保険料は安けりゃいいんです

今やネットは生活の一部として欠かすことのできない存在であり、あらゆる商品サービスがネットを介して提供されています。
保険も例外ではありません。

現在のネット保険のサイトは、単なる情報だけではなく条件を入力することでさまざまなシミュレーションや他社との比較も可能で、契約まで完結できます。

利用者にとっては大変便利で有効なツールとなりました。
保険の場合はまだまだ対面販売の割合が過半を占めているのが現状です。
しかし金融業界でも今やネット銀行やネット証券もあり、株などの金融商品においては証券会社の窓口で購入する人のほうが少数派となっています。

時代の流れからしても、今後は保険もネットが主流になることは十分予想されます。

ネット保険のメリットは大きく三つ考えられます。

第一に、これが決定的なメリットですが、保険料が安いことです。
ネット保険の保険料が安い理由は、店舗型に比べて維持管理費もスタッフの人件費も最低限に抑えることができるからです。

”安けりゃいいってもんじゃない”
このフレーズよく聞きますよね。

しかしはっきり言って、安ければそれでいいのです。

本来保険とは、被保険者が保険対象となる事故に遭遇した場合、契約通りの金額を粛々と支払ってくれさえすれば、それ以外のサービスや付加価値は不要です。

各社対応の良し悪しに違いはあるものの、私たちは契約通り支払われる保険金や給付金以外のサービスで保険料が上乗せされることを望んではいないはずです。

また、そもそも金融商品とは、クールに言えば単なる金銭上の契約でしかなく、保険商品もその金融商品の一つなのです。

したがって同じ保障内容で保険料が安ければそれでいいのです。

第二に、わずらわしさがない点です。
保険の販売員とやり取りするにはそれなりの時間を割く必要があり、さらに巧みなセールストークに誘導される可能性もあります。

元来人がよく優しい日本人は、対面ではっきり断ることに抵抗があり、多少のストレスも感じます。

ネット保険であれば人付き合いのために保険に加入するといったことは起こりません。

第三に、ネット保険はシンプルな構造になっていることです。
ネットの場合、当然自分で手続きを完結する必要がありますから、独力で商品選択ができるようにシンプルに作られている傾向にあります。

保険の販売員が全国に何万人いるのかわかりませんが、保険商品がシンプルでわかりやすければ、販売員は必要ありません。

逆の言い方をしたら、店舗型の保険会社は販売員の存在価値を残すために商品設計を複雑にしていると言えなくもないのです。


以上、ネット保険のメリットを挙げてきましたが、当然デメリットもあります。
一つはシンプルすぎて顧客のニーズに合わないケースもあります。

また保険の知識があまりない方にとっては、保障額の設定が適切でなかったり、保障内容を誤って解釈していたりするケースがあります。

しかしそれを指摘してくれる人はいません。まさに自己責任の世界です。
保険というシステム自体、単なる株の売買やお金の出し入れとは違った側面があるため、すぐに市場がネット保険に流れていくことはありません。

当面は対面型の保険とネット保険は共存していくことになるでしょう。

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