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【初心者向け】狩猟用エアライフルの選び方〜②おすすめ銃編【2024年 最新版】

前の記事では、狩猟用エアライフルの選び方を、用語や選ぶポイントで紹介しました。

今回はこれらを踏まえて、初心者向けの、鳥猟を中心とした狩猟におすすめしたいエアライフルを選んでみました。
これを書くにあたり残念ながら、私のスイス銀行の口座に袖の下が振り込まれませんでしたので、完全に忖度なしで書いていきます。

ただしメーカーや販売店に忖度はありませんが、私が触ったことがあるもの、構造を知っているもの、といった偏見は入りますのでご注意ください。
また基本的には5.5mm口径を基準に、ペレット弾用のエアライフルを選んでいます。
鳥猟用途
故障しにくいもの
信頼性が確かなもの
命中精度が確かなもの
据銃しやすいもの
コストに優れたもの

などを重視しています。

また最近のハイエンドモデルはエアスラッグ弾の使用を前提にハイパワー化されている機種が多く、そのまま標準ペレット弾(5.5mmなら18gr程度)を撃つと弾速が高くなり、精度の面では最適といえないモデルも多くあります。今回はそうしたものは載せていません。
出力は5.5mm口径で30ft/lbsを基準に選んでいます。

そして独断と偏見でカタログスペックだけではわからないポイントを☆5段階で評価してみました、とはいえお勧めする銃の中での比較ですので、星が少ないからといって必ずしも悪いわけではありません、ご留意ください。

静粛性:発射音の静かさです。同じ機種でも口径が大きいほどうるさくなる傾向があります。
据銃性:据銃の構えやすさ、安定感を判断しています。構えやすい形状でもバレルが短いものはふらつきやすくなるのでマイナス査定しています。
マガジン:前記事でも触れた非常に重要なポイントで、マガジンの使い勝手を評価しています。
コスパ:これは文字通りコストパフォーマンスを表しています。単純に安いもの、ではなく価格に対して工作精度や品質、機能などで判断してます。

ライフルタイプ

前回の記事でも書いたように、据銃姿勢が安定しやすいのがライフルタイプです。いわゆる猟銃然とした伝統的な形状と、最近はタクティカルタイプも増えてきたので加えています。
伝統的なライフルタイプの形状は長い歴史を持ち、つまりは銃の形として完成されたものです。それ故に初心者が所持するのにも安心してお勧めできるもので、スペック的には最新機種には及ばないものが多いですが、必要十分なものです。

一方、ライフルタイプでもピストルグリップを備えたタクティカルモデルは銃のデザインに自由度が生まれ、また好みに応じグリップも交換可能です。反面、慣れていないと肩付けが甘くなったり、トリガーをガク引きしやすい傾向があります。

DAYSTATE Huntsman revere

5.5mm30ft/lbs仕様●全長928mm●銃身長430mm●重量2.9kg●出力30ft/lbs●タンク容量162cc●最大充填圧力250bar●Reg圧145bar●発射可能数39発●価格¥328,000

静粛性 ★★★☆☆
据銃性 ★★★★☆
マガジン★★★★☆
コスパ ★★★★☆
ハンツマンは私が最初に買ったエアライフルです。当時はTJO取り扱いの第1世代モデルでハンツマンリーガルという名前でした。
当時から見た目の美しさはピカイチでしたが、超ハイパワーで煩く、集弾性能という点では、イマイチ・・・エアライフルの知識もまだない私は泣く泣く手放したのでした。

現在はというと、デイステートは栄興さん取り扱いに代わり、銃もレギュレーター付きで、サイドレバーコッキングのモデルのリビアにモデルチェンジしました。出力も抑えたことで静粛性も高くなり、ウッドストックの仕上げも美しい!主観ですが見た目の美しさはナンバーワンです。

