365日ライカ:034 デジタルでフィルムを使う
デジタルには「アナログのシミュレーション/エミュレーション」という考え方があります。
言葉の厳密性はともかくとして「アナログ技術をデジタル上で再現する」という意味と考えて基本的に問題ありません。
Leica M10-P, Apo-Summicron M 50mm ASPH.
音楽においては、デジタル機器一つで伝説的な楽器やアンプなどを再現する際によく使われますが、写真分野ではフィルムの再現によく使われます。
フィルムシミュレーションで有名なのが「VSCO」と富士フイルムの「Xシリーズ」でしょう。
Leica M10-P, Apo-Summicron M 50mm ASPH.
どちらも実在のフィルム名を冠した、現像プログラム/フィルターです。
富士フイルムの場合は、厳密には実在のフィルム再現を目的としたものではないはずですが、大まかな描写傾向としては踏襲していると考えて問題ありません。
Leica M10-P, Apo-Summicron M 50mm ASPH.
そんなフィルムシミュレーションですが、僕は主にVSCOアプリか、VSCOのLightroomプラグイン版(かつて販売されていました)か、THE CLASSIC PRESETSの「Classic Film Styles for Capture One」を利用しています。
Leica M10-P, Apo-Summicron M 50mm ASPH.
YouTubeや雑誌などでベテラン写真家の方のお話を伺うと「昔あった○○というフィルムが〜」といった、すでに廃番となってしまったフィルムを語る場面に出会すことが少なくありません。
かつては残された作例写真から想像して楽しむことしかできなかったでしょうが、今ならフィルムシミュレーションを使うことで、デジタルでそのフィルム特性を体験することができます。
Leica M10-P, Apo-Summicron M 50mm ASPH.
フィルムは複雑な工業製品・化学製品ですので、需要と供給のバランスが成り立ち、さらには各部品の生産が滞りなく行われていなければ、作り続けることができません。
Leica M10-P, Apo-Summicron M 50mm ASPH.
もちろん廃番になってしまうのは残念ですが、それでもデジタルである程度まで再現することができる。それはとてもすばらしい”テクノロジーの使い方”ではないかと思います。
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