『今季最初のシーズンダブルへ!』アーセナルvsマンチェスターユナイテッド[プレビュー]【20-21プレミアリーグ第21節】
前回対戦のおさらい
守備が素晴らしかった試合で、ユナイテッドにほとんどチャンスを作らせず、鬼門オールドトラフォードでの2006年以来14年ぶりの勝利を挙げることができた。
得点力不足に悩まされていた時期の試合で、その流れを断つことは出来ず、攻撃は沈黙気味だったものの、PKのワンチャンスを活かすことができた。(ビルドアップはうまくいっていた)。
素晴らしいベジェリンのインナーラップによって、エリア内への侵入に成功し、PK獲得に繋がった。
【ユナイテッドの紹介】
○基本戦術
フォーメーション:4-2-3-1
ラッシュフッドを筆頭に、スピードスターが前線には揃っており、カウンターの威力はプレミア屈指。
一方で、"スペースが無い状態での攻撃"には物足りなさを感じる。
「FW陣の"前方のスペースを狙う動き"が足りない」という、得点が獲れずに苦しんでいた頃のアーセナルと似ている部分があると感じる。
(カバーニとB.フェルナンデスは素晴らしいのだが、B.フェルナンデスが"出し手"に奔走することを考えるともう1人は欲しい。サンチェスが居たらなぁ…と思ってしまう。)
[攻撃]
・OMFのB.フェルナンデスは"ライン間"を動き回る
・ひし形ビルドアップ。
・両WGは大外に張り、ドリブルでカットインしていくスタイル。
[守備]
4-4-2。
しかし、両WGの守備意識がとても低く守備サボりがちなため4-2での守備を強いられることも多い。
実際に、直近のブレイズ戦でボロが出た。
2失点目のシーンで、LWGのマルシャルは突っ立ってるだけ、RWGラッシュフッドは戻ってくることすらしておらず、"ボックス内で相手CFをフリーにする"という醜態をさらしていた。
(ラッシュフッドを前線に残すのは、カウンターに備えた作戦なのかもしれないが)
〇特徴的な戦術 : ポグバ右SH起用
PL第19節リバプール戦で使っていた新たな守備的オプション。
単純に、WGが2人とも守備をサボるという事態が無くなるため、チーム全体の守備意識は高まる。
また、ポグバという機動力もある大型MFをSH起用することで、ダブルボランチと合わせてMFが2→3枚になって、守備の"強度"も大幅に増す。
"相手にボールを握られる展開になる試合"にうってつけで、実際に、リバプール相手にクリーンシートを達成した。
アーセナルに対しても採用してくる可能性は高いだろう。
では、この起用法の概要を説明していく。
右SHに入るポグバは、基本的に、"右から2番目のレーン"(右ハーフスペース)を上下動するタスク。
[攻撃]
ライン間にポジショニングする選手が、"ブルーノ1人"からポグバが加わって2人になる。(ブルーノ:中央~左、ポグバ:右)
そのため自然と"スペースが無い状態での攻撃"の威力が増す。
また、カウンター時、ボランチ起用の時と比べてより積極的にボックス内に飛び込んでくる。191cmの巨体を相手にしなくてはならないので、DFは相当キツイ。
ドリブラーを起用する場合に比べてスピードは落ちるが、カウンターの威力も増すと考えても暴論ではないと思う。
[守備]
・ポグバはSHでありながら、中央に絞ってボランチの役割を担い、3ボランチ化する。
・CFに加えてラッシュフッドが前残りするので4-3-1-2のようなカタチでの守備になる。
・4-3-1-2で、ボランチが3枚ということで、MFラインのスライドが間に合わないことも少なくない。そのため、大外のレーンはSB1人でカバーすることになる。そこが弱点。
〇イチオシ選手:エディンソン・カバーニ
個人的に考えているユナイテッドの弱点である「FW陣の"前方のスペースを狙う動き"が足りない」を解決してくれる選手。
もちろん得点力もあり、守備貢献も凄いため、とても大きな補強だった。
……………