マガジンはクローズドタイプのカセットマガジンですが、かなりよく出来ていて使いやすいものです。
タンク容量はかなり控えめの162ccで、発射可能数は39発・・・いや、そんな撃てるか?(笑)まあそもそもたくさん撃ちたい、という方に勧めるエアライフルではありません。
静粛性を星3つにしていますが、特に静かな銃からの比較ですので決してうるさくはありません。

十分な性能を持った、伝統的で美しいエアライフル。
機能性にすけべ心を出さないなら、これが一番安心して長く使い続けられるのではないでしょうか。とてもおすすめです。

Air Arms S510 HP SL R

5.5mm仕様●全長1103mm●銃身長663mm●重量3.4kg●出力32ft/lbs●タンク容量288cc ?●最大充填圧力Nα●Reg圧Na●発射可能数Na●価格:¥462,000

https://guns.co.jp/shop/air-arms-s510-hp-sl-r/

静粛性 ★★☆☆☆
据銃性 ★★★★★
マガジン★★★☆☆
コスパ ★★☆☆☆
エアアームズS410~510といえばPCPエアライフル黎明期から市場をリードしてきた名作です。
変わらぬモノづくりは今では古い設計と言われがちですが、機能を求めなければ圧倒的な信頼性の証となります。古くから市場に多く流通している機種ですので、修理も困らないでしょう。
近年、TJO取り扱いでは一時期アルティメイトスポーターしかカタログに載っていませんでしたが、標準モデルに近い当モデルが復活したようです。

ハンツマンリビアと比べると全長、バレルもタンクも長いので、トラディショナルなライフルタイプで数も撃ちたい、という方はこちらが候補になるでしょう。また全長が程よくありますので据銃バランスもとても良いです。

静粛性はやや劣りますが、これは使用シーンにより重要さが変わるでしょう。
またTJO取扱ですから修理体制も万全で、長い目で見れば決して高いとは言えないでしょう。とてもおすすめです。

Brocock concept XR

5.5mm仕様●全長835-915mm●銃身長508mm●重量2.78kg●出力30ft/lbs●タンク容量150cc●最大充填圧力240bar●Reg圧130bar?●発射可能数40発●価格:¥308,000

静粛性 ★★★☆☆
据銃性 ★★★☆☆
マガジン★★★★☆
コスパ ★★★★☆
ブロコックは現在デイステートの傘下で、廉価版のエアライフルをラインナップする、といった方向性で棲み分けています。とはいえ基本性能は十分に有しており、廉価版といっても英国製ですから、ちゃんとできています。

タクティカルな見た目が好みに合うなら選んで間違いないでしょう。なお、デイステートもブロコックもマガジンが共通でとてもよくできています。元々小さいマガジンなので5発の国内規制にもマッチしています。
このモデルはストックが伸縮式ですので、体格に合わせて調整ができるのも良いですね。
シンプルで軽量で丈夫、値段もかなり安いので手が出しやすいエアライフルです。

そうそう、こういうので良いんだよ。
とてもおすすめです。

AMA KATRAN-L

5.5mm仕様●全長1030mm(804mm)●銃身長520mm●重量2.8kg●出力30ft/lbs●タンク容量285cc●最大充填圧力300bar●Reg圧110bar●発射可能数100発●価格:¥378,000

静粛性 ★★★★☆
据銃性 ★★★★☆
マガジン★★★★★
コスパ ★★★★☆
最近の私のお気に入り、チェコの新星=AirMaks Armsのエアライフルです。チェコの銃は質実剛健な機械構造が売りで、新星といってもチェコの他メーカーからの分家、といった感じなので、十分に信頼性もあります。

カトランはプレジションタイプのフォールディングストックが特徴で、520mmバレルを採用しながらも重量も2.8kgと軽量、折りたたみ時は804mmと許可全長ギリギリの長さです。
他にもフェザータッチトリガー、ARグリップ、実用可能な頑丈なKeyMod付きハンドガード、高さ調整式チークピース、前後上下可変式バットパッド、使いやすいオープンカセットマガジン、と機能も豊富です。機械工作精度も非常に高く、定評のあるFXと比較しても全く遜色がありません。
グリップとバレルの高さが近く、重心がかなり低く設計されているのも据銃しやすさの評価ポイントです。

