魔乃アロエの騒動に批判する人々で気になったこと。

注意書き

 はじめに言っておきたいのは、あくまでも本人の行動を擁護するものではない。諸々の件について批判される点があるのは確実だ。本人には謹慎、そして活動再開からも反省して頂きたい。

目立った点

 私がこの件についてコメントできるサイトをいくつか閲覧したが、やはり毎度のごとく批判と中傷を掛け違えている者批判する部分を間違えている者が多く見受けられる。

 それについて一番特徴的だったのは、彼氏についての話だろう。VTuberに彼氏、彼女とそのような相手がいる事を批判するのはそもそもの間違いである。これまでの似た騒動でも分かるが、VTuberにそのような相手がいることを禁じるようなルールは存在しない

 勿論、それを望むような者が一定数いることは確かだろう。それを思う事は自由だ。権利で保障されている。しかし、それを口に出して、他人に押し付けるようになれば、話は別となる。

 自分の思想を他人に押し付けることは、考え方次第では人権侵害に該当する可能性がある。こうした話について、詳しくしようとすると、素人では齟齬が生じて、話を混乱させることになるだろう。詳しくは、それぞれで調べてもらうのが一番だ。

 ここで言いたいのは、いわゆる『ユニコーン』といった思想は、あくまでも個人、もしくは同じ思想を持つ者の間でのみ許されるものだということだ。VTuber本人にそれを押し付けるのは間違っていると言わざるを得ない。

事務所責任

 この件について所属するカバー株式会社を批判する者も一定数いる。最近の事務所の動向を見ていると、責任があると考えるものがいるのは仕方ないことではあるだろう。

 しかし、ここで重要なのは時代だ。今は昭和ではない。就職面接をする者の過去を個人情報やプライバシーを憂慮せずに調査する、そんな時代はとうに過ぎている。事務所側に本人の過去の行動をすべて把握しておけというのはおかしい話なのである。それに夢追翔の件でにじさんじ側にそのような話は無かったのに、カバー側にその責任を負わせるのは少々やりすぎである。

 せいぜいファン、アンチ、興味ない人々、言えるのは「マネージャーにしっかりと確認をさせておいてください」程度である。

他社批判

 2Dの件の次に大きく言われていたのは、VTuberデビューや面接に合格する前の時点で、とある別のVTuberについて不利となるような配信アーカイブが存在していたことだ。

 私自身、ツイキャスやYouTubeで他人を批判して人気を得ている、生計を立てている活動者が多くいる事は承知している。その風潮があり、また他者を批判するのが悪いこととは考えられていない時代だ。

 そこでおかしい点が浮かび上がるのである。未来の事務所合格を見越して、一切の行動を慎めと言っているのだ。他社になるなど分かっていない時期である。「そのアーカイブを消せ」なら分かる。だが、他社のVTuber批判を責めるのはおかしいのだ。責めたことを視聴者などが責めているのだから。矛盾も程々にしてほしい。

 それにこれも同じくカバー株式会社に責任は無い。VTuberが前世の活動を全て消す、という風潮は別に一般的ではなく、前世の活動を残している者もいるからである。事務所が干渉できる範囲が難しいのだ。

ネットリテラシー

 批判の中には中傷と間違っているものがある。これは前述したことであるが、明らかに中傷ととれるものが少なくない数あった。

 まずは電凸だろう。それは完全に犯罪だ。本人が起こした件はあくまでも暗黙として許されない事であるが、電凸は完全な犯罪である。それをしている者は速やかにネットから離れた方が良いだろう。ネットには向いていない。

 それについて「自業自得」という者もネットリテラシーではなく、社会の常識というものを学んだほうが良い。何かをして、仕返しをされて自業自得と考えるのは子供だ。仕返しをした時点で同罪である。正当防衛はあくまでも攻撃をされた時に自己防衛として相手に攻撃する事だ。犯罪と暗黙の了解は明確に差異があると知らなければならない。

 次に事務所所属VTuber全体の批判だ。これは酷いものだった。「在日のせい」といった人種(国籍)差別、「義務教育の欠如」「頭悪いものが集まっている」などといった学歴差別である。これを言った者は他に「道徳観倫理観の欠如」とも言っていた。他人を批判する行為に対して考えると分かるが、その前の発言を聞くと「自分を差し置いて」である。

 おかしいだろう。学歴=実績でないことは何百年、何千年で証明されている。中にはこれが成立することもある。しかし、これが成立しないパターンも多く存在するのだ。いまさら学歴差別するのはおかしいだろう。言っておくが、この日本をまとめている大臣の大半が東京大学卒業ではない。学歴で物事を考えないでほしい。

 また、カバー株式会社の中国での活動に関連して、ヘイトスピーチをはじめるのは他所でやってくれとしか言えない。救いようが無いのだ。それを行っている者自体が優秀でないのだから。ブーメランとは怖いものである。大半が刺さっているのだ。

最後に

 正直、今回の件はそこまで追求する必要性を感じない。明確に批判される点は、2Dに関することだけだろう。擁護しているのではなく、単純に批判している人々が冷静でないと言いたいのである。

 彼氏についても制限されるものではないし、他社批判もそれは改めて言う事でもない。そのアーカイブを消せば良いだけだ。本来、資本主義において、他社を批判するのはむしろ推奨される、とも付け加えておこう。ここら辺は私も詳しくないのでそれぞれで勉強してほしい。競合他社は慣れ合いとは読めないのだと覚えておくと良いだろう。

 むしろ本人の批判される行為よりも批判側の言動の方が社会的に見て、大いに批判される言動であった。また、倫理的道徳的にも推奨されない行為も多かった。

 こうした行動を第三者的に見る私としては、自分から自分の価値を下げている愚かな行動にしか見えないのである。謝罪した魔乃アロエ本人はまだマシである。

 他人のネットリテラシーを批判する前に自分のネットリテラシーを再確認する。これはこの界隈に限った話ではないが、今後のこのようなネット社会で生きていきたいのであれば身につけておいた方が良い。最後に私の余計なお世話で締めさせて頂きたいと思う。


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