3.ようこそ、ここへ。祈りのパラダイス。
ふりかえってみると、その集合住宅に住んでいた3年間は、
<祈る人びと>と、よく交流していました。
入居したばかりの頃は、上下左右の部屋には誰も住んでおらず、
まだまだやんちゃ盛りのボーイズ2人の母親としてはとても気もちが楽で、
少々騒いでも、煩く言わないで済むのが嬉しかったのを覚えています。
その集合住宅は、インド人の方のコミュニティが広がり、
ときおり、階段ですれ違っては、サリーを身に纏った美しいインド女性や
共用外廊下を裸足でダッシュしている、くりくりお目目の可愛いインドの坊やに見つめられて、微笑ましく感じていました。
何度かすれ違うたびに、美しいインド女性と、くりくりお目目坊やくん。
「こんにちは。いってらっしゃい」
など、カタコトの日本語で挨拶を交わすように。
そして、数ヶ月経った頃。
突然、インド人の男性から、流暢な日本語で話しかけられます。
「はい。こんにちは。
うちの奥さんから、よく話を聞いていますよ。
今度、うちに遊びに来ませんか?」
「今度の土曜日はいかがですか?旦那さんも子どもさんもみんなでどうぞ!」
急展開なお近づきチャンスに、ドキドキしながらも嬉しい気持ちいっぱいで
お部屋に遊びに行かせてもらいました。
室内は、とっても清潔に、シンプルに片付けられていて、
乳製品は摂るベジタリアンなのだそう。
ベジのカレーと、とっても甘いチャイと、ギーというものが入った甘いお菓子を
御馳走していただきました。
旦那さんは、知的で陽気で多才な芸術家肌の方。
ギターとともに、歌ってくれたり、描いた絵を見せてくれたり。
また物静かな美しい奥さんは、ほほえんで見守ってくれています。
子どもたち同士は、お互い言葉がわからないなりに、
すぐに仲良く電車のおもちゃで遊び始めました。
キッチンの方のは、南の方に向いた、ガネーシャさんがおまつりされていて、
お祈りをさせていただきました。
また、ある夜、玄関のチャイムがなるので、出てみると
お隣に引っ越しをされたばかりのインドネシアの女性が笑顔で立っています。
魅力的なお料理がたくさんのっているお皿を手にして、
「インドネシアの料理です。よかったら食べて。今、みんな来てパーティーしてるから、騒がしくてすみません。」
と、気にかけてくれたのです。
そして、何事かと、わくわく私の後ろでのぞいている子どもたちと目が合うと
「こんばんはー。おいで!遊びにおいでよ」
と、女性のフレンドリーな笑顔と、コロコロ笑うような声に誘われるままに、みんなでお隣へ。
なんと、そこには20人近くの、インドネシアの若いお友達がたくさん。
みんな、おだやかで物静かで優しそうで、
きらきらした瞳で、突然あらわれたご近所さんを受け入れてくれて、
飲み物や、持ち寄りで作ってこられたお料理をすすめてくれます。
故郷を同じくして、日本の介護業界で働くみなさんが集っているとのこと。
ありがたくて、あたたかくて、安心の場で、
そして、私たちは、今、すごいところに住んでいるぞ。。。
お隣ご家族のインドネシアのみなさんは、
敬虔なイスラム教の信者さんだそうで、
豚肉は食べず、祈りの時期になると断食をされます。
この集合住宅の中で、
日本の神様や、キリスト教や、ヒンドゥー教や、イスラム教や、、、
祈る神さまは異なっても、
みなさん、暮らしの中に「祈り」の場と時間が織り成されている。
目の前には、弁財天さま、サラスバティが鎮座されていて
池はなくなっても、今でも龍神さまの息吹が漂っている。
おもしろい!なんて面白いところなんだろう!
ようこそ!祈りのバラダイスへ!
ついつい、脳内で、光GENJIがローラースケートで滑り出し、
ようこそ!ここへ!
遊ぼうよ!祈りのパラダイス!
歌いながら、今日はここまでにします^^
明日は、実際に「祈りのパラダイス」の場が実現するところ。
書けるかな。
今日は賑やかなお客さまを迎える日のため、
数日前から、家族総出で準備中。
私も今からお料理作りに精をだしてきますね。
読んでくださって、ありがとうございます。
愛しい日々を。
また明日。
咲多美唯喜