「丁寧な暮らし」ごっこ
「丁寧な暮らし」というジャンルみたいなものが存在するのは、なんとなく知っていた。
主にInstagramの中の言葉だと思っていたら、Youtube界隈でも大いに(?)にぎわっているワードだということを、友人におすすめの丁寧な暮らしチャンネルを教えてもらって知る。
最近、ミニマリスト願望が生まれて、家の中のものをずいぶん捨てた。
主に洋服やガラクタ、まだ使えると思って残していたありとあらゆる物々。
元来、物を「捨てられない」方の人間で、物であふれかえった家で育ったので、物がたくさんあることにあまり疑問を抱くほうではなかった。多分これもテレワークの影響なのだろう、家を散らかしておくことへの耐性が日に日に薄れていって(でも本当にきれいにしている人よりはまだきっとずっと強い)物を置かない生活への願望が強くなった。
そんな中で、色々捨てたら結構気持ちがすっきりして、「たまには使ってみるか」なんて、奥にしまっていた、鎌倉の陶芸教室で自分で作った湯呑のようなものを使ってコーヒーを飲んでみたりして、「ウフ、なんか丁寧な暮らしっぽい」と、丁寧な暮らしごっこという遊びを思いついた矢先、丁寧な暮らし系Youtuberの存在を、友人から教わったのである。
面白い!!!
Youtube界隈にこんなに丁寧な暮らしがはびこっていたなんて!!
それ以来、いろんな丁寧な暮らし系Youtuberのチャンネルを見たり、プレイリストを延々かけながらテレワークしたり、間接照明を使ったりして、丁寧な暮らし「ごっこ」をして面白い気持ちになっている。
【自分】の「ありたい姿」とか「やりたいこと」に誠実で忠実で従順なところが新鮮で面白かった。
夜の20時近くなって、イチからシーフードシチューを作る(しかもルーじゃない!!)など、到底、わたしのわたしの選択肢には浮かばないし、わざわざ七輪を出して干芋を焼いたりできない。
一様に、家具はナチュラルなもので統一し、早朝に起き、コーヒーは豆からひき、こだわりの器具でゆっくりドリップし、アコースティックな洋楽をBGMにしていて、きれいな猫を飼っている。あのような人々は、スナック菓子をパーティ開けしてボリボリ食べたり、服を脱ぎっぱなしにして寝たり、一日中ぼーっとして息をしているだけで休日を無駄にしたりしないのだろうか。どのような仕事をしているのだろう。意外とこのようなことを考えたりあれこれ想像したりするのも面白い。
到底ああはなれないんだけど、なりたいと思ってる、というのもちょっと違うような気がするけど、ちょっと真似したり同じような音楽を聴いて、「ごっこ」をしていると、ちょっとだけ自分もきちんと、自分に忠実に生きているような気になってくるから、面白かった。
実際、丁寧な暮らし系BGMは仕事が捗る。
断捨離、進めようっと。
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