【偉大】キーラン・ティアニーがアーセナルの攻撃において欠かせない理由
"ボールを持たされる"ような展開にしてしまい、0-0で終えることになったクリスタルパレス戦。
ここまでチーム内でGKレノに次ぐ多さの出場数を誇る、スコットランド人左SBキーラン・ティアニーの不在を強く感じさせる試合内容だった。
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第17節終了時点のデータで、"ティアニーは、2020年12月からの集計で、チャンスクリエイト数がリーグトップである"というものがある。
このデータを見れば、ティアニーがアーセナルの攻撃にもたらすものの大きさは一目瞭然だろう。
では何故ティアニーは、これだけ多くのチャンスを生み出すことが出来るのだろうか。
この疑問を、ティアニーのプレー面から読み解いていこうと思う。
また自分は、ティアニーはアーセナルの攻撃において替えのない存在だと考えている。
その理由についても合わせて触れていきたいと思う。
〇DF1枚では到底止められないドリブル
ティアニーのドリブルは一級品。
オシャレな足技を使うわけではないが、緩急をつけることで、自身の圧倒的な瞬発力を活かし相手を抜き去る。
1対1ならば必ずぶち抜くといっても過言ではないと思う。
1対1で優位に立てるというのは本当にチームにとってプラスになる。
ティアニーにサイドを任せきることができるので、左WGのオーバメヤンやマルティネッリがよりゴールに近い場所でプレーできるからだ。
自然とゴールの確率は高まる。
最近ではさらに磨きがかかったのか、立て続けにゴールに直結しだしている。
第15節チェルシー戦のPK獲得は長いトンネルから抜け出せないでいたチームにとって本当に大きなものだった。第17節WBA戦の先制点は圧巻だった。
〇完成度の高いクロス
クロスも間違いなく一級品。
正確性は"言わずもがな"だが、ここではクロスの軌道に焦点を当てたい。
アーセナルの攻撃陣には高さがない。
それでもクロスから得点が生まれるのは、ティアニーの"低弾道で高スピード"なクロスのおかげなのだ。
なぜそう言い切るのかというと、
"ボックス内のターゲットに高さがない場合、クロスからの得点パターンは「相手GKとDFラインの間に速いボールを流し込んだクロスに飛び込む」というものがほとんどである"
からだ。
「低弾道でスピーディーなクロス」にすることによって、高さ勝負に持ち込まずに済む。だから得点できるのだ。
右SBの選手たちからも、こんな軌道のクロスを見たい。
それが実現すれば、"右サイドからのクロス"でのも確実に得点できるようになる。
〇貴重な左利きSB
今冬のコラシナツの移籍によって、左SBの控えはメイトランド=ナイルズとサカという面々になった。
現在のサカの右WG起用がハマっている状況下で、サカを左SBで使うのはなるべき避けたいということを考慮すると、候補はナイルズ1人だ。
しかし、そのナイルズは右利きで、左足のキック精度は低い。
実際に、左SB起用されたクリスタルパレス戦では、前半早々に左足でクロスを1本上げたが、精度を欠いたものだった。その後は、ボールを受けると必ず右足で捌くようになり、結果途中交代となった。
"左サイドの高い位置を取る役割"を任せるには、ナイルズはクオリティ不足だった。
そして、ナイルズの代わりに入った左利きのサカも、試合から消えてしまっていた。
左サイドに入ったサカには、カットインという選択肢が失われプレー選択の幅が狭まり、とても窮屈そうなプレーになっていたと感じた。
サカの良さを消してしまうのは、本当に勿体ないので、"SB起用は出来るだけ避けたい"とアルテタも感じているはず。
ティアニーを欠くと、アーセナルの左サイドは一気に停滞することが露呈した試合だった。
まとめ
・1対1の局面を打開できるドリブル力
・"低くて速い"というクロス軌道(もちろんクロス精度の高さが根底にある)
・バックアップのクオリティ不足から、ティアニー以外に考えられない。
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