ユウレイみたいな人
こんばんは、moikoです。
皆さんは、毎朝同じ電車に乗りますか?
私は毎朝同じ時間、同じ乗車口から乗っています。途中で電車を1回乗り換えるのですが、その電車は始発です。乗り換え駅でも私はいつも同じ乗車口から乗っています。混む駅なので、私が着いた時点で人がたくさん並んでいるのですが、比較的そこに並ぶと座れることが多いのです。
とはいっても、朝の座席取り合い合戦は熾烈。ぼっーっとしてたらあっという間に席が埋まります。(今朝は逃しました)
ある日、その電車で、今日も座れて良かったなぁとか思いながら、文庫本を読んでいたんです。ふと顔を上げると、
ユウレイ!!!
私の前に50代位の女性が立っていたのですが、ボサボサパサパサの長いまだら白髪で、顔にかかった髪の隙間から見える目は細く垂れていて、「へ」の字に曲がった口はモゴモゴ口動いていました。眉根を寄せて不機嫌そうな表情を崩さず、スマホを睨みつけているその姿は…
ユウレイ!!!
それが私の彼女への第一印象でした。失礼ながら…。(今ハマっている漫画『ダンダダン』に出てくるターボばばあみたいでした)
それから毎朝、私がどの席に座っていても必ず彼女は私の前に立っていました。
「あれ、この人昨日も私の前にいたな」
「ん?またこの人私の前にいる…昨日と席違うのに」
「いつもより離れた所に座ったのに、また!?」
「どこに座ってもいつも前にいる!!」
こ、怖すぎる…と、心の声を叫びそうになりました。
意識して観察してみると、彼女は途中駅でいつも先頭で乗り込んで来て、キョロキョロする風でもなく、(どうやって私を見つけるのか)私の前に立ちます。恐らく、私は彼女が乗り込む駅から10分ほどの駅で降りるので、「すぐ座れる席の人」として狙われていたのだと思います。
そのうち、毎朝不幸オーラを放つユウレイみたいな彼女に狙われているのがストレスになってきました。周りの人に話すと「意識しすぎだよ」とか「そんなの気にすることないよ」と言われたのですが、
どーしても気になる!!!
車両を変える選択肢もあったのですが、自分が負けたみたいで嫌だったんです。それで、私は彼女と対決してみるこのにしました。前に立ったら彼女をじっと見て、目が合ったら「どうして私の前にいつもいるんですか?」と聞いてみてもいい!と思ったのです。そう決めた朝、私は自分が降りるまでの約10分間ずっと彼女の顔を見続けてみました。
結果、ユウレイみたいな不幸オーラいっぱいの顔を見続けていた自分の気分が悪くなっただけでした。
彼女は一度もスマホから顔を上げず、目も合いませんでした。(私の視線に気づいていたかもしれないけど)次の日から私は車両を変えました。敗北…いや、勇気ある撤退です。
くだらないと思われるかもしれませんが、私は本気で悩んでいたので、ネットで同じような悩みを持つ仲間がいないか検索してみました。すると、「毎朝私の席の争奪戦が激しく、3人〜5人の人が私の前に立つのを争っていて落ち着かない」という方がいました。
私だけじゃなかった!!
車両を変えて以後、そこも割と座れることが多く、私の心も安寧になりました。やれやれ…。
ただ、これを書いている帰宅時の車内で、ふと前を見てギョッとしました。
ユウレイ!!?
それは、電車の窓ガラスに映った仕事帰りの自分の顔でした。髪はちょっとボサボサ、疲れ果てた顔…。今日は会議もあって忙しかったもんなぁ。
もしかしたら、私も誰かのユウレイになっているかもしれません。
気をつけねば。
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