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365日ライカ:062 アポズミクロン50mm f2 ASPH.レビュー

アポズミクロン50mm f2 ASPH.」は、数多くのライカレンズの中でも王座に君臨するレンズと言っていいでしょう。

マニュアルフォーカスの50mm単焦点。しかも、f2というスペックにも関わらず、新品価格約100万円。

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そんな値段感も含め「究極の50mmレンズ」とも呼ばれるスペシャルなモデルです。

しかし、僕にとっては「このレンズを使いたいからライカのカメラを使っている」という一つの基準となるレンズでもあります。

今日は、手持ちのレンズからそんな「アポズミクロン50mm f2 ASPH.」をご紹介します。

現実を切り取るレンズ。これが使いたくてライカに手を出した

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Leica M10-P, Apo-Summicron M 50mm ASPH.

僕が手に入れた最初のライカは、カメラではなく、このレンズでした。

とにかく印象的だったのは、そのすっきりした描写

レンズを通した色気を持ち合わせながらも、現実そのものを切り出したような画作りには驚かされました。

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Leica M10-P, Apo-Summicron M 50mm ASPH.

その秘密は「レンズ特有の収差を極限まで抑えた設計」にあると言われています。

「非球面レンズ」「アポクロマートレンズ」「フローティング機構」の導入、そしてレンズの値段の大半に反映されていると言われる(!)精緻な組み立てによって実現された収差の少なさ。

それが、まるで現実を切り出したように感じる理由なのだとか。

現実は、写真よりも、美しい

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Leica M10-P, Apo-Summicron M 50mm ASPH.

写真を見て「現実よりもきれい」という感想を漏らす方は少なくありません。

僕もその言葉に納得する部分はありますが、基本的には「現実の方が美しい」と思っています。

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Leica M10-P, Apo-Summicron M 50mm ASPH.

例えば「背景のボケ」。私たちが普段の生活の中で何か物を見る時、実は背景はボケています。ただ意識していないだけなのです。

物事を集中して見る時、私たちの目の焦点距離は変わり、シャープネス、コントラスト、彩度までが変わります。そしてそれは、気の持ちようによって、さらに変化します。

この「アポズミクロン50mm f2 ASPH.」が教えてくれるのは、そんな現実の美しさ。

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Leica M10-P, Apo-Summicron M 50mm ASPH.

レンズの収差を抑えるということは、ある意味では“写真的な旨味”を取り払うことにも繋がります。

しかし、その一方で、「本当は自分はこんな世界を見ているんだ」と改めて気付かせてもくれるのだと感じています。

視界を「写真」に落とし込む。そんなプロセスを再定義するレンズ

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Leica M10-P, Apo-Summicron M 50mm ASPH.

つまり「自分の視界に最も近いレンズ」として、僕はこの「アポズミクロン50mm f2 ASPH.」を扱っています。

つまり現実をそのまま採取して、サンプリングするような感覚です。

そのため、RAWデータを写真として見た時に「見えすぎている」とか「情報量が多すぎる」と感じることも少なくありません。

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Leica M10-P, Apo-Summicron M 50mm ASPH.

そんなとき、僕は「アポズミクロン50mm f2 ASPH.」で撮影した写真に対して、シャープネスや明瞭度を下げたり、フィルム風フィルターをかけたりして、情報量を減らすというプロセスをとります。

あるいは、“クセ”を乗せる工程と言ってもいいかもしれません。

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Leica M10-P, Apo-Summicron M 50mm ASPH.

「せっかくのレンズ特性を台無しにしている」と感じる部分もないわけではありません。

しかし「”写真的な味付け”は後から加えよう」という考え方を採用するならば、ある意味では「その瞬間を最高の状態で切り取って保存している」とも捉えられます。

現実と写真の橋渡しをする、自分に欠かせないレンズ

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Leica M10-P, Apo-Summicron M 50mm ASPH.

正直、こうして文章にしてみると、なんだか面倒くさいですよね。

でも、実際にこのレンズを使って写真を撮っているときは、こんなことを考えているわけではありません。

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Leica SL, Apo-Summicron M 50mm ASPH.

目の前にある被写体に向かって、無心でフォーカスを合わせ、シャッターを切るだけです。

コンパクトなボディと、少し重めのフォーカスリングはすっかり手に馴染み、操作感においても一つの基準となっています。

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しかし、RAWデータをCapture Oneに読み込み、大きなディスプレイで向き合ったときに、写真と現実の違い、あるいは共通点と向き合うことになります。

現実の美しさ。写真の美しさ。

その両者を見つめ直すきっかけとして、「アポズミクロン50mm f2 ASPH.」は常に機能しています。

ちなみに、新品価格は高いですが、中古では在庫も潤沢にあるためお値打ちですよ。僕も70万円強の中古で購入しました。

フィルムカメラとの組み合わせについてはこちらの記事をご覧ください。

そして、こうしたクセのないレンズを基準としているからこそ、オールドレンズがまた楽しかったりもします(笑)



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