【ライナーノート】Dreams Dreams from NiGHTS into dreams...(セガサターン)【歌ってみた】
原曲紹介
セガサターンを代表するゲームの一つ、「NiGHTS into dreams...」のエンディングテーマが「Dreams Dreams」じゃ。
夢の世界を冒険するというゲームの世界観や物語に合わせて制作された全編英語詞の楽曲で、作曲および作詞はセガ作品の楽曲を数多く手掛けたササキトモコ氏、編曲は同じくセガのサウンドクリエイターとして有名な幡谷尚史氏が担当した。
セガのゲームの楽曲を手掛けたメンバーが、ゲームのために作曲したというだけに、ゲームの世界観を見事に表現するどころかさらに普遍的なものとする名曲で、今もなお世界中の人たちに愛されている。
シンプルかつ印象的なメロディやデュエットの掛け合いの美しさなど好きなところは多々あるが、何より聴くだけでゲームの様々な場面を思い出してしまうのがゲーム音楽として秀逸であり、わしの大好きなところじゃ。
特にオリジナルは、声の演技がなく、映像と音楽のみで物語が語られていくので、人それぞれの思い入れや記憶が音楽とともに刻み込まれていて、曲を聴く度にそれが蘇ってくるのがたまらないのじゃよ。
本曲には様々なバージョンが存在し、プレイヤーキャラのエリオット&クラリスをイメージした「キッズバージョン」、カーティス・キング・ジュニアとダナ・カリトリによる「アダルトバージョン」がオリジナルとして知られている他、「クリスマスナイツ」に収録された「ゴスペルバージョン」や、続編で再録されたバージョンなどもある。
よい機会なので、それらのバージョンをまとめて紹介するのじゃ。
・Dreams Dreams(オリジナル)・キッズバージョン
キャメロン・アール・ストロザーとジャスミン・アレンによるキッズボーカルバージョン。ゲームを通常クリアした際にエンディングで流れる。
多少あどけない感じがプレイヤーキャラのエリオットとクラリスをイメージさせてくれる。
・Dreams Dreams(オリジナル)・アダルトバージョン
前述したカーティス・キング・ジュニアとダナ・カリトリによるアダルトボーカルバージョン。ゲームをオールAランクでクリアした際にエンディングで流れる。
ソウルフルな掛け合いが心を震わせてくれる。
・Dreams Dreams(クリスマスナイツ)・アカペラバージョン
「NiGHTS」の冬季限定版である「クリスマスナイツ」のエンディングテーマとして、マーロン・サンダースがガブリエル・モリスとイッサ・クレモンと共にボーカルを務めたバージョン。演奏無しでボーカルのみ収録されており、ゴスペルかと思うほどクリスマスによく似合う。
・Dreams Dreams(星降る夜の物語)・アダルトバージョン
2007年に発売された続編「星降る夜の物語」で再録されたバージョン。ボーカルがロビー・ワイコフとフランシス・M・ベニテスに変わった他、音楽自体もアレンジされ、さらに最後のコーラス後に歌詞が追加されている。
通常クリア後に流れる。
・Dreams Dreams(星降る夜の物語)・キッズバージョン
2007年に発売された続編「星降る夜の物語」で再録されたバージョン。ボーカルは、プレイヤーキャラであるウィル役のライリー・オフリン、ヘレン役のビクトリア・アシュビーがそのまま担当している。オリジナルと同じく最後のコーラス以降はロビー・ワイコフとフランシス・M・ベニテスの掛け合いとなる。ランクC以上でクリアした際に流れる。
・Dreams Dreams(星降る夜の物語)・ウィルバージョン
2007年に発売された続編「星降る夜の物語」で、ウィル編のエンディングで流れるバージョン。1番はウィル役のライリー・オフリンとロビー・ワイコフ、2番はヘレン役のビクトリア・アシュビーとフランシス・M・ベニテスが歌い、サビと後半のブリッジはアダルトバージョンとなっている。
子どもから大人へ、というイメージを感じさせてくれる。
・Dreams Dreams(星降る夜の物語)・ヘレンバージョン
2007年に発売された続編「星降る夜の物語」で、ヘレン編のエンディングで流れるバージョン。ウィルバージョンの逆で、1番はヘレン役のビクトリア・アシュビーとフランシス・M・ベニテス、2番はウィル役のライリー・オフリンとロビー・ワイコフが歌い、サビと後半のブリッジはアダルトバージョンとなっている。
・Dreams Dreams(星降る夜の物語)・Sweet Snow
2007年に発売された続編「星降る夜の物語」で、真のエンディングを迎えた際に流れるバージョン。なんとオリジナルのキッズバージョンのボーカルを務めたジャスミン・アレンのボーカルによるバラードアレンジバージョン。
もちろんアレンジはササキトモコ氏&幡谷尚史氏。
10年近い年月を経て成長をしたジャスミンのボーカルに目頭と胸が熱くなるのじゃよ。
