2mm厚のステンレス鋼のみのラインナップです。
ハンドル形状
次にハンドル形状です。ハンドルはそのナイフをどう持って使うか、によって最適な形状が変わります。スカンジナイフの特徴である樽型ハンドルは、使い手や握り方を選ばない汎用的なデザインです。その反面、特化したわけではないので、用途が決まっているなら、より適したデザインもあると言えるでしょう。
用途を考えブレードデザインが決まったら、次にその用途の中でさらにどこを重視するかをハンドルデザインで決めていきましょう。
コンパニオンハンドル
コンパニオンを中心に採用されるハンドルです。樽型を基調にやや扁平で、グリップエンドに向けて傾斜がついたデザインです。
コンパニオンが愛される理由のひとつはこのハンドルにあるでしょう。
どんな握り方でも使いやすく、グリップエンドが下がっているためナイフを回転させるような細かい作業でも手のひらに引っ掛からず、快適です。ペングリップでも握りやすく、軽作業を主軸とした万能なデザインです。
難点としてはブレード根本=ヒルト部が膨らみのないプラスチックなので滑りやすく、力を掛ける作業では、やや心許無く感じるかもしれません。
獲物の解体では、脂がついたときも滑りやすいのがやや気になりますね。
基本的にはあまり強い力を掛けない細かい作業に向いたデザインです。
ちなみにヘビーデューティシリーズのコンパニオンハンドルは力をかけやすいよう、同じデザインでも一回り大きく作られています。
ガーバーグ/カンスボルハンドル
樽型タイプの汎用ハンドルがこれです。ガーバーグはフルタングなので、グリップエンドまで芯が入っていますが、ナロータングのカンスボルも基本的には同じ形状です。ハンドルはブレードから直線的に伸びており、ブレードの根本で木を削る、といった場合のコントロール性に優れます。グリップエンドとヒルトがフレアしているため安心感があり、ボディもグルーブが切ってあるためかなりしっかり握れるハンドル形状です。一方グリップエンドやヒルトの開きは、刃先だけを動かすような作業では少しギクシャクします。細かい作業より大きい作業、力をかける作業向きの形状です。
ちなみにこのハンドルは、シースに収める向きに制限がなく、左右どちら向きでも入ります。これ、結構便利です。
ブッシュクラフトハンドル
その名の通り、ブッシュクラフトを目的としたハンドル形状です。正手で力を込めやすいようハンドルの背はわずかにカーブしています。またモーラにしては珍しくフィンガーグルーブを掘っており、深く握り込めるようになっています。さらにグリップエンドとブレード側に突起を設けて滑り止め効果を持たせています。力を掛ける使い方を想定していますがガーバーグハンドルに比べると細かい作業もしやすい印象です。
ブッシュクラフトは木工+サバイバルなので、名称通りの絶妙なハンドル設計といえるでしょう
ベーシックハンドル
モーラナイフの最廉価モデル、ベーシックに採用されるハンドル形状です。硬質プラスチックベースのものとゴムグリップのものがあります。
樽型で持ち手を選ばない汎用的な形状です。フィンガーガードを大きく作ることで手を滑らせ怪我をするリスクに配慮されています。
炭素鋼 or ステンレス?