なお基本的には第2世代の構造ですが、設計は新しいのでプレナム容量にも余裕があり、古い第2世代に比べると燃費も良くチューブタイプながら発射可能数もかなり多いです。
初心者向け、とは書きましたがこのモデルは上級者でも十分に満足できるものです。私は満足しています(笑)38TUNESファンはこれを買いましょう。

価格はやや高くなりますが、機能を考えるとかなりコスパは高いと思います。
とてもおすすめです。

AGN VIXEN-Long

5.5mm仕様●全長889mm●銃身長400mm●重量2.2kg●出力30ft/lbs●タンク容量250cc●最大充填圧力300bar●Reg圧140bar●発射可能数80発●価格:¥299,970

静粛性 ★★★★★
据銃性 ★★★☆☆
マガジン★★★★★
コスパ ★★★★★

同じくチェコのエアガンテクノロジー社のアグレッシブな見た目のタクティカルエアライフルです。
エアボトルを銃床に持ってきた独特の構造で、合理性を突き詰めた結果、この形になっています。全長は900mm以下、重量も2.2kgとライフルタイプPCP最軽量クラスで、十分な剛性も持っていますので、野山でガンガン使いたい派の人におすすめです。ただし軽く短いので、据銃安定性という面では多少慣れが必要だと思います。

リアボトルに合わせた太いシュラウドのおかげで静粛性も高いです。
トリガーもチェコ銃らしい、キレの良い素晴らしい仕上がりです。
また、AGNのオープンカセットマガジンはAMA以上にとてもよく出来ており、素早く給弾、脱着が可能です。発射可能数も80発と十分過ぎます。
据銃性については、短く軽いので評点を少し落としました。

ただし価格も30万円を切りますから、このアグレッシブなタクティカルデザインが好みなら買って損はないでしょう。とてもおすすめです。

ブルパップタイプ

ブルパップタイプのエアライフルは取り回しの良さが売りです。
第3世代モデルではハイパワー化のためにブルパップを採用するケースがほとんどですが、これは今回の選定理由からは外れていますのでそうしたモデルは紹介しません。
ブルパップは構造上、重心が高くなったり、前後バランスが手前に来るなど、扱いやすさはライフルタイプより劣る傾向にあります。それでもモデルによっては構造を工夫してうまくバランスを取っており、据銃安定性もライフルタイプに近いものも増えてきたように思います。
とはいえ初心者にどちらかをオススメする、というならば据銃しやすいライフルタイプになります。それを踏まえた上でご紹介いたします。


Brocock Compatt Sniper XR

5.5mm仕様●全長864mm●銃身長509mm●重量3.17kg●出力30ft/lbs●タンク容量150cc●最大充填圧力240bar●Reg圧Na●発射可能数Na●価格:¥268,000

静粛性 ★★★☆☆
据銃性 ★★★☆☆
マガジン★★★★☆
コスパ ★★★★★
このモデルは、ブルパップとライフルタイプの中間のセミブルパップ、という構造で、第2世代の特徴を持っています。セミブルパップは銃身を後退させつつ頬は機関部に乗らないため、ブルパップに比べてコントロール性に優れています。
先に紹介したモデル同様に無難に良い構成で作られています。出力も5.5mmで一番出力の出るセッティングです。
セミブルパップ構造と大胆なスケルトンストックのおかげで前後バランスも良く軽量なのも良いですね。
タンク容量は少なめですが狩猟用途では十分でしょう。マガジンも他のモデル同様よくできています。

価格がかなり安価ですので、安く済ませたい&取り回しを重視したい、という場合に特にお勧めです。これもそうそう、こういうので良いんだよ、と思わせる銃です。ブロコックはちょうど良い銃を作るのが本当に上手いです。
とてもおすすめです。

