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雨に濡れながら僕らは大人になってゆくよ
2022/09/15
社会人になってからも夏休みは作れるんだなと知ったのは、転職が決まり有給消化に入る時。
当時千葉市に引っ越したての私は、その有り余る幸せを自転車のペダルで踏みしめながら毎日のようにアリオ蘇我へと向かっていた。
昨年の夏休みは1ヶ月ちょいあって、当時近所にあった幕張ベイタウンや船橋ららぽーとへこれまた毎日向かっていた。
一度だけ、もう関東で気軽に遊ぶことは今後なくなることから単身鎌倉旅行も行ってきた。あれはいい選択だったなと今でも思い出すたびにあの湘南の風が脳裏をよぎる。
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そして今。10月から新しい仕事を始める。
いや、そんな転々としてて人生大丈夫?と思われるかもしれないけど、どれもちゃんと理由がある上での判断なので、採用側から特にそこに関して突っ込まれることはない。
それがほんとにやりたかった仕事かと聞かれると、必ずしも笑顔で頷くことはできない。
でも、今後の人生を長い目で見た時に、ある程度の加減で選択をしておくことが大事だと考えたため、この決断に至った。
これまでにも何度か記述している通り、私は昨年まで新聞記者だった。
3年間だけだけど、その仕事は本当にやりがいに満ちていたし、今でももう一度やりたいと思える、いわば私にとっての天職で適職だったと思う。
旦那との再会を機に退職届を提出したものの、なんらかの形で物書きやカメラスキルを継続して活かしていきたいなと今でもよく考える。
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夫のことをちゃんと愛している。私はこれまで、全てが綺麗な恋愛だったわけではない。
あえて羽目を外してみることもあったし、相手の意図を察知して懐にすっと入ることもあった。個人的に大恋愛と呼べるものを大学時代に経験もした。
この夫のために生きていきたいと強く思うようになった。
健康に長生きしたいし、縁側でお茶飲みながらオセロしたい。いつまでもキューブのスマブラでガチバトルしたいし、一緒に楽器を弾いて遊びたい。
結婚への行為は思うほど難しくなくて、本当に紙に名前書いただけで終わってしまった。
それだけで気持ちや環境は変わってくし、家族がひょいっと増えてしまった。
今後、この苗字で生きていくことの方が長い可能性が高いんだなと思うほどに、私のあの10〜20代は希少なものと化していくんだな。離婚すれば元には戻るけどさ。今のところそんな気はお互いにないし、寧ろその選択肢があることを忘れるくらいには思い合ってるんだと思う。
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結婚が理由で夢を諦めたと思われたくない。
そもそも媒体はなんであれ、私は書くという行為が本当に好きなだけ。
大学以来の仙台に戻ってからは、たまにエッセイを投稿したり(採用されて、佳作てきなのに選ばれたものもある。執筆能力は衰えてないと知りちょっと安心した)自分でシナリオを組んでそのうち応募する予定もある。
そういえば元々、私は自分自身が有名になりたいという願望が幼少期からあった。昔はただ漠然と人気者とかそういう類のものって感じだったけど、大人になってようやく、それがこうしたものによることでと分かった。
将来の夢を持ち始めたのは20歳を過ぎてからだった。
就活をしていてもぶっちゃけ似たような会社にみんなで入りたいと思わなかったし、私にそれは合わないと思ってもいた。
安定だの地元だからだのといった理由で、早々と就活を終わらせる知人を見るたびに、こうはなりたくないと思った。決してその人を嫌いではなく、よく遊んでいたのだけど。その選択肢をあくまでも私はしないかなと。
それなのにその選択肢をここで決めた。本当にどうなるかわかんねえな。
明日は崇拝する山下達郎が仙台公演を行う。
ベースは前入りしてラーメンを食ってることをインスタで知っていたので、今日はそのラーメン屋でおっさんの到着を待っていたのだが、一向に気配なく。諦めて帰宅後にインスタを立ち上げると、都内でラーメン食ってこれから仙台へ!的な投稿をしていた。なんだかやりきれなくなり、唯一チケットが当たった旦那にこの悲しみをぶつけたのだった。これが私の夏休み3日目のこと。
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さよなら夏の日 / 山下達郎