いま絵は売れないんです
グラフィックス
先生に展示会の案内をいただき、見に行きました。
先生の、そのまた先生の作品です。
美術館とちがって絵に値段が付いていました。
「これ、ください」と気軽にいえるお値段ではありませんでした。
これを高いと思うかどうかは、人それぞれでしょう。
買えたらいいなあ、と思いますが。絵を飾るくらい広い家があったらいいなあ、とも思いますが。
しかし、いま日本でどのくらいの人がそういう家に住んでいるのでしょうか。
いくら絵が好きでも買えない。飾れない。
そうすると、一部の富裕層とか、企業とかが買うことになるのでしょう。
困ったことに、絵画は長持ちしますから、コレクションでもない限り、一度買ったら、そう何枚も新しい絵を買う必要はありません。
とすると、やはり美術館や公共の事業として、絵画(や美術品)のコレクションに予算を割いてもらうしかない気がします。
とはいえ無限に増やすわけにはいきませんから、残す作品を厳選しなくてはなりません。
名だたる画家達が遺した名画だってすごい数なのに、新しい作品が次々と生まれ続けているわけですから、管理するのは大変になるばかりですね。
おつかれさまです・・・
しかも、これからは絵を描く人が増えるような気がするんですよ。
これは、新型ウィルスか流行る前は逆のことを思っていました。
こんなに経済状況が悪くて生活に余裕がないと、働くだけで精一杯で、絵や音楽や、そのほか文化的な活動にかまけている暇がないのではないか。
そういったものは、非生産的なものとして葬られていくのではないか。
と、考えていました。
専業主婦のみなさんが、家事の合間にたしなんでいたお稽古ごとという名の文化活動も、働く女性が当たり前になるにつれて衰退するだろう、と。
生徒さんがいなくなったら、先生方は失業します。
生活していけなくなれば、ほかに仕事を見つけないといけなくなります。
そうすると、先生もいなければ生徒もいないという状況になってしまう。
でもですね、この先、心の支えとなる絵や音楽や、そのほか文化的な活動を欲する人が増えるのではないかと思いはじめました。
リモートでも仕事ができると分かりましたし。もう、がむしゃらに働く時代ではなくなりました。
人と人との繋がりが危うくなり、精神的に不安定な人も増えています。心が満たされないと、生きる力も出てきません。
絵、描きたくなるでしょう?
なりませんか?