🎬📝"If it's rainy, you won't see me,if it's sunny, you'll think of me.xx :)
⚠︎ネタバレ含みます
喪失した者の心の様子を、とても丁寧に描かれていると思いました。
手紙を送る姿にはじまり、
観ている方は最初から、彼が、
泣くことすらできぬほど、妻を想っていることは伺えるのに。
義父親の言葉、あるいは彼女との最期の話と紐付き、
demolitionという術に依りながらも、
自身の崩壊した日々、
涙が出ないこと、
自分にとって、妻はどんな存在だったのか、
カレン親子の存在、
彼ら(特にわたしにはクリス)との交流も手伝って、
おそらくは無意識に向き合い、
ひいては妻と離れたこれからの自分を生きようとする姿がよかった。
邦題の付け方も、
わたしは「とてもいい、ぴったりだ」と思いました。
解体することは、彼を保つための方法であったのだろうし、
彼自身が、義父親の言葉にあった通り、
アンバランスと化した、
本当はいまにも崩れそうな自分の心を、
妻を亡くす前、その後の現在を含め、
自身のすべてをなんとか見つめ直そうとしている、その姿、そのもののあらわれであったのかもしれない、と想像します。
衝突事故を起こした相手方の男性と、妻の墓の前で初めて言葉を交わしたとき、
途中から涙声に謝る男性に対し「いいよ」とハグした姿、
それから車に戻り、座席の下に落ちていた邦題の言葉…詩の記されたメモを見つけ、
皆が悲しむなか、自分は涙が出なかったことで、
疑い、葛藤までした、自分の想いーー妻への愛を認め、そこではじめて泣けた姿、
噛み締めるように、目を閉じて何度も頷く様子と、
蘇る一風景、
空港で出迎えてくれた彼女の手にしていたボードに書かれた"Mr.seahorse captain"、
差し込む陽の光のなか、笑って空を見上げる彼の姿がとても印象に残りました。
想いの強さから涙が出ない、
あとから本当の自分の想いを知り、
わかること、
永い言い訳、マンチェスター・バイ・ザ・シーに続いての鑑賞でした。
ずっと気になっていた。
やっぱり素敵な、また良い作品でした。
メリーゴーランドも、あんな風に生まれ変わって本当に良かった。
https://filmarks.com/movies/59159/reviews/133173673