FX Airguns Bobcat MK2


5.5mm仕様●全長983mm●銃身長538mm●重量2.5kg●出力30ft/lbs●タンク容量Na●最大充填圧力Na●Reg圧Na●発射可能数Na●価格:¥352,000

静粛性 ★★★★★
据銃性 ★★★☆☆
マガジン★★★☆☆
コスパ ★★★☆☆

ブルパップのPCPエアライフルを世に生み出したのはロシアのエドガンですが、世の中に広めたのはこのボブキャットと言っても良いでしょう。

設計は決して新しくありませんが、現在でも十分に通用するエアライフルで、お値段も控えめです。静粛性もとても高く、フローティング構造になる前の機種ですので、取扱の繊細さもなくガンガン使えるでしょう。とてもおすすめです。


新銃については以上です。
ここに挙げなかった銃は、情報が少なかったり、なんらかの理由があってそうしていますが、敵を作りたくないので書きません(笑)

最近流通し始めた20万円前後のトルコ銃については、情報が少なく=信頼性という観点で評価外としました。

またS510については、わざわざ新銃で候補に上げる必要があるのか、という疑問はあります。ロングセラーでよく売れた銃なので、中古市場でもそれなりに見かけるからです。それでも中古の良品が見つかるのを待つよりは、新銃で入手しても長く楽しめると判断し掲載しました。またこのモデルはレギュレーターのない第1世代モデルが多いので、レギュレーター付きモデルを選ぶなら新銃が候補になるでしょう。

同様にハンツマンも中古で見かけますが、ハンツマン【リーガル】と名のつくモデルは、Regなしの超ハイパワーモデルの可能性がありますので注意しましょう。


さて繰り返しですが、精度を出すには最適な弾速が存在します。
出力は弾の重量と弾速から計算されるため、弾速を上げれば出力は上がります。
同じ口径ならハイパワーの方が良い、と思われるかもしれませんが、それは必ずしも精度が伴うわけではありません。

5.5mmであればほとんどの場合、16~18grペレットを使用し弾速270m/s(886fps)付近が一番精度が出ます。その場合の出力は30ft/lbsほどです。

止め刺しや有害駆除ではなく、趣味の鳥猟用途であれば、バイタルエリアに精密射撃することになりますので、パワーより精度を重視することをお勧めします。5.5mm口径ならランニングコストも安いので、たくさん撃って練習しましょう。

最後に

ここまでお読み頂いた方の中には、なんだよ、もっと最新のエアライフルは紹介しないのかよ、お金を積んでもハイエンドの良いやつが欲しいよ、そういう方もいらっしゃるかもしれません。
パンテーラ、インパクトM3、レッドウルフ、ゴースト、バルカン3、ウラガン2、クレイトX、プロフェット3、EPOCH etc・・・こうしたハイエンドモデルは確かに魅力的です。
そうした憧れや期待を持つ気持ちもよくわかります。

しかしです。

最近のハイエンドモデルの多くは、最新技術を投入するとともに、エアスラッグ弾で遊べるようにハイパワーであったり出力の調整が細かくできるものがほとんどです。それには専門知識を要します。
そのため、もし知識なしに最初からこうしたモデルを買ってしまうと、エアライフルの魅力を知るのにむしろ遠回りになってしまうかもしれません。

そしていつかあなたがそうした知識や技術を習得した頃には、すでに新しい技術を用いたハイエンドモデルが発売されていることでしょう。

ですから先の精度の話を念頭に、まずは基本性能をきちんと備えたエアライフルを選ぶことをおすすめします。

中には天性の【沼素質】がある人もいるので、それでもハイエンドモデルが欲しいと言われたら止めはしませんけど(笑) 

そして最後は、こうした知識を得た上でそれでも欲しい銃があるなら、それを買いましょう。結局は趣味の道具ですからね。

ということで今日はここまで。

最後にスキ!ボタンを押していただけると、いつかハイエンドモデルなどの紹介記事も書くかもしれませんので、ポチッとよろしくお願いします(笑)
ではでは。



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