卒業は次へのステップだから寂しくない、というと少し嘘かもしれませんね
2か月前スクールに通っているという話とともに、こんな記事を書きました。
そして、ここで学んだことを生かし、クラウドファンディング(CF)を実施。無事サクセスいたしました。ご支援いただいた方、誠にありがとうございます。
この度、CFサクセスという結果を受けて、前回記事からの2か月間で更に学んだことを今一度振り返りたいと思います。
■ 伝わって初めて価値があるが、伝えることは難しい
まず初めに大前提。人は自分とは違うので、完全に意思疎通は不可能です。共通のバックグラウンドがあれば話は通るものの、基本的に伝わらない。さらに言えば、人は他人に興味がないので、一生懸命何かを成し遂げたとしても、見向きもしません。仮に価値があったとしても、世の中にある大半のものは埋もれていきます。
埋もれてしまわないためには、なんとしても伝えなければならないのです。伝えることは生み出すこと以上に辛い道のりです。なぜなら皆さん興味がないからです。この意味を伝えることも難しいですね。
(出典:https://qiita.com/lymansouka2017/items/432e67e8911011924924)
伝えるためには発信するしかないのです。幸いにも現在、発信するためのツールが揃っています。
もちろん発信するリスクはあります。謂れのない誹謗中傷を受けることもあります。だからこそ、一人で悩まず、身の回りの協力者を募りましょう。身の回りの協力者は、更なる協力者を呼び込んでくれます。協力者と一緒に大海原へ出ていきましょう。協力者がいれば、島が見えなくても進み続けられます。突然の荒波だって、一人では心折れそうでも、協力して乗り越えていけます。
(出典:https://www.shonenjump.com/j/rensai/onepiece.html)
■ やらなければわからないからこそ、やるための力が必要
当たり前ですが、大概のことはやらなければわかりません。私自身CFを実施するまでは、顧客分析AIカメラなんて、何人の人が賛同してくれるのだろうかと半信半疑でした。
- 店の人で自分から分析したい人なんていないんじゃない?
- 分析したところで何もできないんじゃない?
- そのうち使われなくなってバックルームに転がってそう(笑)
などといった意見があり、私自身も「まあそうだよなあ」と思っていました。ですが、現実は多くの支援をいただきました。自分の店で使いたい、社内で共有してみたい等、逆に私の手が回らなくなるほどでした。本当にありがたい誤算だったわけです。
しかし、そもそも自分で作ることができたからこそ、試す土台に上がれたとも思っています。作ることができなければ、いまだにAIカメラって良さそうだけど値段が高いしなあ・・・という次元から進めていません。作ってCFに臨んだからこそ、見つかった課題を今後どうしていこうかというステージに進むことができたと考えています。
■ 自分で作れることで視座が上がる
少し話は変わり、ここ2か月での考え方の変化についてお話しします。私は以前、具体的な技術は分からなくても、企画を推進していく上で弊害はないと思っていました。それ以上に現場を正しく理解し、その課題を解決することを主眼に置いて考えれば良いと思っていました。しかし、それは間違いだと気づきました。
- 業務効率化のためにDXを進めなければならない
- RPAで業務を効率化する
- AIで課題を解決する
一般的によく言われてますよね。でも、正直何がしたいのかよくわかりませんよね。問題は2つあります。
1. 技術的な解像度が低いため企画が具体的にならない
分からないと、結局人任せ、社外のベンダー任せになります。
例えばRPA一つとっても、ノーコードツールを導入するのか、プログラムを書くのかで進め方が変わります。ツールも巷には溢れていて、自社社員にはどのツールがあっているのか判断が必要です。
仮に技術への理解が高ければ、スクレイピングして広報情報を収集するだけであればseleniumを使えばいい、JavaScriptでもPythonでも動くけど今回は〇〇の手が空いているから〇〇がコード書く。何週間以内に実装して試験運用する等、企画が具体的に落ちていきあっという間に進んでいきます。
実態がわからない言葉たち
2. 既存の延長戦でしか考えられていない
こちらの方が深刻かもしれません。課題解決とか業務効率化は、結局既存の枠のなかで閉じてしまい、新しい発想に辿り着きにくいです。機能ベースで考えてしまうと、その枠の中で閉じてしまうと言われていますが(もちろんそのような場合もありますが)むしろ逆です。
世界にはこんな機能が存在しているということと、自分の分野の全体構造が結びつくことで、実はこんなことができるのではないかという新たな発想が生まれてくるのです。
私が学んだのがシステムやハードの実装に関する部分であったため、このような例を出させていただきましたが、他の分野でも同じことが言えると思います。
例えば、プロモーションのデザインであっても、代理店の提案から選ぶだけか、自分でプロトタイプを制作した上で議論をするかで、ディレクションの時点から間違っていたということを防ぐとともに、最終的なクオリティにも差が出てくるのではないでしょうか。
提案してくるものがなんか違うんだよなあ・・・と嘆く前に、まずは自ら生み出す力を手に入れることで、世界が変わって見えてくると思います。
■できるようになることは楽しい。それが次の学びへのモチベーションになる
ー 初めて自転車に乗れたときの感動をあなたは覚えていますか? ー
私は覚えていないのですが、何かができるようになることは楽しいです。プログラミングを始めて、流石にHello Worldでは何の感慨も湧いてきませんでしたが、自分が送ったLINEのメッセージに返信してくれるBotが作れたり、自分が吹きかけた息の温度に応じて違う色のダイオードが光ったり、何かができるということは単純に楽しく、人生に彩を与えてくれるということを、齢30を超えて思い出しました。
CFでも、初めてPythonで書いたコードが動いて、拾ったモデルとはいえ顔を認識してくれたり、認識秒数を測れたり、一つ一つできるようになるたびに感動がありました。
(男性、25~32歳、カメラに写っている秒数) がわかるAIカメラです。
そして、次はこれができるようになりたい、その次はこれが・・・とできるようになることへの欲求が湧いてきて仕方がありません。
意識高い系記事みたいですね。
■ 卒業まで来れたのは仲間がいたから
世界は優しかった。
- 自作のAIカメラを店におかせてくれた店長はじめ従業員の皆さま
- AIカメラを、まずはすごいと言ってくれた皆さま
- その上で、ここが足りていないという意見をくれた皆さま
協力者に恵まれました。CFはあくまで1サイクル目。ここからがスタートです。自分がやりたい企画を進めさせていただき、ありがとうございます。
本日をもって冒頭申し上げたスクールは卒業、独り立ちです。自分がやりたいことを続けていけるので、不安はありません。ですが、寂しくないと言えば嘘になります。
スクール入学当初、色々な業界の方がいるので人脈ができると嬉しいですと申し上げました。結果、厳しい4か月間をともに過ごした同期、技術を教えてくれたエンジニアの皆さま、自社以外の小売事業者の方、想定以上の人脈が生まれました。
完全に途切れることはありませんが、それでも定期的に集まっていた機会がなくなってしまうのは少し寂しいかもしれません。それでも、私が発信を続ける限り、繋がっていられると信じています。
■ コピペでいいから動かしてみれば?
先日、社内でPythonをやりたいと言っている方がいました。私がPythonを勉強してAIカメラを作ったり、Pythonでデータ分析している他の方を見て、そのように思ったそうです。
その方「スクレイピングしてみたいからPython勉強したいんだよね。基礎からしっかり勉強したいから、なんかいい本とか教材ない?」
私「そんなことより、その辺のコード拾ってきて動かして、他の方に見てもらった方が早いですし、力もつきますよ。」
これが私の結論です。
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