制作にあたって
ゲームソングのあるべき姿として、「NiGHTS into dreams...」のファンの一人として、長年ぜひ歌ってみたいと思っており、わしの「ゲームソングを歌ってみた」企画の第二弾として、この楽曲を選ばせていただいた。
といっても、本来デュエット曲であるこの曲を一人で歌うというのはなかなか難しい。
また、アダルトバージョンのソウルフルな掛け合いは、わしの声質とは合わなさそうというのもある。
そのため、イメージとしては、オリジナルのキッズバージョンとアダルトバージョンの中間にあたるバージョンを目指した。
キッズバージョンのシンプルな響きを残しつつ、子どもっぽくなりすぎないようにという感じじゃな。
そして、オリジナルに忠実なオケの制作と、上記のイメージに沿ったMixをお願いしたのは、こん様(https://x.com/konn_music)じゃ。
作曲や音源の制作も手掛けており、過去の作品を拝見して、ボーカルをしっかり活かしつつ曲に合わせて丁寧にまとめていただいている印象があり、安心しておまかせできると思ったのじゃよ。
ご相談したところ、快くご了承いただき、今回の音源が完成したのじゃ。
音源はオリジナルそのまま、そしてMIXもまったく違和感のない自然な曲に仕上げていただき、本当にありがとうございますなのじゃ。
そして、MV制作に移るわけじゃが、前回の「エレメンタルマスター」と同様に、そのゲームの世界に入ったかのような、あくまでゲームに寄り添うというコンセプトで今回も行きたいと考えた。
「NiGHTS」のナイトピア(=夢の世界)を描くとすれば、やはり手書き、しかも水彩画のような淡い優しいタッチのイラストしかないと思い、いろいろと探した結果、出会ったのが笛田鳩様(https://x.com/810poppofueda)のイラストじゃ。
もうこの方のイラストしかありえないと思い、お願いしたところ、こちらも快くご了承いただけた。
ナイツなどゲームのキャラそのものを直接的に描くのは、著作権的にもよろしくなく、何より観た人のイメージも縛ってしまうので、あくまで「浮御堂みろくがNiGHTSの世界にふと立ち寄ったようなイメージ」で、さらにエリオットとクラリスをそれぞれのイメージで一枚ずつ、と合計ニ枚のイラスト制作をお願いした。
実際のゲーム画面をみていただいたり、設定なども細かく調べていただき、ラフ案の作成から最後までとても真摯に取り組んでいただいて感謝の言葉しかないのじゃよ。
そして完成したのがこちらのイラストじゃ。
まさに、わしが、なんとなくこんな感じになったらいいなと想像していた以上のイラストで、心の底から笛田様にお願いしてよかったと思ったのじゃ。
そして、こん様の音源と笛田様のイラスト、これをMVとして完成させるには、さすがにわしの拙い技術と発想では申し訳なく、今回はMV制作もお願いすることにした。
MV制作をお願いしたのは、LAFTCLEN様(https://t.co/SbjhLOUaaE)。
すでにプロとして多くの映像作品も手掛けられている方で、そのクオリティはどれも素晴らしく、またご相談したところご自身も「NiGHTS」のファンということでお引き受けいただくことができた。
「NiGHTS」といえばこうだよね、とMVの方向性についての話も弾み、この方であれば間違いない、安心しておまかせできると確信したのじゃ。
そしてついに完成したのが、このMVじゃ。
「NiGHTS」の世界に入り込んだような、というイメージを、笛田様のイラストを元に見事に表現していて感動したのじゃよ。
今回のMV制作に当たっては、わしが「こういう音源にしたい、こういうMVにしたい」という拙いイメージを、クリエイターの方に実現していただいたようなもので、まさに「Dreams Dreams」の曲にふさわしく夢を叶えることができたと言える。
音源制作&Mixのこん様、イラスト制作の笛田様、そしてMV制作のLAFTCLEN様にはあらためて多大なる感謝の意をお伝えしたい。
クリエイターの皆様のすごさを思い知ったのじゃよ。
原曲とはまた少し違うバージョンということで、原曲が好きな方にとってはいろいろと違和感を感じる部分もあるかもしれないが、人の数だけ夢があるように、これもまた、浮御堂みろくという誰かの夢だと思っていただければ幸いじゃ。
そして、これをきっかけに原曲の「Dreams Dreams」を聴いてみたいと思ったり、ゲームをプレイしてみたいと感じていただければ嬉しいのじゃよ。
最後に
「Dreams Dreams」の原曲については、オリジナルの「NiGHTS into dreams...」、そして続編の「NiGHTS ~星降る夜の物語~」ともに、セガよりオリジナル・サウンドトラックが発売されている。
ダウンロード版も購入できるので、興味を持った人はぜひ購入していただけると、きっと原曲に関わった方々も喜ぶと思うのじゃ。