モーラナイフの選び方はここまでのブレードとハンドルで、七割がたが決まってきますが、さらに鋼材選びも重要です。
モーラナイフでは炭素鋼とステンレスの2種類のブレードが選べるモデルが多くあります。この2つの違いを簡単に説明します。
まずは炭素鋼。コンパニオンシリーズではC100Sという炭素鋼を使用しています。切れ味と刃持ちがよく、コストパフォーマンスに優れた鋼材です。
一方、炭素が含まれる鋼は錆びやすい、というデメリットがあります。
ただし、錆びやすさは、使用後にきちんと洗う、拭く、乾かすといった対処が可能です。
もうひとつのステンレス鋼は、スウェーデンのサンドヴィック社が開発した12C27N鋼材を使用しています。
錆びにくさが一番の特徴で、価格に対して十分な鋼材と言えるでしょう。
ただし上記炭素鋼と比べると、切れ味や刃持ちは明らかに劣ります。
※上位モデルのガーバーグでは、炭素鋼、ステンレス鋼ともにコンパニオンシリーズとは異なる上位鋼材を使用しています。
ナイフの鋼材は、ちょっと勉強をするとどんどん良い(高級な)ものが欲しくなるのですが、自分でメンテナンスをする場合は、これは必ずしもおすすめできません。
なぜかと言うと、硬い鋼材ほど研ぐのに技術を要するためです。
例えば硬い鋼材として有名なZDP-189やELMAXといった粉末冶金鋼材は、刃持ちも切れ味も素晴らしいですが、適切な砥石、工程と技術で研がないと切れ味が出ません。私もきちんと研げるようになるまで苦労をしました。
日常的に使うのであれば、ナイフ鋼材はメンテナンスしやすい硬さの方が、結果的に切れ味は保てると思います。
モーラについては、この2つの鋼材はどちらもメンテはしやすいですが、狩猟ごとに軽いメンテをできるなら炭素鋼を、そこが少しズボラならステンレス鋼を選ぶと良いでしょう。
※これは私の個人的感想ですが、2つの鋼材を比べた時、ステンレスは明らかに刃持ちが悪いです。これを都度メンテナンスすることを考えると、炭素鋼を選んで都度錆対策(水気を拭き取るなど)をしても手間は変わらないのではと感じました。切れ味と刃持ちは炭素鋼の方が優れていますので、どうしても錆びさせてしまう理由がない限りは炭素鋼の方がおすすめです。
ただし、これはなぜかというのがはっきりしないのですが、ステンレス鋼の方が炭素鋼より僅かに刃の滑りが良く、木を削ったり、獲物の骨に刃を当てて引き切る際には楽ちんだなとは感じます。
コンパニオンヘビーデューティーでのステンレス/カーボンの比較レビューはこちらの記事をご参考ください。
刃厚と強度、切れ味
例えばコンパニオンへビーデューティーなど、いくつかのモデルには刃厚を変えたバリエーションが存在します。
例えばノーマルコンパニオンの炭素鋼は2mm、ステンレスは2.5mmです。ヘビーデューティ/ブッシュクラフト/ガーバーグはどちらも3.2mmになります。ベーシックは炭素鋼/ステンレスともに2mm厚です。
モーラ2000、カンスボルはステンのみで2.5mm厚(元厚)です。
ナイフの切れ味を求めた場合は、刃厚は薄い方が有利になりますが、そのぶん強度が落ち、刃持ちも悪くなります。
また、ブレードを獲物の骨に当てて滑らせるといった用途では刃厚がある方が角度が決まりやすく、作業が楽になることがあります。
また刃厚があると強度が増し、力を掛ける作業では安心感が出ます。
(これは刃高が増すことでも同様の効果はあります)
個人的には、優れたナイフとはとにかく切れるナイフではなく、切りたい時には切れて、切りたくない時は切らないナイフだと考えています。
単純に切れ味だけが正義であれば、包丁、カッターナイフ、メスなどが一番で、これらはどれも刃厚が非常に薄い刃物です。
解体用途でも、プロの屠畜屋さんが使うのは包丁です。
これらは硬いものを切らないという前提で、強度と引き換えに限界まで切れ味を上げています。その代わりに、切れ具合をコントロールする技術、繊細さが必要になり、また用途の違いによって刃物を持ち替える必要が出てきます。
一方多くのアウトドアナイフは切れ味を代償に強度を上げています。
もちろん刃厚のあるナイフでも研ぎ方によっては切れ味を上げることはできますが、やりすぎると刃持ちが極端に落ち、ナイフ本来のメリットがスポイルされます。
あえてアウトドアナイフで狩猟解体するそのメリットは、究極【楽をするため】だと私は考えています。
フィールドで獲物を解体する、作業するといった場合、必ずしも万全な環境で刃物を扱えるわけではありません。そんな時、より簡単に扱える刃物があると、結果的に綺麗に解体ができたり、うまく作業ができる、といったことがあります。
