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【学び】すべてを見せず、あえて隠す

<考えるキッカケ>
岡本 太郎さんの書籍
「自分の中に毒を持て」で、心に留まった文章がありました。

(引用)
一緒に暮したのは四、五カ月だったろうか。
彼女は夕方帰ってくると、「タロー、ちょっとお散歩していらっしゃい。ついでにワインを買ってきてね」などと、何か適当な口実をつけてぼくをアトリエから追い出す。

キャフェでちょっと友達と話したり、頼まれた買いものをしたり、頃合を見て部屋に帰ると、あたりはきれいに片付いていて、リュシエンヌは服を着替え、お化粧も直して、昼間、店で働いているときよりずっと女っぽい、やわらかい雰囲気で迎えてくれるのだ。

「お掃除しているところなんて、あんまり見てもらいたくないわ」と彼女は言っていた。

いま共働きの女性にこんな話をすると、女に一方的に負担を押しつける、と怒られるかもしれないが、ぼくは男が亭主関白で何もしないのがいいと言っているのじゃない。

二人でつくる生活、できることは助けあい、いたわりあうのは当たり前だ。
しかしそれは何でも洗いざらい見せてしまい、ぶちまけていいということではないと思う。 愛する男にはいつでも花のように、優しくほほ笑んで、チャーミングな女として向かいあいたいというリュシエンヌの美学、心意気をぼくは尊重したし、嬉しく思った。

結婚してもお互いが嬉しい他者であり、同時に一体なんだ。夫婦になる以前の新鮮かつ無条件な男と女としてのあの気持ちを忘れないことが大事だ。

岡本 太郎. 自分の中に毒を持て

<考えたこと>
仲が良ければすべてをさらけ出すというのもいいけれど、あえて少し隠すことで相手を喜ばそうとする相手目線のマインドが素晴らしいと思いました。
2人の関係に良い緊張感が生まれるんでしょうね。

なんでも見せるわけでもなく、
かといってすべてを隠すわけでもなく、
その中間に魅力があると思いました。
見せる:隠すの割合が、7:3~9:1のイメージ。

これは恋愛関係以外にも応用できそう。
例えば、親子関係。友達みたいにすごく仲のいい親子関係もいいけれど、ちょっと近寄りがたい昭和の親父だと威厳が生まれる。
会社だと上司、部下の関係にも当てはまるかも。

ちょっと飛躍しすぎかもですが、
子供のころに見た缶ジュースの自動販売機で
1か所だけ「?」の缶があって、すごく心が躍りました。
何が出てくるかワクワクしたのを覚えてます(笑)

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