カバーニの良さが詰まったシーンがレスター戦であらわれていた。
取り上げるのは2点目のシーン。一連の流れを2段階に分けて考えた。
(そのシーンを見ていただけると分かりやすくなると思います。)
①~豊富な動き出し/的確なプレー選択~
CBバイリーがパスコースを見つけられず困っていたのをいち早く察知し、"DFラインと駆け引き"をやめて"ライン間に下がってボールを引き出す"プレーに変更。ボールを受ける位置も完璧。
②~出し手の役割もお手の物~
ライン間で受けた後は素早く反転し、前を向く。そのままドリブルで前進し味方が動き出す時間を確保。そしてDFライン裏を突いたブルーノに最高のスルーパスを通し、アシストを記録した。
一連の流れに全く無駄がなく、プレー選択が的確。プレーの幅も広く、欠点が見当たらない。本当に怖い選手だ。
【予想スタメンと試合展望】
<スタメン>
・アーセナルは前節からの継続で、トーマスの代わりにエルネニーをチョイス。
・ユナイテッドは、第19節リバプール戦のシステムを採用、カバーニとマルシャルを入れ替えると予想。
<試合展望>
基本的には、「アーセナルがボールを持ち、ユナイテッドはカウンターを狙う」という構図になるだろう。
したがって、如何にしてユナイテッドを崩しきるか、如何にカウンターを封じるかが注目ポイントになってくる。
ということで⤵
【アーセナルが取るべきユナイテッド対策】
あくまでも、両チーム共に自分が予想した通りのメンツになった場合の話です。
[攻撃編]:孤立化しやすいSBを狙え!
上でも挙げたが、ユナイテッドの守備は"中央は固い"ものの"サイドはもろい"。システムの関係でSBが孤立しやすいからだ。
そのため、アーセナルはその孤立化するSBを狙い、サイドから打開していくべきだ。
サイドから打開するために、幅を取る選手(図1だとペペ&ナイルズ)が"良いカタチでボールを持てる"ようにしたい。そのためのキーポイントは"CBの持ち運び"だと思う。
理由は、CBが持ち運ぶことで、相手ボランチの選手(図1だとポグバ&フレジ)に対して数的優位を作れて、そのため、幅取り役への圧力を和らげることができるからだ。
幅取り役まで運べた後は、ライン間役の選手たち(図2だとESR&サカ)のプレーが重要になる。
いち早く幅取り役をサポートして、相手SBに対して2対1の数的優位を作ることが必須。
具体的には、ワンツーやSBの背後を狙うニアゾーンランといったプレーをするべき。(ESR&サカなら全く問題ない。)
そして、サイド深くをエグっていき、クロスを送る。
[Detail:~サイドを深くエグることが出来た後のプレー(クロス)について~]
ユナイテッドのCB陣は屈強なので、単純なクロスだとチャンスに繋がりにくい。だから、グラウンダーのクロスにするべきだ。そして、マイナスやGKとCBの間をしっかりと狙ってほしい。
[守備編]:"ボックス内に飛び込んでくるポグバ"への対策
カウンター対策の基本方針は、"1対1で勝てない以上はプレスバックを頑張ってもらって、数的優位を作る"。
そこに+αとして、"ボックス内に飛び込んでくるポグバ"への対策をするべきだと思う。
上でも書いたが、右SHに入るポグバはボランチ起用の時よりも積極的にボックス内に飛び込む。そして、191cmの巨体を相手にしなくてはならないので、2CBだけでは相当キツイ。
↓
なので自分は、相手に自陣に侵入された場合、ポグバをマンマークするべきだと考えている。
マンマークすることで、ボックス内でフリーにすることも無くなり、ある程度のケアは出来ると思った。
では誰がマークに付くのか?
ジャカ(左CMF)が良いと思う。右SHポグバのプレーエリアが右ハーフスペースであること、若干不安だがフィジカルでもある程度渡り合えることが理由だ。
[画像]
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