というわけでこのモーラナイフでも目的や自身のスキルによって、どの厚み、切れ味が【楽できるか/使いやすいか】は変わってきます。
狩猟で言えば、手数を増やしても綺麗に解体したいor手数は少なく素早く楽をしたい、というように、目的は人によりそれぞれです。
※例えば私の狩猟解体の目的は【なるべく筋膜や切断面を荒らさずに欲しい部位だけ綺麗に抜き取りたい】で【楽はしたいが多少時間が掛かっても、道具を増やさずに済ませたい】と考えています。
よって今は、1本で済ますならカンスボルブレードがのモーラが自分に一番ちょうど良いナイフだと感じています。
しかし、2本使って良いなら、肉を切るメインにはフィッシングスケーラー、皮を引く+関節を外す(軟骨を切る)あばらを脊椎から外す用途にはモーラ2000(カンスボル)を選ぶでしょう。
こうした自分の用途に最適なブレード形状、刃厚と切れ味は、結局使って経験値を溜めないとみないとわかりませんが、モーラナイフの場合は厚くても3.2mmですので、狩猟用途ならどれを選んでも大きく間違う、使えないことはないでしょう。
モーラナイフを整理してみる
さて、ここまでに説明した特徴の組み合わせにより、モーラナイフは非常に幅広いラインナップを持っています。
新製品やラインナップ落ちもあるため、検索しても何が何だか分からなくなりますが、試しに表にしてみたところ意外とシンプルになりました(笑)
ここで気づいたのは、モーラナイフの違いが理解しづらいのは、モデル名称の基準がブレードとハンドルそれぞれあるのが原因ではないでしょうか。
そこで実際の選び方はこの表のように、ブレード形状から必要なモデルを絞っていくのが良いと思います。
ブレード形状をベースに実際のモデルと合わせ解説してみます。
コンパニオンブレードのナイフ
ベースとなるコンパニオンは炭素鋼2mmステン2.5mmの汎用ナイフで他モデルに比べると細かい作業向け。ヘビーデューティーは刃厚が炭素鋼/ステンも3.2mm。ブッシュクラフトはヘビーデューティをベースに深く握れるハンドルに換装し刃長も109mmと僅かに長い。ベーシックは廉価ナイフで炭素鋼/ステンともに刃厚が2mmで、刃長が少し短い91mmとなっており、より細かい作業に向いている。
ガーバーグブレードのナイフ
炭素鋼/ステンともに3.2mm厚。ステンは12CN27の上位互換14C28Nを使用していると言われている。炭素鋼も良い鋼材に換装されていると思われる。モーラ唯一のフルタングナイフの高級機種(それでも1.5万円ほど)
コンパニオンに比べると大きい作業に向く。
ただし、14C28N鋼材は硬く研ぐのに少々技術が要る。自分で研ぐ/研ぎになれてない方はカーボンを選択する方が良い。
カンスボルブレードのナイフ
鋼材はステンの2.5mmのみ。ブッシュクラフトハンドルを採用したフォレストがある。モーラ2000はカンスボルの前身?私も所有しており、こちらはハンドルがわずかに異なる。
刺突以外の用途でのバランスが非常に高いが、割る作業には向かない。(できないわけではない)
フィッシングブレードのナイフ
フィッシングスケーラーは98mmと150mmの刃長がある。98mmはコンパニオンよりより細かな作業に向き、切る、削る用途向き。刺突にも良い。
まとめ
どうでしょうか?こうやって整理してみると意外と簡単に見えてきませんか。
ブレードを細かく動かしたいのか大きく動かしたいのか、
切るなど力をかけない作業が多いのか、バトニングなどハードに使いたいのか、これらでブレードとハンドルの選択肢が決まってくると思います。
上の図はこれらを示したものですが、得意とするところを示しているだけで、例えばガーバーグで調理ができないわけではありません。
さてここまで読んだけど、まだ自分に何が向いているか分からないよ、という方は、↓こちらを基準にしてみてください。
・簡単な木工作業と調理用にはノーマルコンパニオン。刃厚が薄いカーボンはより調理向き。
・調理メインでちょっとだけ木工作業をするなら、フィッシングスケーラー098。本来釣り用だが、コンパニオンの得意分野とさらに特化させた感じ。アウトドアナイフでこれ一本、というモデルではないがサブナイフとして持っていて損はない。
・調理をストレスなくこなし、木工作業もいざとなったらできる、という場合はカンスボル/モーラ2000。同じブレードのブッシュクラフトフォレストは、やや木工作業に向いているか。
・軽いバトニング、ゴリゴリ木を削るなどハードな作業と豪快な調理をするならヘビーデューティー。調理作業では硬い野菜が割れてしまいがちだが、アウトドアナイフとしてはオールマイティ。
