【マッチレビュー】~[2009ナビスコカップ決勝]FC東京VS川崎フロンターレ~{Part2}
Part1はコチラ!↓
【勝因②:個の力】
<守備での個>
勝因①で、組織的な守備で失点を抑えたことを挙げたが、その組織的な守備は”個の力”によって成り立っていた側面が大きい。
その理由は、ペナルティエリア内でロングボール・クロスを待ち構える戦術は、空中戦に勝利できることが前提となっているからだ。
[特に際立っていた選手]
①今野とブルーノ
→ポストプレーや決定力、さらにポジショニングで川崎攻撃陣の核を担っていた鄭大世などの長身FW達に対して、空中戦でほとんど負けなかった2人の活躍はかなり大きなものだった。(今野は、ジャンプのタイミングをわざと遅らせ、先に飛んだ鄭大世に体を当てるという技術を駆使して、体格差をカバーしていたのが流石だなぁと思った。)
②徳永
→普段とは異なる左SBでの出場ながら、DFラインの裏ケア、CBのカバー、空中戦、(攻撃でのオーバーラップ)など多くの役割を平然と完璧にこなしていて、ベテランの力をしっかりと示していた。
③羽生
→右SBに抜擢された椋原のカバーや、セカンドボール回収からのカウンターの起点になる働きを絶えず続け、ベテランながら豊富な運動量を見せつけていた。
④権田
→権田の活躍が最も大きかった。再三のミドルシュートに対して好セーブを連発し、さらにコーナーでも好フィールディングを連発した。当時は20歳で代表にも選出されていなかったが、後に代表に入ったと言われても不思議でない活躍ぶりだった。
<攻撃での個>
攻撃に関しては、川崎のアドリブ守備や運に助けられていた側面も大きいのだが、やはり個の力も大きかった。
[特に際立っていた選手]
①平山
→2点目のシーンは自身のクリアが起点となっていて、そこからのスプリントがとても速く、DFの背後を取るポジショニングも完璧だった。また、フロントスペースをうまく使い、ポストプレーからのチャンスクリエイトを何度も行っていて、攻撃の核を担っていた。
②梶山
→DFライン付近に顔を出すことで川崎のプレスを回避し、そこからのボールの保持やロングパスが光っていた。梶山は緊張感が全く見られず、いつものしなやかで美しいプレーを連発していたので、メンタルが本当に強すぎる、むしろ無いのだなぁと感じた。
【分析してみて】
・カウンター戦術は運要素が強いので、決勝という舞台で東京に運が傾いて本当に良かった。むしろ川崎に運が無かったともいえる。
・自分のイメージしていた2009年のサッカーに比べて、東京の守備がキレイに整理されたものだったので驚いた。
・昨シーズンの課題となったボールを保持した時の攻撃は、2009シーズンの東京にも当てはまる課題で、チームが抱える伝統的な課題なのだなぁと感じた。
正直今シーズンも開幕節を見た感じだと、ポゼッションサッカーを意図した4-3-3にしたものの、やっているサッカーは昨シーズンと変わっていない。なので個人的には、ポゼッションに切り替えるよりも、カウンターのままにして、個の力も活かしつつ、よりゴールの確立を高めるカウンターのシステム、パターンを構築すべきなのではないかと経営陣、コーチ陣に問いたい。
【久しぶりのサッカー観戦】
いくら決勝戦とはいえ結果を知っている試合にも関わらず、試合を見ている間は熱狂させられ、その勢いでブログまで書いていて、自分のサッカー観戦に対する熱量の大きさに驚いています。再開が待ち遠しいです!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?