#刀剣短歌(にほへし) 2022まとめ
目がこころの色をうつした窓ならばいつかおまえの花野に立ちたい
ひそやかにひみつを切ってわけるときくちびるも耳をあわくなでる刃
やわい風に髪のひとふさそよがせておまえは夢の春よりひかる
ああいまのおまえは春にも目をひらく花を見るだけの約束がしたい
知っていた 花野へ火など放てないおまえに忘却はできないことは
木洩れ日にひかりの鱗を思うとき龍のただ一枚のおまえだ
袖にふれそよいでもどる花房に風のながれをつよく信じた
月を見る約束をつぎの冬も夢も待たず果たせるところにいます
しゃぼん玉ふけばまろいうろこのよう春風とは目に見えない龍
思い出の座標にするならここがいい盃に灯るまろやかな月
花を贈る いままでの春に見られずにいたよりおおく花をおまえに
あすもまた会えるのあすが本当にあすのさいわいよ おやすみを聞く
たましいもきっとこのように光るだろう 陽光にうぶ毛透ける秋の頬
ぬぐうのは感情を奪うことだから真夜(まよ)に見守るさみしい水路
キャラメルのつつみを飛行機に変える指に千年先のこころも誓える
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