宗教と家畜の関係は日本人には理解しにくい
キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の共通の聖典である旧約聖書は、羊を中心とした遊牧民の世界を描いたものであり、聖書における羊飼いは、羊のように弱く自分では行く道がわからない人たちを、守り正しい道に導いて下さる神様に例えられています。実際にアブラハムは、その生涯のほとんどを遊牧民として過しました。
世界の宗教人口を見てみると、キリスト教(22億人、30.4%)、イスラム教(15億人,22.2%)、ヒンズー教(9.1億人)、仏教(3.8億人) とのことですので、世界人口の半分は聖書を基盤とした宗教、つまり遊牧民の価値観をその根底に持っている人たちということになります。
歴史的にみて日本には羊を飼う遊牧民はいませんので、日本にいる限り遊牧民の価値観を理解することは困難だと思います。けれども、聖書に描かれた世界を基準に物事を考えている人たちが世界人口の約半分を占めている以上、彼らの基本的な考え方を理解することはとても大切なことだと思います。
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