※ヘビーデューティで細かい作業を重視ならそのままコンパニオンハンドルを、力を掛ける作業重視ならブッシュクラフトハンドルを選ぶと良い。
・本格ブッシュクラフト、削る、叩く、といった力を掛けたり、大きい作業をメインにするならガーバーグ。刃厚は3.2mmなので調理も無理ではない。
といった感じで、ここにさらに炭素鋼なのかステンなのかという選択を加えれば、どれを買うべきかが見えてくるのではないでしょうか。
ちなみに、これらのモデル以外にもエルドリスとか波刃だとかポイントが丸いとか水に浮くとか、特殊用途/限定モデルがいくつかありますが、まあそれらがもし必要なら、この記事を参考に考えてみてください。
また、それぞれのモデルにシース(鞘)がカスタマイズされているものもあり、ファイヤースターターが付いていたりと、より自分の目的に合わせた選択が可能になるでしょう。
そして最後は、見た目が好みのナイフを買いましょう。
買ってみたけど全く使えない、なんてことはないですし、モーラなら金額もそこまで痛手にならないはずです。
ちなみに、今回はナイフの紹介なので書いていませんが、そもそもモーラには切れ味特化の狩猟解体用ナイフ(包丁)のラインナップがあります。解体施設で丁寧に捌くならそれも手ですね。
というわけで久しぶりにこんな長文の記事を書いてしまいました。
最後に私の個人的偏見のお気に入り、気になるものをいくつか紹介しておきますね。
バトニングやチョッピング、ハードな作業に向いているのがこのガーバーグ。このモデルはステン/カーボンともにコンパニオンより良い鋼材を使用しているが、こちらもやはりカーボンの方が優れているように感じる。モーラにしては高価だがこの品質でこの価格、中国メーカーでもなかなか超えられるものではないと思う。
現在愛用中。本稿でカンスボルブレードと表現したがこのブレードはモーラ2000が先で90年代には発売されていた。このナイフの存在により、もう2000で良いじゃん、とスタメン落ちしたナイフのなんと多いことか。やや下太りの樽型ハンドルで、表面はグリップの良いシワ加工。握り方を問わず使いやすい。この写真見て気づいたけど、自分のモーラ、8年ほど使用し続け、研ぎすぎてめっちゃ細くなってる(笑)そろそろ買い換えるか…
カンスボルブレードだけどカンスボルラインではないブッシュクラフトフォレスト。カンスボルやモーラ2000の樽型ハンドルはグリップ力も汎用性も高いものの、ペングリップなどの細かい作業にはやや不向きなので、獲物の解体メインならこっちの方が良いかも。手持ちのモーラ2000がダメになったらこっちにする予定。
ヘビーーデューティのステン/カーボンはどちらも3.2mmブレードで形状も同じ。主観で言わせて貰えば、絶対ステンにしたい理由(錆びにくい)がないならカーボンの方が優秀な鋼材だと感じた。ちなみに狩猟にもよさそうなこのオレンジは、実際は結構淡い色(モーラ2000は発色の良いオレンジ)
鮒釣りに始まり鮒釣りに終わる。それと同じようにモーラ使いがいつか帰ってくるのがノーマルコンパニオンのカーボンブレード。研ぎやすいので自分で研ぎを勉強したい方の一本としておすすめ。2mm厚なので切れ味が良いが、力をかける作業には向かない。これを使っていると逆に玄人の匂いがすること間違いなし(体感や効果には個人差があります)。
最近買った満足度の高い一本。釣り用(締め、三枚おろし)に使っているが、鳥を捌いたりにも重宝。フィレナイフより硬いので刺突にも便利。モーラ2000(もしくは↑のフォレスト)とこれの組み合わせで、狩猟含めたアウトドア全般どうにかなりそうか気がしている。細いので木工もいけるし。このデザインで150mmブレードモデルもあるので止め刺しにも良いかも。ちなみにスパインのギザギザはスケーラー(鱗取り)。釣り以外で使うとスケーラーが指に食い込みちょっと痛いのはご愛嬌。
以上となります。
ちょっと長めになってしまいましたが、この記事を書くことで自分でも整理できてスッキリしました♪
この記事やナイフについて皆さんの質問やコメントもどしどしお待ちしております♪答えられることでしたら速やかにお返事差し上げます。
最後に、良い記事だったよ、という方はぜひ
スキボタンを押してくださいませ。
またすごく勉強になったよ!という方は、チップ(サポート)でも応援してただけると、今後の創作意欲につながります♪
(現在、チップシステムはPCブラウザ対応のみ)
さて、どうやら本稿で私のnoteも100記事達成となったようです。
今後も皆様が楽しめる、有用な記事を提供できるよう努めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。